「家族」という名の孤独 (講談社+α文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062564618

作品紹介・あらすじ

「健全な家族」という「思い込み」!!今、「家族」はどうあるべきなのか!?
共依存症、引きこもり、アダルト・チルドレン、子どもを愛せない親たち……。「家族の心理」と「家族の真実」に迫る現代人必読の書。この1冊で、家族内人間関係が変わる!!

人はなぜ、「家族」を持とうとするのか!?夫婦、親子それぞれが、依存し合いながらも「孤独」でいる現実をどう考えるべきなのか。「健全な家族」という神話はもはや存在しない。アルコール依存症、摂食障害、共依存症、引きこもり、アダルト・チルドレン、子どもを愛せない親たち……。人は「家族」に何を求めているのか!?「家族の心理」と「家族の真実」に迫る現代人必読の書。この1冊で、家族内人間関係が変わる!!

感想・レビュー・書評

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  • 「おひとりさまの老後」を読んだ時にも強く感じたのだが、現代人、特に日本人は家族に縛られすぎているのではないか。
    家族でも家族でなくても、居心地のいい関係を見つけられればそれが幸せだと思う。

  • 『「家族」という名の孤独』(著:斎藤学)

    付箋部分を抜粋します


    ・家族という人間関係の中には、愛も憎しみも生々しく躍動している。家族の中でこそ、人ももっとも頻繁に心の傷を受け
     その傷は生涯にわたって被害者の思考、気分、行為に影響する(p4)

    ・ケアと愛は混同され、女は男の母のような役割を背負いこみ、その役割の重さに酔って、自分の人生を失う(p37)

    ・娘たちの多くは、母のように配偶者を選び、母のようにその男に接し、母のように幸福を感じたり、不幸を嘆いたり
     するもののようである(p39)

    ・人は、同じ人間関係を繰り返す。それがどんなに苛酷なものであっても繰り返すのは不思議なことのようであるが
     それなりの必然性がある(p43)

    ・家族とはそのメンバー各々がともに住むことによって、各自の欲求を満たすような人間の集団(p47)

    ・砂糖はエチルアルコールとほとんど同じ分子構造を持っており、食物というより一種の依存性物質である(p68)

    ・四角く生きた親の子どもが、丸く生きることはない(p128)

    ・母と娘。なんて恐ろしい関係なのかしら。お互いに傷つけ合い、いがみ合う。それを愛という言葉で片付ける。母の傷や
     不満はそのまま娘に引き継がれる。母の不幸は、そのまま娘の不幸になる。きってもきれないこの絆(p150)

    ・意識は嘘しかつかない。人をつき動かし、何かをさせるものはいつも人の意識には浮かばない。浮かべない。それを知ろうと
     すれば、その人の行動の連鎖を辿るほかない(p155)

    ・子育ては、母親のすべてを奪い尽くす。時間も自由も与え尽くして、お返しの少しもない世界が子育てである(p194)

    ・私たちは情報が発信される過程がよく見えないまま、そこから流れてきた二次情報、三次情報の中で暮らしているから
     世の中はそういうものだと思わされているが、制度なんていうものはしょせん、誰かがつくったものである(p199)

    ・学校の先生たちが「できない」「汚い」「のろい」子どもたちを無視するようになり、その極端な部分を特殊学級へ追いやる
     ようになると、子どもたちもこうした仲間を一生懸命排除するようになる(p221)

    ・共依存の中核にあるのは「他人に必要とされる必要」である。(p230)

    ・あらゆる依存者がそうであるように、仕事依存者たちも甘ったれであり、他人に依存している。彼らの依存を受け入れて
     彼らに頼りにされることで、自分の生きがいを見いだそうとする共依存者が支えているという条件があってはじめて
     仕事依存者は依存者であることを続けられる(p241)

    ・それぞれが他人の気持ちを敏感に察知して、その期待に沿って動こうとする。そうする人は、他人からもそうされることを
     期待する。それぞれが他人にとっての必要な人であり続けることを望むことによって成立していて、その代わりに個人の
     あからさまな怒りや欲求は我慢させられているという共依存家族である(p246)

    ・「無意識という意識」は、意識されることがない代わりに、その人の反復する行動(錯誤、言い間違え、配偶者や職業の選択
     反復する暴力や犯罪や性倒錯、各種の依存症など)を通して語られる。つまり、それは「もう一つの言語」である(p254)

