昔話の深層 ユング心理学とグリム童話 (講談社+α文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062560313

感想・レビュー・書評

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  • 中学の時に読みました。懐かしくて登録。

  • グリム童話の心理的分析。
    童話、昔話って面白いなあ。面白くて、深い意味がある。
    良い物語が語り継がれて、昔話になるんだろうけど。

    心理学的な分析は鋭くて、なるほどーと思った。
    でもなるほどー、以上の感想が持てなかった。
    知識不足か。

  • あまり面白くなかったかな

  •  河合隼雄は日本におけるユング派心理学者の第一人者であり、半生をかけて貴重な著作を多く残しました。その中でも、 特に日本の神話、昔話またはグリム童話を取り上げ、ユング心理学と臨床経験をもとに日本の文化や人間の深層心理を解き明かす著作が多いです。
     この本は主にグリム童話を中心にユング心理学に則りながら、グレートマザー、無意識の世界、自己実現など様々な課題を取り上げています。例えば「ヘンゼルとグレーテル」という童話はよく「育児放棄」、「児童虐待」と連想づけられています。この本ではそういう観点以外、ヘンゼルとグレーテルが親の話を盗み聞き、両親の「影」を認識することによって、自立の道を歩んでいる「親離れ」の観点を提示しました。その他、物語に出てくる小鳥、白い鴨、魔女は何を意味しているのかも詳しく分析されています。このように、馴染みのあるグリム童話を読み直すことを通して、自己の心の奥には何があるのかを覗くことができるでしょう。
    (ラーニング・アドバイザー/国際(日本) YO)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=388267

  • 「昔話の深層」河合隼雄著、講談社+α文庫、1994.02.18
    398p ¥880 C0111 (2018.09.03読了)(2018.08.25借入)
    副題「ユング心理学とグリム童話」
    Eテレの「100分de名著」で7月に河合隼雄スペシャルが放映されたので、それに便乗して読みました。「河合隼雄スペシャル」で取り上げられた本は、「昔話と日本人の心」だったのですが、図書館にはなかったので、同じ「昔話」と題名についているこの本を借りてきました。この本で取り上げられている「昔話」は、「グリム童話」ですが、「昔話と日本人の心」で取り上げられているのは、「日本の昔話」だと思われます。
    読み始めるにあたって、グリム童話を読んでからの方がいいのかな、と思ったのですが、目次を見ると第十一章の後ろに各章で説明されている作品が矢川澄子訳で収録されていました。第二章からの章の扉に書いてある作品を予め読んでから解説を読み始めれば、説明がよくわかりました。ありがたいことです。
    昔話は、その昔話が伝えられてきた文化圏において暮らしている人たちの深層心理を伝えているものとして、心理学者が着目して、その文化圏に現在暮らしている人々の悩みの解決に役立てることができるのではないかと分析、研究しているのでしょう。

    【目次】
    文庫版まえがき
    第一章 魂のおはなし
    第二章 グレートマザーとは何か―トルーデさん
    第三章 母親からの心理的自立―ヘンゼルとグレーテル
    第四章 「怠け」が「創造」をはぐくむ―ものぐさ三人むすこ
    第五章 影の自覚―二人兄弟
    第六章 思春期に何が起きるか―いばら姫
    第七章 トリックスターのはたらき―忠臣ヨハネス
    第八章 父性原理をめぐって―黄金の鳥
    第九章 男性の心のなかの女性―なぞ
    第十章 女性の心のなかの男性―つぐみの髯の王さま
    第十一章 自己実現する人生―三枚の鳥の羽
    グリム童話  矢川澄子訳
    (トルーデさん/ヘンゼルとグレーテル/ものぐさ三人むすこ/二人兄弟/
    いばら姫/忠臣ヨハネス/黄金の鳥/なぞ/つぐみの髯の王さま/三枚の鳥の羽)

    ●昔話(29頁)
    昔話の発生の心理的側面は次のように説明できる。つまり、ある個人が何らかの元型的な体験をしたとき、その経験をできるかぎり直接的に伝えようとしてできた話が昔話の始まりであると思われる。そして、それが元型的であるということは、人間の心の普遍性につながるものとして、多くの人に受け入れられ、時代を超えて存在し続けることを意味している。
    ●現実(43頁)
    昔話は子どもたちに教訓を与えるためにあると思っている人、それも単純な勧善懲悪式の教訓を考えている人は、この話(トルーデさん)のすさまじい結末にたじろぐことであろう。
    ●母性(73頁)
    実母とか継母とかにこだわらず、母なるものの存在として考えるとき、それは常に肯定、否定の両面を有する。そして、その両面のうちの肯定的な面のみを母性の本質として、人間が承認しそれに基づく文化や社会を形成してきたのであるが、否定的な側面は常に人間の無意識に存在して、われわれをおびやかすのである。
    ●鳥(75頁)
    ユングは鳥が、魂、精神などを表すことをよく指摘している。
    ●男性原理・女性原理(106頁)
    自分に対してふりかかってくる運命に対して積極的に闘ってゆくこと、これは男性の原理である。これに対して、運命を受けいれること、これは女性原理である。この両者はどちらが正しいということはできない。
    ●父と母(196頁)
    母なるものはすべてを包みこみ、養い育てる機能を持っている。これに対して、父なるものは、切断の機能をもつ。それは母なるものが一体化するはたらきをもつのに対して、ものごとを分割し、分離する。善と悪、光と闇、親と子、など世界を分化し、そこに秩序をもたらす。
    ●アニマ(228頁)
    アニマは、男性の心のすべての女性的心理傾向が人格化されたもの
    ●アニマとアニムス(252頁)
    アニマが男性の心のなかの女性像の元型であるように、アニムスは女性の心のなかの男性像の元型である。
    ユングは、アニマは男性にムードをかもしださせ、アニムスは女性に意見を主張させると述べている。

