北朝鮮―その衝撃の実像 (講談社プラスアルファ文庫)

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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (605ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062560610

作品紹介・あらすじ

「白米と肉のスープを食べ、絹の着物と瓦葺きの家を」という実態はトウモロコシなどの雑穀、しかも1日2食だった。北朝鮮からの亡命者、「北」を見た人たちの生々しい証言・肉声が明かした金父子体制の真実。「賄賂」と「出身成分」が人生を決め、軍と収容所が人民の自由をすべて奪う腐敗構造は今、金正日にそっくり継承された。

感想・レビュー・書評

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  • 1994年(加筆前底本1991年)刊行。
    韓国内の北朝鮮追跡紙の記事等から。

     亡命朝鮮人民共和国人のインタビュー・レポートを通じ、彼らの多様な立ち位置から北朝鮮の実像を解読しようとする書。

     経験に即した供述は具体的であり、衣食住の生活ぶり、医師等俗に言う上流階級も厳しい生活実態(例えば、闇米購入で給与の大半を消費)も垣間見え、厳しさに暗然とするとはいえ、内容はそれほど新奇とは言い難い。古い本(金日成末期~金正日政権への移行期)というのもあるかもしれない。

     しかし、情報の重要性、特に外国語の意義を強く感じる。
     東独などへの長期留学ならまだしも、韓国語の新聞が広く流通していないロシアへ一時出国が許された若手上層ですら、そのロシア語が読めず、結局北朝鮮の新聞からしか情報取得できない、との実例が開陳される。
     そもそも自国の政権を相対化し改善を目するには、他国からの目線が要るが、語学はその不可欠の基礎素養だからだ。衛星放送テレビで、他国のニュース報道も容易に手に入れられる現代な猶のこと。

    ① 出身成分による差別(カーストも吃驚の51段階)、
    ② 軍部が人口の2割を占める歪さ(官僚の肥大化傾向と相俟って軍隊とその構成員削減が政治的に難しい)。食いっパグレなくするために軍人になる傾向。
    ③ 92年の一人当たりGDPは実勢約400ドル(公表約940ドル)で最貧国なみ。
    ④ 南の知識人(大学経済学部研究者)に対する欺罔を凝らした北朝鮮入国勧誘。気付けば妻子共々北朝鮮国内で南向けの宣伝放送の担当者に仕立て上げられる。
    ⑤ 北朝鮮で一番の金持ちは、実は朝鮮総連出の北帰国の元在日朝鮮人という全く笑えない指摘もある。

     なお、朝鮮日報が反北朝鮮側傾向の強い新聞社であるとされている点は気にかけておくべきか。

  • 今から20年前、金日成死去の直後に上梓されたもので、北朝鮮国民の暮らしぶりを脱北者の証言からまざまざと浮かび上がらせた傑作。ビニール紐ですら貴重品であるという生活ぶりには絶句。北朝鮮本では必読の一冊。

  •  91年ぐらいまでの北朝鮮の実情について、脱北者などを中心に聞いたもの。約600ページ。たぶん状況はほとんど変わっていないのではないか。

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著者プロフィール

話題の女性を写真集クオリティとボリュームで特集するバズガールマガジン、WHITEgraph。007号のテーマは夢・dream。

「2021年 『WHITE graph 007』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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