黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062555463

作品紹介・あらすじ

登極から半年、疾風の勢いで戴国を整える泰王驍宗は、反乱鎮圧に赴き、未だ戻らず。そして、弑逆の知らせに衝撃を受けた台輔泰麒は、忽然と姿を消した!虚海のなかに孤立し、冬には極寒の地となる戴はいま、王と麒麟を失くし、災厄と妖魔が蹂躙する処。人は身も心も凍てついていく。もはや、自らを救うことも叶わぬ国と民-。将軍李斎は景王陽子に会うため、天を翔る!待望のシリーズ、満を持して登場。

感想・レビュー・書評

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  • やっと、、、、
    中学の頃に読み始めたシリーズの、なかなか新刊が出ないので読みだせなかった一冊が読める。読み始めたらあっという間に終わってしまった感じだった。誰もかれもが懐かしい。そして凛々しく自立している。それは強さだけを見せているからではなく、弱さの内包を自覚し、そのうえで道を切り開くからだと思う。
    驍宗という人を初めて見てから、上に立つ人としては素晴らしいのだろうけれど横にはいたくない人だと思っていたけれど、思っていた以上に凄まじい人だった。

    王となってから最速で朝廷を整え、民にも慕われていた泰王は縁の深い地域で起こった乱の鎮圧に乗り出す。その期を狙って何者かが泰麒に襲い掛かる。鳴蝕を起こして難を逃れた泰麒は蓬莱(日本)へとたどり着く、そこで自分の家へと帰り着いた泰麒は十二国での記憶を失っていた。一方内乱を治めにいった驍宗も時を同じくして姿を消していた。
    李斎は追手をかわしながら泰麒と同じ蓬莱の生まれである慶国の景王のもとへと向かう。胸には恐ろしい願いを秘めながら。

    陽子の築いている朝廷の一端がのぞける本作。彼女の芯の強いやさしさが何かを動かすのだろうか。
    この話のあらすじを読んでからずっと気になっていた驍宗を襲った人間の目的が、ますます分からなくなる。
    黎明の空の時に出てきた、天を試すことが目的だった男を思い出した。それともまたすこし違うように思う弑逆者。その目的も、泰の行く末も、とても気になる。
    下巻もすぐ読み終わってしまうかもしれないと思うと読み始めるのが何だか惜しい気がする。

  • その後の戴の話。

    泰麒が突然蝕により姿を消す。
    一体何者の謀反によるものか!?

  • 十二国記シリーズ9

  • 初めて複数の国を描いて、スケールが大きくなった。過去に登場した面々の活躍が楽しい。続きが気になる終わり方。

  • 戴王驍宗がいなくなって泰麒も消えてしまう。
    十二国記の中でも際立って読者を心配させる泰麒と戴国の話。
    新刊を読みたくて、シリーズ1作目から読み返してきました。

    語られない間にすっかり国王っぽくなった景王陽子など、過去シリーズの登場人物が多く出てきて世界観を楽しめる今作です。

  • 戴国で泰麒と泰王がいなくなった経緯と李斎が慶国に助けを求めて陽子が何とかしようと志すまで

    魔性の子で高里くんを迎えに来たのが延王だったので、「泰王じゃないの?」と思ったけど、泰王もいなくなってたんだね
    ってか、王も麒麟も不在で偽王が立って、さらに二人共死亡してないってところが逆に詰んでる
    驍宗が即位した直後の手際の良さがあったから、陽子さんとか延王は大変だなぁと思ってたけど、むしろ驍宗の方が例外だったとは
    ま、急な変化は色々と影響は大きいだろうしなぁ
    ってか、新しい王も麒麟も生まれないし、なぜか偽王に都合のいい展開になってるし
    戴国やべぇな

    それはそうと、陽子さんの新しい下臣達が登場してて結構嬉しい
    主従関係ではなく仲間という感覚がいいよねー

  • どんどんスケールがデカい物語になっていく。
    今回は12国全体を巻き込むお話だった。
    驍宗のカリスマと泰麒のほんわかタッグで迎える戴国は先王崩御からの立ち直りが順調と思いきや、真の敵は最も信頼のおける(=疑う余地のない)人物から現れるのは世の常ですね。

    そして泰麒は何故こうも前例のないトラブルに巻き込まれ続けるのか、、、作者はキャラクターに不憫さを与えるのが本当に上手い。

  • >なぜそうなるのかは分からない。それほどのふるまいをしながら、阿選を支持するものはあとを絶たなかった。
    >必ず内部から転向者が出て、瓦解してしまうのだ。
    >それは確かに何らかの疫病に似ていた。罹患した者は阿選に対する反意をなくす。どんな非道も意に介さず、目の前で何が起ころうと心を動かすことがない。


    ここが、この事件の最大の謎。18年間我々読者を苦しめてきた、数多の考察を退けてきた最大の難所。
    この答えが、もうすぐ与えられる・・・よね?主上?

    下巻巻末の『載史乍書』にある「幻術に通ず」が阿選の秘密なのか、ただの比喩表現なのか気になるところ。

  • 王が玉座に就けば、民は妖魔からも天災からも救われる──であったはずが、泰王驍宗が地方での乱を治めるべく王都を空け、姿をくらまし、泰麒も、ほぼ時を同じくして行方知れずとなる。

    国の拠り所となるべき二つの柱が一気になくなった。
    王・麒麟がともに王都不在ではあるが、蓬山に泰果は未だ生らず、白雉は二声を上げてはいない。
    玉座を空けているから。
    偽王が立ったから。
    だから国が荒れるのだろうか?
    だとしたら、王は玉座に座っていれば、それだけでいいということなのか。
    天の意は、私たちには図りかねるところがありすぎる。

    戴麒は蓬莱へ飛ばされていた。
    これは「魔性の子」と対をなす物語でもある。
    蓬莱へ戻った彼が受ける仕打ち。
    拠り所であるはずの家族ですら、どこか冷たい印象をぬぐえない。

    一条の光も見えない戴国。
    下巻で完結するとは思えない(というかもう何度再読したか判らないぐらい読んでいるので知っているのだ)けれど、
    どうか、あの純粋でやさしい泰麒に笑顔が戻りますようにと祈らずにはいられない。

  • ★十二国記 第6弾★
    <br>登極から半年、疾風の勢いで戴国を整える泰王驍宗(たいおう・ぎょうそう)は、反乱鎮圧に赴き、未だ戻らず。
    <br>そして、弑逆の知らせに衝撃を受けた台輔泰麒(たいほ・たいき)は忽然と姿を消した。
    <br>王と麒麟を失くした泰は今、謀反によって偽王が立ち、災厄と妖魔が蹂躙するほど荒れていた。
    <br>自らを救うことも叶わぬ国と民・・・。
    <br>将軍李斎(りさい)は、泰麒と同じく胎果である慶国景王・陽子を頼り天を翔ける。
    <br>
    <br>番外編・魔性の子で、高里(泰麒)が日本にいたときの、こちらでのお話。
    <br>泰麒
    <br>最後の方は、何度も泣きそうになりました。
    <br>このシリーズは、本当に色んなことを考えさせてくれます。
    <br>最後のほうの浩瀚(こうかん)が王に言ったセリフは、世のオカミ達に聞かせてやりたい。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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