    ☆関連図書(既読)
    「長靴をはいた猫」シャルル・ペロー著・澁澤龍彦訳、河出文庫、1988.12.02
    「アフリカの神話的世界」山口昌男著、岩波新書、1971.01.28
    「子どもの宇宙」河合隼雄著、岩波新書、1987.09.21
    「中年クライシス」河合隼雄著、朝日文芸文庫、1996.07.01
    「日本文化の新しい顔」河合隼雄・日高敏隆著、岩波ブックレット、1998.01.20
    「こころの処方箋」河合隼雄著、新潮文庫、1998.06.01
    「中空構造日本の深層」河合隼雄著、中公文庫、1999.01.18
    「未来への記憶(上)」河合隼雄著、岩波新書、2001.01.19
    「未来への記憶(下)」河合隼雄著、岩波新書、2001.01.19
    「神話と日本人の心」河合隼雄著、岩波書店、2003.07.18
    「泣き虫ハァちゃん」河合隼雄著・岡田知子絵、新潮社、2007.11.30
    「生きるとは、自分の物語をつくること」河合隼雄・小川洋子著、新潮社、2008.08.30
    (2018年9月4日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    人間の魂、自分の心の奥には何があるのか。“こころの専門家”の目であのグリム童話を読むと…。生と死が、親と子が、父と母が、男と女が、そしてもう一人の自分が、まったく新しい顔を心の内にのぞかせる。まだまだ未知に満ちた自分の心を知り、いかに自己実現するかをユング心理学でかみくだいた、人生の処方箋。

  • 私たち凡人が何となく良い話だな、と読んでいる昔話も専門家の目を通すと新しい顔を見せるんだなーと。
    思った

  • 自己啓発本を読むならば昔話を読み直し他方がいいと思ったね。光が当たれば影ができるし救われないこともある。そういう当たり前のことを改めて認識すると「ほどほどで良しとする寛容さ」が大切なんだな、と思った。

  • ユングの流れだなあと実感する一冊。

  • グリム童話、時折日本の昔話を交え、洋の東西の差異に思いを馳せながら書かれたような考察。ひとつひとつ理由づけられたものがたりたちは、その理由づけた次元より深いところに存在しているのだろう、と、しぜん考えさせられる。グリム童話は矢川澄子さんの訳も巻末に付せられているが、岩波のセットを読み込むのもまたひとつと思う。……ただ、まだ未熟な視点しか持たない私のおさない感情ゆえだと思うが、「男性」の中にアニマとアニムスが(女性にも同様に!)同時に存在するということを頭において読み進めないと、ちょっと頭がおかしくなってしまいそうな気もする。“わたし”の中に、“男性”と”女性”が同時に存在するひとは少なくない、と思うのだが。十章を読むには少し胆力がいる。これも、「自己の内面」を浮かび上がらせられた、その結果だろうか?

  • 面白い。童話好き、心理学好き(専門家以外)にオススメ。
    著者の知識と洞察力を感じる。
    若干、この話にはそんな深い意味はないんじゃないか?と、思うところがないでもないけれど・・・

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著者プロフィール

河合 隼雄(かわい はやお)
1928年6月23日 - 2007年7月19日
兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。1952年京都大学理学部数学科卒業後、京都大学大学院で心理学を学びつつ、数学の高校教諭を兼業した。
天理大学で助教授時代にユング研究所に滞在し、ユング派分析家の資格を取得。日本における分析心理学の普及と実践に邁進。箱庭療法導入者としても知られる。欧米の心理療法を日本文化に根ざす仕方で導入を試みており、日本論・日本文化論の著作も多い。
主な受賞歴に、1982年『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、1988年『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞、1992年日本心理臨床学会賞受賞、1996年NHK放送文化賞をそれぞれ受賞。1995年紫綬褒章、1998年朝日賞、2000年文化功労者顕彰。
なお2012年に一般財団法人河合隼雄財団が設立されており、そこで本人の名を冠した「河合隼雄物語賞・学芸賞」が設けられている。

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