悪夢の棲む家 (下) ゴースト・ハント (講談社X文庫―ホワイトハート)

著者 :
  • 講談社
3.90
  • (238)
  • (156)
  • (285)
  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 1472
感想 : 111
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062551649

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白かったー。三人称になったことで、これまでとはまた違うゴーストハントを読んだ感じ。話もまさしくホラー。でもちゃんと?ゴーストハント。
    読めてよかった!
    本もなければ電子もないのでなんとかこうにか中古で手に入れたけど、本当に読めてよかった。みんな元気そうでなにより。
    広田さんにムキムキしてしまうけれど、ふと振り返れば現実では自分も同じように思うかもしれないと考えたり。そして中井さんのように信じきってるひとに対するナルの発言に確かに、となったり。
    そして最終的に、広田さんの立ち位置がとても誠実で素敵だなと思った。頑固者だけど、でも、誠実。心霊現象に限らず、何事も自分の意見や考えに固執せず、さまざまな情報をちゃんと受け止め、その中からその都度考えて選んでいきたい。あるなし、よしあしは、事柄によってその都度変わるものだから、全て同じではないから、その都度、ちゃんと向き合いたい。そんなことを思った。

  • 下巻。
    ありえないところから何かが覗いている系ホラーは後を引くので怖い。しばらくはお風呂のふたを開けるたびに首が転がってないかおびえる日々です。
    ナルとジーンの連係プレイには手に汗握りました。最初の「やっと繋がった」と最後の「おやすみ」のやりとりが泣けた。引っ張った割にはコソリがあっけなくて拍子抜けでしたが、少女が悪夢から抜け出せて本当によかった。
    いつものメンバーのやりとりがまた見られてうれしかったです。読んでいるうちにすっかりSPRのメンバーが好きになってしまったようです。続編を望む声が多いのもうなずけます。ジーンの死の真相とか何かわけありっぽいリンさんの片目のこととか、気になることがいっぱいあります。
    しかし、今回綾子の一応出しました感がひどい。笑

  • 何度目かになるかわかりません。多分5回目くらいの読了で御座いましょうか?
    コミックの悪夢の棲む家を読んで、原作読み返したくなり引っ張り出して来ました
    やはり何度読んでも、面白い!

    上下巻ではございますが、流石に全体的に出番の少ないキャラが出てくるのは残念でございます…
    綾子なんて数える程度しかセリフがありませんし…
    リンさんも最初からいる割には、ほとんど空気状態(;´Д`)
    もともとそんなに喋る人ではないのでしかたがないのですが、リンさんも好きなので残念です…
    そんな中、ぼーさんはなかなか良い感じに目立っていますねw

    ですので、今でもやはり思うのは、是非とも続きをお願いします! という感想です
    広田さんも物語が進むうちにだんだんと憎めなくなっていきますw
    もっとSPRのメンバーの活躍を見たいのですが…、きっとダメなんでしょうね
    ほんと、せめてこれのリライトでないかなぁ
    流石にちょっとくたびれちゃってますしw

    コミック完結するくらいの頃に、リライト版出たりしないかなぁ(´・ω・`)
    今出しちゃうと、コミックのネタバレですしね…。ホワイトハート版はもう絶版なので、なかなか手に入らないですし

  • 「のぞいているのは誰なんだ?」というナルのセリフが何回読んでも怖くて大好き。
    後編になって初めて出てくる殺人事件の真相やそれに伴う幽霊展開は漫画でも思ったけど予想の斜め上すぎてたまらない。クライマックスの展開はちょっと別の小説っぽくなっちゃってるけどこれはこれ(漫画のナルが色っぽくて大好きだったので全然許す)
    これでシリーズ全部読み終えちゃったの寂しいな〜〜〜!いつまでも大好きなシリーズ。オールタイムベスト作品です。

  • 面白かったー。軽い調子で読みやすいと思った。でも、小野さん作品からグロは消えないのねw

  • 解決編の下巻。まさかの隣人襲撃が本当に怖すぎる。あの絶望的な状況で大事に至らなかったのは奇跡としか言いようがない。日本家屋における、湿り気多めの恐ろしさかと思いきや、思いっきり物理的恐怖で殴られた衝撃たるや。
    そして三人称になって初めて得られた、ナル視点の描写。事件に向かう思考はこうなっていたんだなあ、と新鮮な気持ちで受け止めた。ジーンの再登場もうれしい。別れには少し寂しさが混じるけれど。ナルとジーンのやり取りも結構高揚した。
    下巻に差し掛かってよりいけ好かなさが増した広田だが、広田の視線を介することで、面々の横顔が際立っていた面もある。堅物で腹立たしい思いもさせられたけれど、意識が変容していくさまが丁寧に描かれ、エピローグに着地したと思うと悪くない読後感につながった。
    やっぱり、麻衣の感性は何者にも代えがたい物語の鍵だかあ、と終わりまで読んで改めて感じる。「関わるのをやめちゃうと、そういう気持ちがいっぱいあるのに見えなくなってしまう気がするんだ」。こういうことを軽やかなステップとともに言ってのける麻衣がいるからこそ、ゴーストハントはより魅力的な物語になっているのかもしれない。

