図南の翼 十二国記 (講談社X文庫)

  • 講談社 (1996年2月2日発売)
4.12
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Amazon.co.jp ・本 (426ページ) / ISBN・EAN: 9784062552295

作品紹介・あらすじ

恭国は、先王が斃(たお)れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。
首都連檣(れんしょう)に住む珠晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷の様相を呈していく国を憂う少女(むすめ)は、王を選ぶ麒麟(きりん)に天意を諮(はか)るため、ついに蓬山(ほうざん)をめざす!
珠晶、12歳の決断「恭国(このくに)を統べるのは、あたししかいない!!」

みんなの感想まとめ

物語は、混乱する国を救うために立ち上がる12歳の少女、珠晶の成長と冒険を描いています。彼女の天性と行動力は圧巻で、王になるための道を進む中での経験が、彼女を一層魅力的にしています。珠晶は、賢さだけでな...

感想・レビュー・書評

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  • とにかく珠昌の天性がすごい!12歳にしてこの仕上がり様!もう王で決まりでしょう!「もっと早く私を迎えにきなさいよ!」って恭麒をシバくのも無理はない!(恭麒はよくシバかれている)

    しかし、珠昌にとって昇山は王になる前に必要な事だった。そこでの経験や出会い、得た知識や考え方は登極した後にきっと彼女を助けただろう。

    珠昌の引き寄せ力の強さ!奏国の彷徨うプリンス利広や犬狼真君の登場もたまらない!騎獣ハクに「更夜」と名付けられるのも胸アツ!

    この後、祥瓊をいじめる生意気女王として登場する珠昌だが、その王っぷりは彼女ならではの仕上がり。

    頑丘は捕らえた騎獣を届けに王宮を訪ねたりしてるのかな?

  • 所変わって、恭国の十二歳のお嬢さんのお話。

    ひたすら蓬山を目指す話だが、小さいのにこの子は凄い。
    賢さも凄いが、行動力がある。
    この作者さんは様々な人格の登場人物を自在に操っている。
    生き生きとした若い行動力が最初から最後まで実に清々しい。

    自分には持っていないものをたくさん持った子で、
    またまた読書に没頭してしまった。

  • 4.4
    長かったけど、面白くて数日で読みました。
    予備情報を入れず読み始めて、今まで殆ど出てこなかった話だなと思いながら読み進めていきました。
    描写が細かく、こちらの世界の話ではないので知らない単語がたくさん登場してきちんと理解し想像しながら読むのはそれなりに時間がかかりましたが、中盤以降単語も大体理解してきてからは読むペースが上がりとても楽しく読めました。
    今まで黄海の話はちらちらとは出るものの、今回はほぼ黄海の話だけで理解が深まりました。
    ここまで続けて読んできて、改めて魔性の子から読み直してみたいなと思っています。
    でも何年か空けてから読んだ方が面白いんだろうなとは思うので、しばらくは我慢してまずは次に進みます。

  • 珠晶さん、好き。
    ただのわがままお嬢さんではなく、名も知れぬ誰かだとしてもご飯が食べられる国になってほしい、なぜなら私の寝覚めが悪いから!というその姿勢、好きだよ。
    大人が昇山しないなら私がするわよ、だって大人の中に王様がいないんでしょ、というその姿勢。自分に過剰な自信があるわけではなくて、だからと言って過小評価もしていない。自分にも可能性があるならやってみるというその姿勢。
    世界をかなりフラットな視線で見てる。12歳だからなのか、12歳にしてそんな目線で世界が見れるのか。もうとっくに大人になった私はそれがどちらなのか分からない。けどこれは分かる、珠晶さんかっこよすぎる。めっちゃかっこいいよ珠晶さん。
    今までメインで出てきた王様はみんなそれぞれ良いところがあって、一番はなかなか選べないんだけど、珠晶さんめちゃくちゃ好きだな。

    頑丘と利広も良い!好き!今までにメインキャラで嫌いな人ほぼいないんだけど、このトリオめっちゃよかった!
    頑丘たち、黄朱は国は持たないけれど故郷は確かにあって、そして自分たちが軽んじられる存在であることを知っていながら、でも自分たちに確かに誇りを持っていたよね。日本国籍を持って日本に住む私にはその色んな気持ちが正直自分のもののようには分からないけど、でも今もこの地球で、それと近い状態で生きる人たちがいるかと思うと……差別や虐殺はだめ、絶対。

    話がなんか逸れました。

    しかし供麒は本当、供王と良いコンビだと思う。ある意味。


    最後に。読む順は本当に好きな順でいいと思うんですけど、折角なら私は、これを読む前に東の海神をぜひ読んでほしいな……と思いました!!!

