- Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062564786
感想・レビュー・書評
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歴史にIf...はないが、この本を読んでいると太平洋戦争は、日本が勝てたと錯覚してしまいます。
しかし、いつの世も日本人は、戦争計画を立てることができていないのかと残念に思います。
日本人は戦争するよりも、平和の時代において戦い方を知ってると思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
奇才・小室直樹に軍配が上がってるが、太平洋戦争のifを描く作品は多い中、著名な天才・奇才の対談だけに、別格。
対談のため、互いの意見の相違がある論点は、分かりづらいが、「赤字経営であった中国満州や朝鮮を放棄し、アメリカに備えるべき」「官僚制度の疲弊、政略が足りない戦争は、勝てる訳がない」という点は、説得力あり、一読の価値ある作品。
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日本の統治システムの問題点があぶり出されていて興味深く読めました。
20年程経ってますます状況は悪化しています。つくづく勝てる可能性は全く無かったし、戦争してしまえば、取り返しつかない事になるとの思いが強くなりました。 -
なんやねん!ボロ勝ちできたやんと思う本。
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戦争は政治の一部
戦争設計のない日本
何の為にやっているのかを明確に
目的を明確にしないと勝利の定義が曖昧になる
手段が目的になる
落としどころがわからなくなる -
大東亜戦争研究としては最も優れた一書だろう。
中国戦線の拡大が何故、あそこまで泥沼化し、ミッドウェーを境に戦局が変わったのか、実際の日本海軍の実力や日本軍が短期決戦しか想定しなかったことなど、単に戦局を振り替えるだけの内容に終わらず、多角的に当時の日本の実状や軍
について見直された素晴らしい内容だった。日本人が歴史認識を改めて見直されない限り、日本は同じ失敗を繰り返すのかもしれない。 -
日下公人氏と小室直樹氏の大東亜戦争についての学者が殆ど眼を向けない「戦争」についての論客による論議である。■両人が立脚している「思想」は、戦争は政治の延長であり、戦争指導者の不在の立証、機能合理的集団である戦争組織の共同体化、という「日本」の組織のあり方の再考である。辻政信、東条英機、南雲忠一、富永恭次、石原莞爾、板垣征四郎、など具体的な指揮のあり方に立ち入って仔細に検討されている。■以下抽象的ではあるが本書の本質でもあるので、引用。「旧戦法の固守は古今東西の通例なのに、日本の場合には、とくにその弊害が致命的にな
るのはなぜでしょうか。
その理由は、日本では機能集団が共同体になってしまうからではないでしょうか。日本
の社会構造の特徴はそこにあると思うのですが。
軍は、戦争を機能的要請とする機能集団です。ドイツでもアメリカでも、どこでもそう
なのですが、欧米諸国では機能集団にすぎません。ところが日本だと、機能集団たる軍隊
が、同時に共同体になってしまう。
共同体の特徴は、ウチとソトとの峻別です。人間関係(とくに規範)は、内のものが絶対的に重視され、最優先され、外のものは畢竟、どうでもいいくらいのものになってしまいます。
たとえば、陸軍はどうしても支那撤兵は嫌だと我を張り通して日米戦争に突入したでし
ょう。日本の要請からすれば、負けるに決まっている日米戦争になんか突入するべきでは
ありません。ところが、支那撤兵をすれば陸軍の面子は失われ、その存在価値は危殆に瀕します。陸軍の要請は否定されます。
このように、日本の要請と陸軍の要請とが矛盾したときにはいかにすべきか。
もちろん、だれでも、日本の要請を優先させるべきだ。こう思うでしょう。それに決ま
っています。日本のために陸軍があるので、陸軍のために日本があるのではありません。
ところが、機能集団たる陸軍が同時に共同体になっていると、この当然すぎることが当
然でなくなってしまうのです。だから恐ろしい。
共同体の要請は絶対であり最優先されますので、日本(全体)の要請よりも優先される
ことになってしまうのです。ゆえに、日本の要請たる「日米戦争はしない」ことを押しき
って、陸軍の要請たる「支那撤兵をしない」ことを守るために日米戦争へ突入。こういう
ことにならざるをえません。げに恐ろしきは、機能集団の共同体化なり。」引用ここまで。
■いたずらに「日本」否定論をしているのではなく、日本のあり方について憂慮しているわけである。また、ありがちな憂国放談でもない。ガダルカナルでの敗退の原因、ノモンハンでの失敗、ミッドウエーでの敗退などが、新しい資料で再考されている。具体的な戦闘史の検証となっているからである。 -
おお!勝てたやん!!
と思う一冊。