風の万里 黎明の空〈上〉十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

著者 :
制作 : 山田 章博 
  • 講談社
4.00
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本棚登録 : 4992
レビュー : 321
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062551755

作品紹介・あらすじ

慶国に、玉座に就きながらも、王たる己に逡巡し、忸怩たる思いに苦悩する陽子がいた。芳国に、王と王后である父母を目前で殺され、公主の位を剥奪されて哭く祥瓊がいた。そして、才国に、蓬莱で親に捨てられ、虚海に落ちたところを拾われて後、仙のもとで苦業を強いられ、蔑まれて涙する鈴がいた。負うにはあまりある苦難の末に、安らぎと幸せを求めて、それぞれに旅立つ少女たち。その果てしない人生の門が、いま開かれる。

感想・レビュー・書評

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  • 十二国記で今までなく、なぜかページが進まなかった。
    自分でも信じられないけど、途中で挫折しそうになりました(-_-;)

    あとがきで小野さんがかなり苦しみを語っていて
    世界観を表す「言葉」に苦労して、その通り今までと違って
    「十二国記専門用語」が難しくて、ついに昔の読書ノートを
    取り出し人間関係や王や麒麟名、役職名とか相関図を書きながら
    読まないと、頭が混乱してちょっと大変でした(^^ゞ

    例えば・・・和州止水郷都拓峰(←地名)
    峯王仲韃孫健で健仲韃(←王の名前)

    上巻の後半からは一気にスピードが上がり
    いいところで下巻に続くので、楽しみが急上昇。

    登場人物は芳の祥瓊(玉葉)、海客の鈴(才鈴)、景王陽子で
    女子三人のそれぞれの苦悩の物語。
    (まるで作者の苦悩が反映されているみたい)

    後半はあの楽俊が登場し、とってもいいスパイスになります。
    いい味出し過ぎだよ~、楽俊♪
    そして物事の本質ををたくさん読者に投げかけてくるのです。
    一つ一つ心に刺さり、響き、染み渡ります。

    小野さんが悩みながら書きあげているこのシリーズ
    物語を作り上げる苦しみ。

    その分、十二国記の真骨頂であると思いました。
    分からないから、とか難しいからと投げ出さずに
    下巻も一ページずつ噛みしめて、ゆっくり読みたいと思います。

  • 天命により慶の国、景王となった陽子は民の実情を知るために街へ出た。目前で両親を殺され芳国公主の座を奪われた祥瓊は、父王の非道を知り自らを恥じていた。蓬莱から才国に流されてきた鈴は華軒に轢き殺された友・清秀の仇討を誓った。それぞれの苦難を抱いて三少女はやがて運命の邂逅の時を迎える―。
    「BOOK」データベース より

    学ぶところのたくさんある内容.自分の不幸は自分がつくりだしていることが往々にしてある.

  • 本当に辛いなら、苦しい状況から逃げ出そうとする。逃げ出そうとしてないのは、不幸に浸っているだけ。

  • たんなる ファンタジーを越えた物語だと思う

    自分(人間)の中にある
    ねたみ そねみ 人をうらやましがってしまう心
    なげやりな気持ちに
    気付かされてしまう

    いや
    それでも
    やっぱり 生きていくのだ

    読みながら
    自問自答してしまう
    そんな一冊ですね

  • 再読。景王となったものの王としての自信が持てない陽子。海客として才国で現状に不満ばかりを抱いている鈴。元芳国公女としてのプライドを捨てきれない祥瓊。異なる立場と環境にいたはずの3人の少女たちが、図らずも同じように現状を変えるための旅路のなかで、いつしか絡み合うように運命の輪が交錯していく。上巻はそれぞれの我儘や優柔不断、無責任、責任転嫁の応酬に苛々させられるが、ひたすら耐え忍ぶのみ。すべては下巻のため。十二国記はこの物語のためにあるといっても過言ではない。人は変われるのだと教えてくれるはず。

  • 再読。三人の立場の違う娘たち、陽子と鈴と祥瓊の話。誰もが三人のうちの誰かの中に自分を見るんじゃないかな。
    初読の時は自分は鈴に似ているのかなと思っていたけど、今回は祥瓊の部分も結構あるかもと思ってみたり。

    読んでいて結構つらい部分もある。
    そしてこのシリーズの前後篇は、割と場面展開は後編なので、前編は辛いまま終わることが多い。
    けど、後半に転機があると思えるから読み進められる。
    でもやっぱり陽子は好きだ。