  • 殊晶の言葉は少女のかしましさもありながら、でもまっすぐで物事の根幹を指していて、今でも心に残っている言葉がいくつもあります。
    終盤で、王の責務が果たせるのか?と問いかけられた珠晶が「そんなこと、あたしにできるはず、ないじゃない!」と反発するところが好きです。
    ではなぜ昇山するのか?と問うと、「義務だと思ったからよ!」と答える。
    なにもせずに諦めて受け入れるんじゃなくて、自分の責務を果たそうとするところがとても好ましいです。

    風の万里の台詞に彼女の生き方が現れています。「私が恵まれた暮らしをしてるのは、重い責任を担ってるから」
    この言葉は、人生の価値観が変わるくらい、感銘を受けました。

    十二国は本当に素晴らしい。人生の教訓です。

  • 恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。首都連檣に住む珠晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷の様相を呈していく国を憂う少女は、王を選ぶ麒麟に天意を諮るため、ついに蓬山をめざす。珠晶、12歳の決断。「恭国を統べるのは、あたししかいない」。
    「BOOK」データベース より

    主人公、珠晶の「有言実行」は見習わなければならない、と思った.

  • 非常にカッコいい「パンが無ければケーキを食べればいいじゃない」

  • シリーズで一番面白かった。前向きで一生懸命な主人公と、脇を支える二人が魅力的。

  • 261頁あたりの主人公・珠晶が季和が見捨てた家人たちに合流すべく馬車から降りて一人戻ったあたりからが特に好きです。
    12歳の少女が知恵を絞って妖魔を狩る手立てを考え采配する。珠晶が色々な苦難を知恵と勇気と豪運で乗り切る姿に元気をもらえる作品。

  • 何もかも全く違っていて互いの理解を拒んでいた珠晶と頑丘が、お互いのことを分かろうと努力するに至る道筋を通して、王とは?という十二国記で繰り返し語られるテーマに迫っていく。
    王はその世界を制するゆえに、その理屈を踏み越えねばならない、という利広の台詞、まさに!そこだよな!という感じ。利広と頑丘が話していたようなこと、道中で珠晶は学んで乗り越えていくんだよな。
    珠晶はただの頭のいい無謀な子供ではなくて、間違いは素直に詫びて正す素直さもあるし、子供なりに自分の信念に照らして一生懸命考えて考えて、怖いし辛いけど踏ん張って絶対逃げないんだというのが、良い。

  • 読み返し。

    十二国記は、(メインの)みなが強さを持っていてすごく好きなのだけれど、殊晶の強さは本当にすごい。
    12歳で義務だから、と家を飛び出してしまうなんて滅多にできることではない。
    ましてや、誰かを理解しようとしたり、行動の意味を考えたり、大人だってそうやって思考をめぐらす人はほとんどいない。それをやってのけるからこそ、王に選ばれたのだろうな。

  • 新潮文庫発売記念で再読。あ〜やっぱり新しいシリーズで揃えて買いたくなるなぁ。それはさておき、十二国記において景王陽子を巡る一連の物語が一つの本流であるとするならば、それに勝るとも劣らないもう一人の主役は間違いなく本書において僅か十二歳にして登極すべく蓬山を目指して旅立った珠晶であることに間違いない。年齢なりの幼さもあり、ばかなこともするけれども、自らの過ちと愚かさを認めることができる。目の前に現れた麒麟を叱り飛ばすのもいかにも珠晶らしくて清々しい。更夜の登場も嬉しい限り。最高の一冊です。

  • 【勝手に再読祭り】「恭国を統べるのは、あたししかいない!!」と12歳の若さで昇山する少女の物語。シリーズの中で一番好きです。
    12歳とは思えないほど頭もよく利発的であるが、やはりまだまだ幼く子供っぽい考え方をしてしまう珠晶。
    しかし昇山を通してたくさんのことを学ぶことで、彼女は成長していきます。

    黄海のことをよく知っている剛氏らが他の者たちに助言をして助け合えば良いのにと思う珠晶に、ではこちらが持っているものを相手が持っていなければどうする?悪戯に答えだけ言っても意味がないと主張する剛氏。
    子どもだから思う純粋な助け合いと大人だから分かる現実の厳しさ。
    大人だから、子供だからと枠にはめていては理解することもできないと同時に理解を拒絶している。知ったふりをしていることは知らないことに等しく、知ろうとすることが大切なのだということを学ばされました。

    「やるべきことをやってから嘆けば」という珠晶の言葉にグサッときましたね。
    結局私も「どうして誰も王になろうとしないんだ、王は現れないんだ、って怒っておいて、自分は王になれるはずがない、そもそも蓬山に行けるはずがない。」といっている大人たちと同じだな~と思うと虚しくなりますね。珠晶に怒られて当然だわ。
    子どものときに読むと珠晶の子ども目線で読めるけど、大人になって読むと大人目線の理屈で読めて二度お得です。そしてどちらにも「私も頑張らなきゃ」と心に響くものがあると思います。

