大空のサムライ(上) 死闘の果てに悔いなし: 死闘の果てに悔いなし (講談社+アルファ文庫 G 11-4)

  • 講談社
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感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062565134

作品紹介・あらすじ

世界でもっとも速く強かった、撃墜王坂井三郎と戦友たちの迫真の記録。知られざる坂井三郎出撃記録や写真、用語解説等も新たに付け加えた決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 戦争で飛行機に乗って戦い、最後まで生き抜いた著者の記録。描写が詳しく書かれていて、飛行機に乗って闘う様子がよくわかる。よくぞここまで記憶していたなと思った。きっと、しっかりメモをとったり、入念な調査をされたのだと思う。

    印象に残ったのは、不時着の技術指導。事故に直面したとき大切なのは、まず落ち着くこと。しまった、しまったと自分の不運を嘆き、心を乱すより、落ち着いて対処を考え、もっともよいと思ったことを断行すること。これは、飛行機だからこそスピードが求められるが、日常全てにおいていえることだと思った。

    そして、人間の運命はどう転ぶかわからないということ。著者は、日本に帰りたかったが、選ばれなかった。落胆するが、帰国を命ぜられた者は、ミッドウェーの海が待っていた。

    戦争のひどさも改めて感じた。みな、自分の命の大切さに気づくことなく、国のために投げ打っている。落下傘を持たずに飛び立つなんて、信じられない。こうした教育は、もう起こってほしくないと感じた。

  • 零戦のエンジン音が聞こえてきそうな本です。
    彼らの息遣いまで聞こえてくるよう。

    笹井中尉、素敵(笑)

    山口中尉の最期には、私も悔しくなった。
    体は元気。でも飛行機だけがもう飛べない。
    目の前にいるのに、助けられない。
    生と死の境界線が実に怖い。

    …読書感想って苦手orz

  • 旧日本軍の一流のパイロットが自ら書いた本を読むことができることにというだけでも貴重な経験だと思うのだが、内容も読み応えがあり、次々に敵機を撃墜していくのが清々しい。残酷だとも感じたが、お互いに生きるか死ぬかの世界ではそうも言っていられないのだろう。臨場感のある描写で、まるで自分もその場で戦っているような気持ちになった。
    また、撃ち落とした敵機や亡くなった仲間への思いに触れて、戦争の悲惨さを感じるとともに、飛行機乗りの生の考えに迫ることができたと思う。

  • 文庫で360ページとなかなかのボリュームだったけれど、読み始めたら面白くて一気に読めた。きっかけは永遠の0。映画を見て、原作を読もうか迷って、この本のことを知り、図書館で予約してから半年。すっかり冷めていたかと思いきや、やはり実際に零戦を乗りこなして生き抜いた著者の説得力とリアリティは、その表現力によって、まるで、自分がその時代を生きているかのように迫ってきた。サムライ魂とはこういうものかと。下巻も楽しみ。

  • 零戦パイロット、撃墜王と呼ばれた坂井三郎さんの自伝。
    「戦いに出ることは死ぬことと決めかかっていた日本人の〈思想〉」と書いてあるように、当時の日本人の考え方がよく分かる。
    もちろん、戦争を美化するわけではないけれども、この時代の日本男児の精神力は素晴らしいものがあると思う。坂井さんだけでなく、これに書かれているすべての戦闘機乗りから、今の日本人が学ぶべきことは多いと思う。
    下巻を早く読みたい。
    子供に読ませたい一冊。

  • こんな実体験が歴史の教科書にあれば、もっと自分たちは歴史に興味を持ったかもしれないと思いました。
    零戦に乗り、明日は生きられないと思いながら、仲間の死を受け入れながら戦い続ける実体験談。
    本当にこんなゲームみたいな戦争があったなんて、信じれません。
    この時代の並みじゃない精神力、当時の人は超人ですね。
    事実だった事をありのまま読める今の日本に感謝しながら下巻へ。

  • 戦争を美化するわけではもちろんない!
    戦争の愚かしさや人の命の大切さがわかる本である。

    そしてそれ以上に、坂井さんの精神力の強さに強く惹かれる。
    ストレス社会だ、うつだと、なんだかんだと病んでいる現代社会である。
    それを乗り越えるためにも、強い精神を持つことが大切なんじゃないかな。

    いまどき流行らないだろう精神論。
    しかし、今の現代に足りないのはこれかもしれない。
    読後に強く生きたい!と、心から思った。

  • 日中戦争から太平洋戦争まで生き抜いた戦闘機パイロットの自伝。これはすごい。
    航空部隊への入隊までのいきさつに始まり、日中戦争、太平洋戦争勃発、ラバウル着任まで描かれている。
    当時の日本の若者の特殊な青春の記録でもあり、大空での格闘戦の戦術の克明な記録でもあり、また淡々としていて思った以上に読みやすい物語としても引き込まれる。
    常に死が隣にあって、それを当然のこととして受け入れていた環境というのはもはや想像も難しいが、こうした時代があって今があるのだなとあらためて思った。

  • 決してお涙頂戴という訳でも、悲惨さ云々という訳でもなく、一人の人間の青春時代を見たように感じた。
    今の私たちからすると、特殊な状況下ではあるが、その中で今の私たちと同じように仲間と騒ぎ、色んなものと戦い、生活をしていたのだ。その違いは生命の危機が常にあったことであろうか。

  • 本業の作家さんでないことが信じられないくらい読みやすい。テンポよく話が進み読んでいて飽きない。戦闘シーンは手に汗握るくらいリアルに描写されていて、まるで映画。こんな凄まじい中を生き抜いた方が書いた文書を読ませていただいているなんて本当に凄いことだと思う。

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