「老いる」とはどういうことか (講談社+α文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062561846

作品紹介・あらすじ

老人は何もしないから素晴らしい、「終わり」を考えるより「はじめ」の練習を、等々、これまでの老年観を一新させ、これからの生き方を示唆することばに満ちた1冊。※本作品は1991年9月、読売新聞社から刊行された『老いのみち』を文庫収録にあたり改題、再編集したものです。


「老いる」ことを人生の大切な課題と考える人が急に多くなった、河合隼雄はいう。本書は、臨床心理学の第1人者が、110のはなしを通して、誰もが自分のこととして、また身近な人のこととして、直面する切実な課題に迫る。
老人は何もしないから素晴らしい、「終わり」を考えるより「はじめ」の練習を、等々、これまでの老年観を一新させ、これからの生き方を示唆することばに満ちた1冊。ベストセラー『老いのみち』を改題・再編集、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 河合隼雄先生の「老い」に関するエッセイ。河合先生の本は、読みやすい、分かりやすい、示唆に富んでいる。いつものことながら「自分は本をあまり読まない」と言われながら、非常に幅広く深い読書をされており、先生の文章の中から、また多くの人を知る機会となる。

    今回も、聖路加病院の日野原重明氏の「老いてはじめる」という言葉、仏教学者の中村元氏の「自分で考えないと駄目」という言葉、フランス文学の桑原武氏の「文学もすごいのを読むと、脇の下に汗が流れるんでっせ」というようなインパクトある言葉とその背景にある「老い」に敢然と立ち向かう精神みたいなものを紹介してくださった。

    鶴見俊輔著「家の中の広場」は含蓄深いエッセイ集と紹介されているので、読んで見たい気持ちになった。

    本書で一番興味深かったのは、「絆」という文字についての話。「きずな」とも読むし、「ほだし」とも読まれるが、後者の意味が意外だった。仏門に帰依したいときに、親子の情などの「ほだし」が邪魔になるという意味に用いるのだそうだ。

    「きずな」は深めるものであるのに対し、「ほだし」のほうは断ち切るものというイメージだ。

    心理療法家である著者は、人の自立の時に、この「ほだし」を断ち切るということが必要だという。著者の考える自立の場面は、子どもから大人になるときの自立と、老いたのちに一人旅立つそのときも自立の時としている。

    いわゆる「反抗期」というのは自立に必要なフェーズなのだろう。それと同様に、老いた親は、子に依存するのではなく、やはり「ほだし」を断ち切って、自立せよということなのだろうと思う。

  • 「老いる」ことを人生の大切な課題と考える人が急に多くなった、と河合隼雄はいう。本書は、臨床心理学の第一人者が、110のはなしを通して、誰もが自分のこととして、また身近な人のこととして直面する切実な課題に迫る。老人は何もしないから素晴らしい、「終わり」を考える「はじめ」の練習を、等々、これまでの老年観を一新させ、これからの生き方を示唆することばに満ちた一冊。

  • コラム形式で軽く読めるけど面白い。
    「老い」についてなんとなく-イメージしかなかったけれど、軽やかに老いを迎えられそう。
    老いてからもう一花咲かせる人生でありたいと強く思った。

  • 老いてゆく人と、そんな人のそばに居る人のための見開き2ページ。

  • 病気より残酷。

  • 河合さんが読売新聞夕刊に110回連載したエッセイ集。自分が老いること、老いた人との付き合い方、社会のありかたなど、老いをテーマにした現実感たっぷりのエッセイには、ハッと気づかされる指摘が多い。

    最後に免疫学の多田教授との対談が掲載されているが、これも秀逸。免疫的にみた老いとはそれぞれの人生における様々な外部への反応が蓄積されたもので、すべての人において異なるもの。老いはまったく一様ではない。言われてみればなるほど。。

  • 心の処方箋と同様に、短く答える内容と深く答える内容もあり、読みごたえがあった。
    老いー若さとの比較で、老いることが良くないイメージもある。

    ex.美ー人気モデルが年齢を重ね、容貌などが変わるだけで、「劣化した」と批評される。

    認知症(病い)ー以前は「ボケ」や「痴呆」と呼ばれ、家族が周囲に言えない/助けを求められないことが多かった。
    ※現在でも、家族や周囲に気軽に相談することは難しい面がある。
    ・徘徊やちょっとした時間に外出してまった行方不明者が全国にいる(NHK-クローズアップ現代など)。
    ・認知症患者を狙った詐欺事件
    ・老老介護/介護施設での虐待・殺人事件など


    そういった点で、老いについて考えなければいけないことだと思う。

    働ける・働けない人も含め、居心地の良い場所を地域社会で作り、育てていくか。
    当事者団体や行政機関の役割だけではなく、個々人が老いと向き合っていけるようにしていきたいと感じた。

    ただ、女性ー性の記述の点で、腑に落ちない記述があったので、気になった。

  • 河合隼雄氏の著作は、日本で卒業論文を書く時指導教官に紹介されて以来興味深く読んできた。が、この単行本は読売新聞に連載された文章はの集積で構成されたもので一つ一つのお話が全く薄味。タイトルに内容が完全に負けている。

  • とにかく、読みやすい。
    そして、すっきりとした言葉が真っ直ぐに考えることにたどり着く。

    きっと時とともに、その理解は変わるのだろうな。
    また読み返してみようと思う。

    さて、老いるとは自分にとってどういうことなのか?
    どういうこととするのか?

    今だから考えるのではなく、生きることに精いっぱいだったときから考えておきたいことである。

    元気が出る。精が出る。そして、人として、自分にも優しくなれる一冊。

  • 物足りない。軽く読めてしまう新聞の連載。執筆時、河合さんは何歳だったのかな。ちっと「老い」との距離を感じる。的外れの文が多いが、なるほど豆知識もある。

    ・「いい年をして」
    ・視野を広げて心配事を増やす。
    ・おとなはみんなおなじことをいう。
    ・「ちっと」心配りを
    ・アイヌの「神用語」
    ・-してあげる。
    ・桑原武夫「文学でもすごいのを読むと、脇の下に汗が流れるンでっせ」
    ・苦しい死に顔は誰かの苦しみを背負った顔
    ・性の問題はあからさまに論じることによって、その本質を歪まされるようなところがある。
    ・秘密を抱えて頑張ることが支えとなるときもあるし、それを誰かに打ち明けることによって支えを得ることもある。
    ・能の入舞

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著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。メーカー勤務を経て、現在フリーランスの翻訳者。

「2020年 『パリジャンが教える ヒゲの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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