  • 十二国記シリーズ8

  • 十二国記のなかで、一番好きなお話
    珠晶は、子供らしい直情さと向こう見ずなところがあっていろんなことを間違えるけれど、ちゃんとその後、考えて反省をする。
    自分が悪かったところをきちんと「悪かった」と認められるところは私たち大人こそも見習うべきだと思う。

  • 女流作家の作風 栗本薫もこんなだよね

  • ファンタジー系の小説を読むのは初めて。
    食わず嫌いで敬遠していたが、非常におもしろい。

    ファンタジーこそ絵が重要なはずだ。なぜなら実在しないので想像しにくいから。マンガやアニメで絵が伴った方が感動するはずだと思っていた。
    しかし違った。絵がないからこそ想像が膨らみ、おもしろいのかもしれない。
    例えば、妖魔がどんな姿をしているか、実際は分からないが、何となく幽遊白書の魔界に出てくるような妖魔を想像している。

    十二国記シリーズ自体も初めて読んだが、有名なだけにおもしろい。
    次が気になりしょうがない。世界観に引き込まれる。
    こんな濃厚なファンタジー小説を読んでいると、最近流行りのなろう系小説が浅く見える。気軽に読めるメリットはあるものの、物足りなさを感じてしまう。

    主人公の珠晶は昇山して王になれるのか、利広は何者なのか、頑丘の行く末は。読む手がグングン進む。
    人対妖魔ではなく、人+騎獣対妖魔の構図がいい。単なる騎馬ではなく、戦う仲間。ポケモンとは違う、飼い主も共に戦うから。ガッシュみたいな感じか。要はビーストテイマー。男心をくすぐる。

    珠晶の行動力、成長が身に染みる。

    いい大人たちみんな、王がいないと嘆いているだけで、誰も自分が王になろうとしない。それを嘆いている自分も同じだと、12歳ながら自分が王になろうと行動する。内心、こんな小娘がなれるはずないと思うが、それでもやるだけやる、それでこそ言いたいことが言える。
    本当にそう、素晴らしい考え。なかなか行動まで移せない。でも行動したからこそ成長する。

    弱きを助ける。
    しかし自分も強いわけではない。弱きものより少し強いだけで、自分も弱い。手の届く数人しか助けることはできない。全員を救う努力はできても、全員を救うことはできない。
    腑に落ちた。自分も弱いんだ。

    他にも、答えを教えるだけじゃダメ。など、ただの小説ではなく、自己啓発にもなる小説だった。

    他の十二国記シリーズも読みたいが、長いな。

  • 今までけっこう運命に受身の主人公たちばかりだったような気がするのですが、この「十二国記」第五弾では、運命を自ら切り開こうとする少女を描きます。今まで語られなかった、王になるために黄海を越える物語です。前作ではチョイ役で出てきた供王珠晶を主人公にしているので、読者は彼女が麒麟に選ばれることはすでに知っているわけですが、王座に至る道のりが語られる上でそれは少しも不都合ではありませんでした。それより、前作までに登場した運命に不安を持つ少年少女たちより感情移入しやすかったです。まあ、これは読者諸氏の性格にもよるのでしょうが。ぼくは陽子よりこの珠晶の方が今のところ気に入りですね。
    そういえば、前作までに登場した人物たちが最新作のチョイ役で元気な姿を見せてくれるというのもシリーズ物の楽しみのひとつですが、今回はかなり嬉しいチョイ役君が出ていました。うん、そうそう彼のことですよ。397ページね。安心いたしました。

  • 背は泰山のごとく、翼は垂天の雲のごとし。羽ばたいて旋風を起こし。弧を描いて飛翔する。雲気を絶ち、晴天を負い、南を図る。南の海を目指して。図南の翼。その鳥の名を.鵬という。

    珠晶(恭)登極の話。「だったら、あたしが生まれたときに、どうして(迎えに)来ない」と供麒をぶっ飛ばすシーンは最高!。
    矛盾だらけの物語だけれど、それを乗り越える物語進行のパワーがありました。
    更夜が登場してうれしい。幸あれと願う。

  • 王になろうとする娘の話で、王になるのがわかってるからドキドキハラハラはしない。
    でも、ワクワクさせてくれるのはさすがの十二国記シリーズ。
    負けん気の強い、綺麗事を言う世間知らずな娘だけど、途中に道理や人を理解して成長が見える。最後は麒麟を遅い!と張り倒すけど、らしくて良い。
    風の万里の巻で少し出ていて、ただ嫌な王だったけど、治世が続き、この性格が変わってないんだなと思い返して知れてよかった。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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