  • 上巻に続き、一気読みいたしました。

    広田さんの石頭が少し砕かれてよかった。笑
    でも目に見えない、感じられない現象を、広田さんのようにとらえるひとが現実的には多いのでしょうね。
    そうかといって霊能現象が本当かどうか私にはわかりませんし。

    今回の件は学校じゃなくて家、ということだったので怖さがちょっと増しました。
    あと犯人というか、霊の思念が強いのが怖かったです。ホラー的な怖さとアクション的なスリル感と両方を味わえました。

    そしてジーンとナルのコラボ。ナルは本当はジーンに対してどう思ってるんでしょう。
    いつか続きが読める日が来たらいいな、と小野先生に期待!

  • 昔「屍鬼」読んでびっくりして、古本屋や図書館を駆使して小野さんの小説を片っ端から読んだ時以来の再読。
    一番有名な十二国記シリーズ以外は当時多分読破しました。(当時、ホラーは好きだけどファンタジーが食わず嫌いで苦手だったせい)

    久しぶりに読んで驚いたのが、小説から受ける印象が初読時とまるで違っていたこと。私が年を取ったせいだ。

    初読時はとにかく怖かった。しばらく、夜、鏡を見るのに躊躇するくらい。当時は、登場人物の中でも子どもたちの方に感情移入していたんだなと、今思えば納得いく。

    再読するまでこの小説で一番印象に残っていたのは、下巻序盤の子どもがふとんの中でわけの分からない恐怖におびえているシーンだった。何年たっても忘れられないくらい怖かった。小さい時分に見た悪夢に似てるような気がして。

    それから、女の子が体験する「帰ったら誰もいない家」。これがまた怖かった。小さい頃お昼寝から目が覚めたら、母が(買い物で)留守だった時の心細さの記憶が、「誰もいない家」に重なってたんだろうなと、思う。

    そして今回親の方に近い年になって再読したわけですが、あの時のどうしようもない「怖さ」より「切なさ」「悲しさ」の方がずっと強くなってることに我ながら驚いてしまいました。

    死んでまでも子どもを守りたかった親たちの必死な想いに感情移入して涙が止まらなかった。ただひたすら切なく悲しい。

    そして、昔は悪役にしか思えなかった隣家の家族の置かれた立場にさえ同情してしまう。世の中って難しい。年を取るってこういうことを知ることなんだ、としみじみ考えさせられた。

    この小説を書いた時、小野さんは何歳くらいだったんだろう?「親」「子」どちらの立場で小説を書いたんだろう?読む人の年令で違う読み方ができて、どちらの世代にも説得力のある小説を書く才能、小野さんすごすぎ。
    すごいのは知ってたけど、やっぱりすごい!

    ティーン向けのレーベルで書かれた作品なので、少女マンガ的キャラがたくさん登場しますが、ストーリー自体は小野さんホラー大好きな人にはたまらない作品だと思う。ラストの「女の子」の登場のさせ方は、鳥肌立ちました。で、最後にまた号泣させられました。

  • 綾子のぽっと出感(笑)前シリーズで能力は解明されてるから、最初から同行してないと出しにくいキャラになってそう。綾子大好きだけどなー!
    広田さんの子供っぽさにイライラさせられたけど、最後まで読んで許しました。
    ジーンもまだ現世にいたことが分かり、ナルともコンタクトを取れるようになった。ゼロ班検察の広田さんも登場したし、広がりを予感させるのに…続きがないなんて…。全員登場して否定派広田に解説、幽霊はいるかいないかという初心に戻る的なテーマも始まりの巻という感じなのに…。いつか書いてくれないだろうか。

  • 先のシリーズと同じく、怪奇現象の起こる原因がやっぱり怖くて、哀しくて。
    人は皆多かれ少なかれ、闇を抱えながら生きていること、そして同時に、光を宿すこともできるのだ、ということ。
    ホラーや犯罪ものを読む時に私が求めているのは、そういう確信なのかもしれない…そして小野不由美さんの物語を読むと、いつもそういう確信を持つことができる。怖れと同時に希望を感じることができるのだ。
    このシリーズ、続く予定で続かなかったそうで。
    今後、大きな役割を担いそうな、興味深い登場人物が出てきていたのにちょっと残念。

全111件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小野不由美の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
小野 不由美
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×