黄昏の岸 暁の天(そら)〈下〉―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

著者 :
制作 : 山田 章博 
  • 講談社
3.89
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本棚登録 : 4661
レビュー : 203
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062555500

作品紹介・あらすじ

鳴蝕。山が震え、大地が揺れ世界が歪み、泰麒は、十の歳まで過ごした蓬莢にいた。帰りたい-。しかし、その術を知らない。泰麒が異界でひとり懊悩する頃、戴国には謀反によって偽王が立ち、日ごと荒れていた。その行く末を案じ、泰台輔と同じ胎果である誼の陽子を頼り、慶国を目指した李斎は思う。麒麟がいなければ、真の王はあり得ない、と。そしていま、雁国をはじめとする、諸国の王と麒麟が、戴国のために立ち上がる。

感想・レビュー・書評

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  • 十二国のシリーズで一番怖いことが書いてあるように思う。
    ずっと曖昧に、それこそ日本神話の天照大神や大国主命くらいの存在に思っていた(それにしては神の奇跡が日常に溢れているんだけれど、日常に密着しすぎていてそういう自然現象のような気持ちに)天の存在が色濃く、また無機質なために生々しい存在感で記されていて、条理とは、十二国とは、と考えてしまった。そこに生きる陽子はどんな不安を抱くのか。そしてここまで読んで過去に天を試すといった人々の疑心と腐心が少しわかった気がした。

    泰麒を探すために協力を築く国々。二手に分かれて蓬莱と崑崙を捜索するが、蓬莱でまがまがしい妖気を感じ取る。それはかつて泰麒の使役した饕餮の気配ではないかと。しかしそのそばに麒麟の気配はなく、呪詛のような膨れ上がった穢れが捜索の足を迷わせる。やっとのことで救出した泰麒は麒麟としての獣性をほとんど失っていたのだった。

    序章の上下巻だったのだな、と。これを15年まえに読んでいたらどんな気持ちでここまで待っただろう。とちょっとぞっとした。でも、ついに続巻が出る!!!!
    発売日は今から休みを入れているのでとても安心。
    ただただ待ち遠しい。
    飛び立つ二つの頼りない二つの影が無事戴へたどり着けたことを祈る。

  • 2019.02 再読
    分かっていたとはいえ、読むの辛い。これから戴はどうなるんだ、っていうところで10年以上待たされていたファン…続きが読めるってすごく幸せなことだなあ。結局、ここから魔性の子に行くよ〜!読み終わったら、新潮文庫で集め直そうかなと。

  • 読み終わったのだけれど、この先がすごく気になる。
    最後の方の、浩瀚の言葉が結構印象に残っているかも。

  • 再読
    上巻からつづき
    ファンタジー小説において「こちら」でない舞台設定にしなければならない理由づけは
    作品にとって必要ではない
    そこでどう振る舞うかから感を抱かせるために
    現実の有り様を投影する必要もない
    けれど小説は細部の修辞装飾が景色全貌の全部なのだから
    一点毎の採色は重要でなくとも
    その積み重ね振る舞いに向きはなければならない
    それが出来上がってどうなのかはもちろん最後にわかるが
    途中部分だけみて感心したって当然でもある

  • 景王陽子は諸国の王と麒麟に呼びかけ、ようやくのこと蓬莱に流された泰麒を探し出して連れ戻した。しかし泰麒は角を無くしていた。それは麒麟ではなくなっていることを示す。この世界の条理の一端が解き明かされる。神の世界にもできることとできないことがあるようである。

  • 懐かしのキャラクターが勢揃い、祥瓊がなんか生き生きしてて良かった・・・。
    氾王と氾麟もめっちゃ気になるな~~~~美意識高い系主従。
    廉主従も気になる気になる。
    陽子が頑張ろうとすると必ず首つっこんできてくれる延主従はいいヤツらだな…。

  • 再読。
    これから起こることのプロローグの様な終わり方で続きが気になる。驍宗様の行方も、阿選が幻術に通ずとはどういう事なのかも、角を失った泰麒の今後も気になることばかり。次に出す新刊は戴の話がいい。
    今回は天の仕組みの不条理に触れていたが、「人は自らを救うしかない」と陽子が言ったように、そこは自分ができる範囲で頑張るしかないと思う。
    今回は最後まで救いがないが、最後の方の泰麒の台詞で幼かった泰麒の成長を感じられてよかった。十二国の世界の人々の国に対する考え方は立派だと思う。

  • 2018/01/14

  • 世界の成り立ちに疑問を抱いた景王陽子は、今後、世界を根底からひっくり返すことになるような気がする。待望の書き下ろし長編が刊行されるのは、来年7月頃かな。期待しすぎないで待つことにしよう。それにしても、少女の話は勇気づけられる結末になるのに、少年の話はなんだか救いのなさそうな結末になるのは、なぜかしら。

  •  読み応えのある作品でした。
     陽子が登極してから2年後。慶もだんだんと落ち着いてきました。みんなに支えられながら王様をやってました。
     まだまだ自信なさげな陽子だけど、慶の官の人達がいれば、きっとだんだんと自信もついてくるのかなと思います。
     さて、本編は戴の話。
     ボロボロになった李斉が助けを求めて突然慶の王宮に乗り込んでくる。戴で何があったのか、泰麒がどうなってしまったのかが明らかになる。
     そして恐らく十二国の歴史上で初めて、国同士が協力して泰麒を探す。
     私が好きなシーンは雁王とたぶらかす(そそのかす、かな)陽子。うん、きっと良い王様になるでしょう。この2人のやりとり、また見たいですね。

     <以下引用>
     どうぞ、泰麒が戻ってきますように―李斉はその日、初めて祈った。(下巻p.112)

     今まで祈る、期待することができなかった李斉。風の海~で李斉と泰麒の関係を読んでいたから、とても胸がつまりました。
     どうして、本当にそう思います。驍宗、無事でいて欲しいです。でも、戴の民にとって死んでいたほうがいい、そんな悲しい意見もあります。
     早く続きが読みたいです。

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著者プロフィール

小野 不由美(おの ふゆみ)
1960年生まれ、大分県中津市出身の小説家。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に所属。夫は推理作家の綾辻行人。
1988年、『バースデイ・イブは眠れない』でデビュー。2013年5月、『残穢』で第26回山本周五郎賞を受賞。代表作にテレビアニメ化された『悪霊シリーズ』、『十二国記シリーズ』、『屍鬼』など。

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