風の万里 黎明の空(下) 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
- 講談社 (1994年9月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062551786
作品紹介・あらすじ
景王-陽子は、官吏の圧政で多くの民が重税や苦役に喘いでいることを漸く知り、己の不甲斐なさに苦悶していた。祥瓊は、父峯王が、簒奪者に弑逆されなければならないほど、国が荒んでいることに気づかなかった自分を恥じていた。鈴は、華軒に轢き殺された友・清秀の命を守れなかった自分に憤り、仇討ちを誓った。-それぞれの苦難を抱えた三人の少女たちの邂逅は、はたして希望の出発となるのか。
感想・レビュー・書評
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初勅とは新王が初めて発布する勅令をいう。 『月の影 影の海』が最初だからか、私はやっぱり陽子が一番好きだし一番思い入れがあります。 だからこのお話がシリーズの中で一番好き。 陽子がどんな初勅を出すのか。 陽子の王としての成長を見届けてください。
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一言で言い表すなら、「エクストリーム暴れん坊将軍」かな
自分の国の乱に協力するとか(笑)
あと、禁軍まで自分の預かり知らないうちに出てくるとかね
王なのにどんだけ自分の命を危険に晒してるんだよ
王だって首を斬られれば死ぬ事が事前に描かれてあるので結構な緊迫感はある
祥瓊に関しては、知ろうとしなかった罪
うーん、でもどうなんだろうなぁ
最初から情報を制限されていたんだったらしょうがないとは思うけど
だからこそ立場を失ったときの扱いについては同情の余地はないのもしょうがないんだろうな
供王が、当たり前のことを当たり前にやっている人への評価をすべきと言っているのは同意
目の前の不幸を放っておけない慈悲深いという麒麟を当てにしてはいけない理由がわかる
人によって生活レベルの基準が違うわけだし
その生活を拒むことはその人達への蔑みではあるわなぁ
何もこの物語だけでもなく、現代社会においても貧富の差は国同士の比較や国内の格差については正にこれなんじゃなかろうか
鈴に関しては、自分を不幸だと思いたいやつねー
ハチミツとクローバーでもあったけど、不幸自慢をし始めたらきりがないからね
現状を変えようとせずに耐えるだけの民に関しては自分も思い当たるところがありすぎて辛い
誰かが何かしてくれる事を待つだけで自分がなにもしないとか
さらなる悪いことを恐れて現状を耐えるだけというね
周囲から客観的に見ればおかしいことでも、当事者になると思考がどこかおかしくなってしまうときってあるよねー
あと思ったのが、今の自分が遠甫に国の仕組みを聞かれて満足に答えられるかどうか
政治の形態はなんとなく説明はできるけど、詳細は人に伝えられる程詳しくはないし
政治以外でもそうだな
自国に限らず世間の一般的な情報に対してかなり無頓着だなと思い至る
もし自分が陽子さんと同じ状態で国政を任されたらどうしただろうね?
とりあえず暫く様子見で、ある程度の事情がわかったらバンバン人事権を発動してくかも
誰かをやめさせるのに理由が必要とか「そんなのシラネー」って言ってドラスティックに改革してくしかないと思う
ははは、道理を無視したすっげー短命な王になりそうだな(笑) -
もうたくさんの方々が素敵な評や感想をあげてらっしゃるので自分は一言だけ。
陽子、かっこいい! -
同い年くらいの女の子3人。
ストーリーの大筋は陽子が景麒に王に任命されてから、国を治めるために盧におりてからのあれこれ。
信じていい良心を持つ官は誰で、私欲を肥やしてる悪官は誰なのか。
海客で苦しんでる鈴のストーリーと、父の芳王を殺されて恨みを買ってる祥けいのストーリーが交差する下巻です。
十二国記の世界観や独特の言葉、ルール、上下関係がなかなか頭に入らないので、描写でイメージするのが難しい。アニメになってるのを見たいような見たくないような。
陽子には長く国を治める王になってほしいなと思う。 -
ストーリーの面白さもさることながら、登場人物の成長、心情やセリフが刺さりまくった!
自分が一番可哀想だって思うのは、自分が一番幸せだって思うことと同じくらい気持ちいいことなのかもしれない。
結局のところ生まれてしまったら、あとはどれだけ自分らしくいきていけるか
長生きしても、まだ迷う。人というものはその程度のもの
などなど。今の私に響く言葉ばっかりだった。 -
上巻の負の感情渦巻く展開からの爽快感がすごい。
祥瓊・鈴の変わりようと言ったら、、、、陽子も信頼できる味方が増えて、自分の軸が出来上がってきた。
人は理不尽に耐え続けていると、いつか我慢することが当たり前に感じ始め、我慢していることで何かを成し遂げているように錯覚し始める。
その為に我慢する理由を考えてしまう。
自分は不幸だから・あの人よりも私の方が辛い・仕方がない……
それに自ら気付くことはとても難しい。