    この本のあとがきで、前作の延の主従の話が番外編扱いってあってちょっと驚き。
    本編と番外編の違いを考えると、やっぱり陽子が来てからの十二国の物語ってことなのかな。

  • 自分を憐れんで不幸自慢をしてしまうこと。自分のしてきた事を顧みずに他者を妬んでしまうこと。誰でも大なり小なりそういう気持ちに覚えがあると思う。特に少女という年頃であれば尚の事。そんな2人の気持ちと、色んな人に出会って変化していく彼女たちの成長がすごいと思う。自分だったら、同じ立場だった時にどう考える事が出来るだろうか。
    そして王としてまったく何もできない事に苦悩する陽子。彼女のもどかしい気持ちに感化されてしまって、上巻を読み終えただけでは少しモヤモヤしてしまって、すぐに下巻が読みたくなる作品。

  • 大好きな十二国記だけれど。
    陽子が国王を務める慶国が主な舞台だから本編なんだけれど。
    それでも、この「風の万里黎明の空」編はずっと苦手だった。
    分厚さで言えば「図南の翼」だって同じぐらいなのにも関わらず、再読の頻度は間違いなく後者のが高い。
    それがどうしてなのか、今回の再読でハッキリした。

    鈴や祥瓊の考え方にとにかく辟易するのだ。
    何でも人の所為にし、「私だけが不幸だ」と、人のことを嫉む。
    人の話には耳を傾けないのに、誰かに甘え縋ることしか考えておらず、自分でどうにかしようなどと思いつくこともない。
    私、こういう自分の不遇を呪うばかりの人ってニガテなんだ。

    逆に、采王黄姑や、供王珠晶の言葉には何度も頷く。
    どちらも、100年前後の治世を敷いている善き王なだけに、人として正しい姿だと好感を覚える。
    「幸せかどうかはその人の心が決める」
    「辛いから物を盗んでいい道理はない。同じ労働をしている全うな人たちにこそ慈悲を持ちなさい」
    特に供王の言葉や態度は一見傲慢にも見えるけれども、物事の分別はちゃんと弁えていて筋が通っている。だから見ていて腹が立たない。むしろ胸がすくのだ。

    正しい心の持ちようをこのシリーズは教えてくれる。
    ライトノベルのレーベルからの出版にしては重い物語だけれど、十代の多感な時期にこの物語と出会えたならば、本当に財産になるだろうなと思う。
    私が出会ったのは残念ながら10代ではなかったけれど、それでもこのシリーズは間違いなく私の人生のバイブルだ。

  • 面白かった〜!
    風の万里読むまでは結構流し読み状態になってたんだけど、この作品はちゃんと読んだ。

    鈴も祥瓊も甘ちゃんな子供だよなぁ。
    でも、自分もどちらかといえば甘いから鈴と祥瓊だけが悪い訳ではないと思ってしまう(苦笑)
    ただ、その後の心の在り方は二人ともやはり子供過ぎる。
    鈴の方は清秀が、祥瓊の方は楽俊がいて二人とも真っ当になりそうでホッとした。
    特に鈴に清秀は合っているよな。
    でも、清秀が馬車で轢かれて死んでしまったからどうなってしまうんだろう…。不安。

    景麒と陽子はうまくやれそうな感じ。
    景麒が陽子の意思を尊重してくれて良かった。
    まあ街に降りる案は凄く大胆で自分も驚いたけど(笑)
    陽子そういうとこあるよな。
    街に降りた陽子は延甫に師事。
    景麒だとちょっと教えるのに不向きだけど、延甫の元でこれから色々しっかり知っていけそうだから良かった!

  • 引き続き刊行順に再読中。

    どの感情もいつかきた道、ということで心打たれる場面が多い。
    ちなみにこの本はとてもよく口絵の地図を見直しながら読むため、紙の方が読みやすいと感じます。

    下巻も楽しみ。

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著者プロフィール

小野 不由美(おの ふゆみ)
1960年生まれ、大分県中津市出身の小説家。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に所属。夫は推理作家の綾辻行人。
1988年、『バースデイ・イブは眠れない』でデビュー。2013年5月、『残穢』で第26回山本周五郎賞を受賞。代表作にテレビアニメ化された『悪霊シリーズ』、『十二国記シリーズ』、『屍鬼』など。

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