風の万里 黎明の空〈上〉十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

著者 :
制作 : 山田 章博 
  • 講談社
3.99
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  • レビュー :312
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062551755

作品紹介・あらすじ

慶国に、玉座に就きながらも、王たる己に逡巡し、忸怩たる思いに苦悩する陽子がいた。芳国に、王と王后である父母を目前で殺され、公主の位を剥奪されて哭く祥瓊がいた。そして、才国に、蓬莱で親に捨てられ、虚海に落ちたところを拾われて後、仙のもとで苦業を強いられ、蔑まれて涙する鈴がいた。負うにはあまりある苦難の末に、安らぎと幸せを求めて、それぞれに旅立つ少女たち。その果てしない人生の門が、いま開かれる。

感想・レビュー・書評

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  • 十二国記で今までなく、なぜかページが進まなかった。
    自分でも信じられないけど、途中で挫折しそうになりました(-_-;)

    あとがきで小野さんがかなり苦しみを語っていて
    世界観を表す「言葉」に苦労して、その通り今までと違って
    「十二国記専門用語」が難しくて、ついに昔の読書ノートを
    取り出し人間関係や王や麒麟名、役職名とか相関図を書きながら
    読まないと、頭が混乱してちょっと大変でした(^^ゞ

    例えば・・・和州止水郷都拓峰(←地名)
    峯王仲韃孫健で健仲韃(←王の名前)

    上巻の後半からは一気にスピードが上がり
    いいところで下巻に続くので、楽しみが急上昇。

    登場人物は芳の祥瓊(玉葉)、海客の鈴(才鈴)、景王陽子で
    女子三人のそれぞれの苦悩の物語。
    (まるで作者の苦悩が反映されているみたい)

    後半はあの楽俊が登場し、とってもいいスパイスになります。
    いい味出し過ぎだよ~、楽俊♪
    そして物事の本質ををたくさん読者に投げかけてくるのです。
    一つ一つ心に刺さり、響き、染み渡ります。

    小野さんが悩みながら書きあげているこのシリーズ
    物語を作り上げる苦しみ。

    その分、十二国記の真骨頂であると思いました。
    分からないから、とか難しいからと投げ出さずに
    下巻も一ページずつ噛みしめて、ゆっくり読みたいと思います。

  • 天命により慶の国、景王となった陽子は民の実情を知るために街へ出た。目前で両親を殺され芳国公主の座を奪われた祥瓊は、父王の非道を知り自らを恥じていた。蓬莱から才国に流されてきた鈴は華軒に轢き殺された友・清秀の仇討を誓った。それぞれの苦難を抱いて三少女はやがて運命の邂逅の時を迎える―。
    「BOOK」データベース より

    学ぶところのたくさんある内容.自分の不幸は自分がつくりだしていることが往々にしてある.

  • 本当に辛いなら、苦しい状況から逃げ出そうとする。逃げ出そうとしてないのは、不幸に浸っているだけ。

  • たんなる ファンタジーを越えた物語だと思う

    自分(人間)の中にある
    ねたみ そねみ 人をうらやましがってしまう心
    なげやりな気持ちに
    気付かされてしまう

    いや
    それでも
    やっぱり 生きていくのだ

    読みながら
    自問自答してしまう
    そんな一冊ですね

  • 再読。景王となったものの王としての自信が持てない陽子。海客として才国で現状に不満ばかりを抱いている鈴。元芳国公女としてのプライドを捨てきれない祥瓊。異なる立場と環境にいたはずの3人の少女たちが、図らずも同じように現状を変えるための旅路のなかで、いつしか絡み合うように運命の輪が交錯していく。上巻はそれぞれの我儘や優柔不断、無責任、責任転嫁の応酬に苛々させられるが、ひたすら耐え忍ぶのみ。すべては下巻のため。十二国記はこの物語のためにあるといっても過言ではない。人は変われるのだと教えてくれるはず。

