日本人と心理療法―心理療法の本〈下〉 (講談社プラスアルファ文庫)

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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062563444

感想・レビュー・書評

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  • 上巻に比べるとずいぶん読みやすかったと思う。具体的な話が多かったからだろう。臨床心理学を日本に取り入れていくときの苦労が語られている。今では常識となっていること、たとえばカウンセリングは場所と時間を定めて有料で実施するというようなこと、が初めの間はなかなか受け入れられなかったことが分かる。京大教育学部における臨床心理学教室は最初、山中康裕先生と2人で始められていたということも分かる。80年代初頭であろうか。私自身、たしか92年に筑波大学の大学院を受験しているが(しただけ)、当時はもう心理学と言えば臨床というイメージが私の中にはあった。たぶんそれは勝手な印象だったのだろう。臨床心理士の資格制度がしっかりできたのは21世紀に入ってからであっただろうか。(調べてみると1988年には免許番号第1号が誕生。専門の大学院が設置され始めるのは2005年ころのようだ。)河合先生自身、学部生には、臨床経験を持たせるよりも、実験心理などもっと科学的(そう書かれていたと思う)な教育を行うべきと述べられている。それと、小説なども通して人間のことをしっかり知ることが大切とも。ところで、これは今までどこにも書かなかったと思うが、村上陽一郎先生が、科学思想史の講義の中で、どういう文脈でだったか全く記憶にないのだが、「ユングだけはやりなさんなや」(といったような表現だったと思う)とおっしゃっていたのが強く印象に残っている。80年代半ばのことである。きっとそういう時代だったのだろう。その後、河合先生とは一緒に音楽の演奏をされたりする仲になっていらっしゃるはずだが。

  • 家庭内暴力、親子・夫婦関係のもつれ…。それぞれの家族、それぞれの人生の中で生じる心理的問題をどう受けとめ、どう対処したらよいか。心理相談の実際を通して、心理療法の役割や治療法を知ると同時に、自己実現、soul‐makingなど、個人の生き方の問題にもふれる。

    第1章 心理療法をする人、受ける人
    第2章 家族、人生の中の心理的問題
    第3章 治療者の目
    第4章 臨床心理士へ

  • 再読なんですが、新鮮に読めました。河合先生のご本は、書いてあることが似ていますが、それでも、ターゲットオーディエンスによって、あるいは時代によって、少しずつ書かれ方が違います。この本はわりと初期の、比較的専門性の高い論考が多くて、さらさら読むというわけにはいかないかもしれませんが、そのぶん、河合先生がその時々に考えていたことがうっすらと見える気がして、よかったです。この本の<上>である「ユングと心理療法」も、読んだような気がするんだけど、出てこない。

  • 母性社会の日本での、心理療法について書かれた本です。対人における仕事をする者にとって、知っておく必要性がある日本人の歴史や性質を分かりやすい文体で書かれています。

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著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。メーカー勤務を経て、現在フリーランスの翻訳者。

「2020年 『パリジャンが教える ヒゲの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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