- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062561525
感想・レビュー・書評
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坂井三郎、三部作の一冊。結論から、日本は戦争をするべきでなかった、ということだ。真珠湾攻撃から情報は全てアメリカにバレバレ、罠にまんまと掛かった、資源、物資、人、諜報能力、全てにおいてアメリカには勝てない戦いを挑んだ。ただ、零戦には相当に手を焼いたようで、長引いたのも零戦の存在が大きい。階級格差が激しく人種差別であり、連合艦隊司令部上層は現場を知らないアホ野郎ばかり、戦地の兵は本当は命と零戦を無くしたくなく、無謀な命令で国の為に尽くした。異論など言えない絶対命令。
青島刑事的な人と室井管理官がいたらよかったのに。
事件は現場で起きている、会議室で起きているんじゃない!
戦争の細部を知る貴重な作品です。⭕️詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2018年1月27日読了。
396ページ
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坂井氏自身の海軍に入ってからの生い立ち(?)みたいのも含まれる。
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これは、本当に本当にお勧めです。
日本が、一番、熱く燃えていた時代の、第二次世界大戦(大東亜戦争)中、最も輝かしかった活躍を見せた、零戦のトップエースの、戦争中の、体験記です。これは、東条英機や、東郷平八郎クラスの、人の話だと思っていいです。しかも、坂井さんの、頭脳の明晰さや、公平さがひしひしと、伝わってきます。
背筋がピッと伸びているような、
凛とした、坂井さんの姿が目に浮かびます。戦争の汚い所も、快進撃の昂揚感も、一人の零戦乗りの視点から誠実に、正直に描かれています。
戦争とは、何か。それは、日常の延長線にあったものだと、読んでいて思いました。坂井さん達は(今、考えれば、当たり前だけど)戦争中も、ご飯を食べるし、友達と抱き合って喜んだり、泣いたり、「あの先輩、嫌な野郎だ」と、思ったり、僕達と同じ生理で動いています。まるで、(生活の一部は)学校生活のように、面白い描写も描かれていて、
戦争ってこういう側面もあったんだと、視点が増える感じでした。生も死も、同一線上にあった、この時代、人が生きている姿が、確かに誠実に描かれています。あの時代、日本になにがあったか、少しでも興味がある人は、読んでみて欲しいです。また、痛快な青春小説と思ってもらってもいいです。それくらい、読みやすくて、興奮できる内容でした。村上龍の「69」みたいな雰囲気も、(あの、「楽しむ」っていう部分だけ切り取った所)あり、
命の限界のひしめき合いもあり、これは、本当にお勧めです。大好きな本です。ミーハ−な感じの紹介文になってしまったけど、あの戦争の意味や、意義も、一人の、命を賭けて戦った男の視点から真摯に描かれていて、考えさせれる部分がたくさんありました。これは名著です。