    ・無意識は振る舞いを通して語る(p281)

    ・「悩みは恵み」という言葉がある。悩みだけが人に成長をもたらすと思うので、私は周囲の悩んでいる人々に「おめでとう」を
     言う(p289)

    ・人は少々ブルーな気分で、適度な寂しさを抱えながら生きるのがいい。そんな日々の中でこそ、もう一人の人との出会いが
     何ものにも代えがたい温もりになるし、道端の緑の芽吹きに奇跡を感じることができるようになる(p291)

  • 家庭内のモラハラやDVについての理解が深まる。著者は男性精神科医。DVが被害者とその子供に与える影響について、女性の立場からだけでなく、本書のように男性の側からも客観的に捉え、周知に努めてもらうことは、DV問題をなくしていくことに非常に大きな力となると感じた。

  • 家族が素晴らしいという最近の風潮が疑問に思えて、「家族という名の病」を読んだがびっくりするほど中身が無かったので不完全燃焼を抱えていた時にAmazonさんがオススメしてくれました。

    遺伝のように家族の中で連鎖する問題と言うのがあってそれは私も自分の身内で経験済みだけど、曖昧としてあった家族に対する疑問に答えと確証をもらえた気がします。

  • 「健全な家族」という「思い込み」!!今、「家族」はどうあるべきなのか!?
    共依存症、引きこもり、アダルト・チルドレン、子どもを愛せない親たち……。「家族の心理」と「家族の真実」に迫る現代人必読の書。この1冊で、家族内人間関係が変わる!!

    人はなぜ、「家族」を持とうとするのか!?夫婦、親子それぞれが、依存し合いながらも「孤独」でいる現実をどう考えるべきなのか。「健全な家族」という神話はもはや存在しない。アルコール依存症、摂食障害、共依存症、引きこもり、アダルト・チルドレン、子どもを愛せない親たち……。人は「家族」に何を求めているのか!?「家族の心理」と「家族の真実」に迫る現代人必読の書。この1冊で、家族内人間関係が変わる!!

  • ACで有名な先生の著書。
    人のひずみの要因に家族が関係してるんじゃないか。
    機能不全家族について、例を交えて分かりやすく書いてある。
    ロボットではなく、人として悩みながら空虚を抱えて苦しみながら生きたいと思った。

  • p233 共依存者の利他主義は実は既述のような自己中心性から発するという矛盾を抱えているのだが、われわれの文化は共依存的な権力使用を親密性の衣装のもとに覆い隠そうとする企みに満ちている。共依存者は親密ではない人の前ではニコニコ仮面を被って、親密な関係を装う。そして真に自分が関わりたいと思う人には抑うつ的な自己を表現し、深い溜息をつく。 これを繰り返すことによって、相手を共依存的な感情の中に巻き込み、もうひとりの共依存者を作り上げる。

    p72 考えてみると共依存者とは私の熟知している日本の妻であり、母である。自らの感情や欲求を失った感情ロボットである。

    自分の能力と金と時間を「自分のためだけに使う」ことに習熟するようにならなければならない。

  • AC(今はアダルトサヴァイヴァー)の第一人者による本。
    なのだがなかなか読み進められない。なぜだろう。

  • 持ってたけど売ってしまった・・・ちょっと反省。

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著者プロフィール

精神科医、家族機能研究所代表。
1941年東京都生まれ。1967年慶應義塾大学医学部卒。同大助手、WHOサイエンティフィック・アドバイザー(1995年まで)、フランス政府給費留学生、国立療養所久里浜病院精神科医長、東京都精神医学総合研究所副参事研究員(社会病理研究部門主任)などを経て、医療法人社団學風会さいとうクリニック理事長、家族機能研究所代表。
医学部卒業後、母校の神経科学教室で精神分析のトレーニングに入る。同時期より、国立アルコール症センターとして発足した久里浜療養所(当時)で臨床にあたりつつ、アルコール依存症など「依存症」という用語を提唱し定着させ、依存症の家族に代表される、温かさや安心感などが提供できない機能不全家族で育った「アダルト・チルドレン」という概念を日本に広めた。著書に『すべての罪悪感は無用です』『「愛」という名のやさしい暴力』(ともに小社刊)など多数。

「2022年 『毒親って言うな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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