  • 再読。三人の立場の違う娘たち、陽子と鈴と祥瓊の話。誰もが三人のうちの誰かの中に自分を見るんじゃないかな。
    初読の時は自分は鈴に似ているのかなと思っていたけど、今回は祥瓊の部分も結構あるかもと思ってみたり。

    読んでいて結構つらい部分もある。
    そしてこのシリーズの前後篇は、割と場面展開は後編なので、前編は辛いまま終わることが多い。
    けど、後半に転機があると思えるから読み進められる。
    でもやっぱり陽子は好きだ。

    この本のあとがきで、前作の延の主従の話が番外編扱いってあってちょっと驚き。
    本編と番外編の違いを考えると、やっぱり陽子が来てからの十二国の物語ってことなのかな。

  • 自分を憐れんで不幸自慢をしてしまうこと。自分のしてきた事を顧みずに他者を妬んでしまうこと。誰でも大なり小なりそういう気持ちに覚えがあると思う。特に少女という年頃であれば尚の事。そんな2人の気持ちと、色んな人に出会って変化していく彼女たちの成長がすごいと思う。自分だったら、同じ立場だった時にどう考える事が出来るだろうか。
    そして王としてまったく何もできない事に苦悩する陽子。彼女のもどかしい気持ちに感化されてしまって、上巻を読み終えただけでは少しモヤモヤしてしまって、すぐに下巻が読みたくなる作品。

  • 大好きな十二国記だけれど。
    陽子が国王を務める慶国が主な舞台だから本編なんだけれど。
    それでも、この「風の万里黎明の空」編はずっと苦手だった。
    分厚さで言えば「図南の翼」だって同じぐらいなのにも関わらず、再読の頻度は間違いなく後者のが高い。
    それがどうしてなのか、今回の再読でハッキリした。

    鈴や祥瓊の考え方にとにかく辟易するのだ。
    何でも人の所為にし、「私だけが不幸だ」と、人のことを嫉む。
    人の話には耳を傾けないのに、誰かに甘え縋ることしか考えておらず、自分でどうにかしようなどと思いつくこともない。
    私、こういう自分の不遇を呪うばかりの人ってニガテなんだ。

    逆に、采王黄姑や、供王珠晶の言葉には何度も頷く。
    どちらも、100年前後の治世を敷いている善き王なだけに、人として正しい姿だと好感を覚える。
    「幸せかどうかはその人の心が決める」
    「辛いから物を盗んでいい道理はない。同じ労働をしている全うな人たちにこそ慈悲を持ちなさい」
    特に供王の言葉や態度は一見傲慢にも見えるけれども、物事の分別はちゃんと弁えていて筋が通っている。だから見ていて腹が立たない。むしろ胸がすくのだ。

    正しい心の持ちようをこのシリーズは教えてくれる。
    ライトノベルのレーベルからの出版にしては重い物語だけれど、十代の多感な時期にこの物語と出会えたならば、本当に財産になるだろうなと思う。
    私が出会ったのは残念ながら10代ではなかったけれど、それでもこのシリーズは間違いなく私の人生のバイブルだ。

  • 再読。
    再び陽子登場。
    鈴と祥瓊にイライラしてしまう。仙人は見た目年齢で精神年齢も止まるのだろうか。あまりにも考え方が幼すぎる、本来は結構いい年のはず。ただ自己を顧みると、鈴と祥瓊のことは言えないと反省もする。話が進むにつれ、二人にも変化が見られるので下巻に期待。
    陽子の奮闘ぶりにも注目。

  • 1巻では陽子にモヤモヤさせられたけども、またなんともいえないヒロインズが登場…。
    いやでも、鈴も祥瓊もかわいそうっちゃかわいそうだから…一概に性格悪いとも言えず…。
    だからこそ、珠晶の王としての采配が痛快。
    恭主従めっちゃ気になる…。

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