東の海神 西の滄海 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062551687

作品紹介・あらすじ

「国がほしいか。ならば、一国をお前にやる」これが、雁州国延王・尚隆と、延麒・六太とが交わした誓約だった。民らが、かつての暴君によって廃墟となった雁国の再興を願い続けるなか、漸く新王が玉座に就いたのだ。それから二十年をかけて、黒い土は緑の大地にと、生まれかわりつつある。しかし、ともに幸福を探し求めたふたりのこどもの邂逅が、やがて、この国の王と麒麟と民との運命を、怒涛の渦に巻きこんでいく。

感想・レビュー・書評

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  • 4.6
    六太の話です。尚隆の話でもありますね。
    そもそも雁国の話か。
    泰麒の話の時には、延王は500年経っている様なことを言ってましたから、前の話より500年近く前の話なのかな。
    六太の話からしても日本は戦国時代ですかね。
    こうやって一人一人の最初の話を読むのはとても楽しい。
    他の話と繋がっていく訳ですが、なにせファンタジーなので都合良く解釈できますし、ストレスがありません笑笑
    ホラーも得意とする作者らしいので、グロテスクな表現がちょっと顔を覗かせますが、まぁなんとか耐えられる範囲です。
    グロいのは好きじゃないですね、麒麟ほどでは無いですが。
    尚隆はカッコいいですね。こんな王なら仕えてみたい笑

  • 延王、延麒の出会い含む延の物語。

    延王、延麒のコンビが、何故だか自分には一番しっくりくる。
    このいい加減さが、とても良い加減(*^-^*)

    力が入りすぎていなくて、正義感が先走り過ぎていなくて、
    ちょうど良い。ぶっきらぼうだが不器用な優しさが見え隠れする
    二人の物語がとても心地よい。

  • 「尚隆、好きだー!」

    何度目の再読か判らないけれど、十二国記の中でこの巻も3本の指に入る好きさ加減。
    500年を超える治世を誇り続ける雁国の黎明期。
    千里の道も一歩から、ではないけれど、
    荒廃を極めた雁国が、見事な豊かさを誇る国になるためには
    一筋縄ではいかなかったんだな、と当然と言えば当然のことに思い至らせてくれる。
    この巻は延麒・六太の目線で語られることが多いから、実際、尚隆の行動のほとんどは煙に巻かれたままだけれど、昏君と側近に罵られつつも、自分の行動(努力)のほとんどを悟らせない尚隆は「能ある鷹は爪を隠す」を地で行く人物じゃないだろうか。
    私はそういう、努力を人に悟らせず、陰日向問わず振る舞う人がとても好きだ。
    というワケで、冒頭の一言に行きつくのです。

  • 危険な小説。
    旅の友にと持ち歩くには、自分には不向き。夢中になりすぎて、電車を降り損ねそうになるし、バス停で傘を忘れても気づかない。ストーリーの戦乱にリアルな読者の自分も巻き込まれる感じ。単にうっかりしているだけかもしれないが。
    そんなこんなで読み終えて、満足度は高し。十二国記、延の話。幼い頃に蓬莱で捨てられた子どもが、生き延び再会。彼らの主と国の運命やいかに。村上水軍なんてのも出てきて、日本史好きにはちょっとドキドキする展開。
    王とは、治世とは何か。統治者は何をすべきなのか。
    面白くて考えさせられる、大好きなシリーズ。

  • 雁国の再興初期のお話。

    実権を掌握しているのに政治を真面目に行わず市井をふらふらと遊んでいる(ように思われている)延王。
    みるに見かねた(という大義名分の元)元州侯代理の斡由は処罰を承知で六太を誘拐し、権限譲渡を脅迫する。。。といったストーリー。

    尚隆が胸に秘める、「王と呼ばれることの意味」が素敵でしたね。
    そして、今回謀反を起こした者も「俺(国)の一部」として、国を思う気持ちが故の過ちとして赦す懐の大きさに感服。(首謀者にはケジメ付けてるので甘ちゃんではない)

    そんな彼でも500年経つと国を壊したくなる気持ちを持つあたり、不変というものは人を狂わせるものだなと複雑にもなりました笑

  • 十二国記シリーズ、雁国のお話。
    延王の考える、治める者と民との関係が素敵。こんな風に民を想う王の下にいたいもので。

    「若、と呼ばれることの意味を分からないでいられるほど俺は莫迦ではない」

    まだ人だったときの延王のこのセリフが好き。

  • 唯一CDドラマ化になるだけあって、
    尚隆がかっこいいです。
    「小松尚隆と」・・・シビレます(^^♪
    それにしても、王と麒麟、
    出会ってから理解し合えるまで、ン十年とは。
    早期の失道があるのも、なるほど~ですな。

  • 妹に薦められ、読み始めた十二国記シリーズ。
    いつしか妹の本棚から私の本棚へ移り渡ることになった一冊。

    尚隆と六太のお話。
    エンターテイメント性や爽快感は他作品と比べると物足りないかもしれないが、薄幸な悲壮感をどこかに漂わせた二人の危うさや脆さは読んでいて嫌いではなかった。
    全てを救うことは出来ないけれど、その痛みを愛おしく思える一番好きな物語。

  • 「国がほしいか。ならば、一国をお前にやる」これが、雁州国延王・尚隆と、延麒・六太とが交わした誓約だった。民らが、かつての暴君によって廃墟となった雁国の再興を願い続けるなか、漸く新王が玉座に就いたのだ。それから二十年をかけて、黒い土は緑の大地にと、生まれかわりつつある。しかし、ともに幸福を探し求めたふたりのこどもの邂逅が、やがて、この国の王と麒麟と民との運命を、怒涛の渦に巻きこんでいく。
    「BOOK」データベース より

    人は正義を標榜するのだ.
    正義と言う仮面をかぶった偽善者が世にいかに多いか.
    プライドを、対面を守るために正義という仮面をかぶってはいないか、気をつけないとなーと思った.

  • 延王と延麒の話。延王は表向きは適当に見せといて、実はしっかりかっちり国を治めてる。
    元州斡由の謀反がメインストーリー。六太と更夜。

    泰麒が驍宗をめちゃくちゃ慕ってる話の後に読むと、延麒六太は王にも軽口叩くし、威勢いいし。
    ここまでキャラクターを書き分ける作者がすごい。

    読み進めながらあぁ〜そんな話だったなって思い出してる。やっぱり十二国記おもしろい。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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