マンガは哲学する (講談社プラスアルファ文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062568722

作品紹介・あらすじ

著者がマンガに求めるもの、それはある種の狂気である。現実を支配している約束事をまったく無視しているのに、内部にリアリティと整合性を保ち、それゆえこの現実を包み込んで、むしろその狂気こそがほんとうの現実ではないかと思わせる力があるような大狂気。そういう大狂気がなくては、著者は生きていけない。その狂気がそのままその作者の現実なのだと感じたとき、著者は魂の交流を感じる。それゆえ、著者がマンガに求めているものは、哲学なのである。

感想・レビュー・書評

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  • (2005.12.16読了)(2005.08.26購入)
    この本は、マンガの評論の本ではありません。人間についてのあれこれについて永井さんが考えていることがマンガの中でいろんな形で取り上げられている。他の表現手段ではなかなか難しいことがマンガだと何の不自然さもないようにすんなりとできてしまうところがある。
    いろんなマンガの中から、永井さんが日ごろあれこれと考えていることに相応しい作品を取り上げて紹介している。取り上げられている作品には、僕が既に読んでいるものもあるけれど、見たことも聞いたこともない作家の作品もあります。
    既に読んでいるものは、もう一度読み直してみようかとも思うし、読んだ事のないものは、ちょっと読んでみようかと思うのもあります。
    哲学と言う題名が付いていますが、割とすいすい読めます。もちろん内容的にはギャグ的なものもありますが深刻なものもあります。哲学入門として考えると実にいい本ではないでしょうか。

    ●マンガに求めるもの(5頁)
    「私がマンガに求めるもの、それはある種の狂気である。現実を支配している約束事を支配している約束事を全く無視しているのに、内部にリアリティと整合性を保ち、それゆえこの現実を包み込んで、むしろその狂気こそが本当の現実ではないかと思わせる力があるような大狂気。そういう大狂気がなくては、私は生きていけない。」
    ●ドラえもん(124頁)
    「のび太の孫の孫のセワシ君が、未来の世界からタイムマシンでやってくるところから、この話は始まっている。ドラえもんとは何か。それは、のび太の残した借金が多すぎて、百年たっても返しきれないセワシ君が、どじなのび太の運命を変えようとして、現代に送り込んだロボットである。だから、ドラえもんがなすべき仕事は、当然、のび太を援助して、その悪い運命を改善することである。」(そんな始まりだったですかね。)
    ●禅について(208頁)
    「禅はいろいろなものの捨て方を教えてくれるが、それは捨てるべき何か巨大なものの処理に困っている人にしか役に立たないだろう。これは仏教そのものの本質かもしれない。」
    ●関連図書(既読)
    「夢みる機械」諸星大二郎著、朝日ソノラマ、1978.06.30
    「不安の立像」諸星大二郎著、創美社、1993.05.15
    「半神」萩尾望都著、小学館、1985.03.20
    「A-A'」萩尾望都著、小学館、1984.11.20
    「攻殻機動隊」士郎正宗著、講談社、1991.10.05
    「火の鳥」1-16、手塚治虫著、講談社、1978.07.25-1995.09.16
    「ブルーホール」1・2、星野之宣著、講談社、1992.08.08-1993.02.09
    「2001夜物語」1-3、星野之宣著、双葉社、1985.08.18-1986.10.24
    「スターダストメモリーズ」星野之宣著、スコラ、1995.09.29
    「無能の人・日の戯れ」つげ義春著、新潮文庫、1998.03.01
    「寄生獣」(1)-(10)、岩明均著、講談社、1990.07.23-1995.03.23

    ☆関連図書(既読)
    「ウィトゲンシュタイン入門」永井均著、ちくま新書、1995.01.20
    「〈子ども〉のための哲学」永井均著、講談社現代新書、1996.05.20
    「子どものための哲学対話」永井均著・内田かずひろ絵、講談社、1997.07.25
    「これがニーチェだ」永井均著、講談社現代新書、1998.05.20

    著者 永井 均
    1951年 東京都生まれ
    慶應義塾大学文学部卒業
    専攻は哲学・倫理学

    (「BOOK」データベースより)amazon
    著者がマンガに求めるもの、それはある種の狂気である。現実を支配している約束事をまったく無視しているのに、内部にリアリティと整合性を保ち、それゆえこの現実を包み込んで、むしろその狂気こそがほんとうの現実ではないかと思わせる力があるような大狂気。そういう大狂気がなくては、著者は生きていけない。その狂気がそのままその作者の現実なのだと感じたとき、著者は魂の交流を感じる。それゆえ、著者がマンガに求めているものは、哲学なのである。

  • 非常に面白かった。

    漫画に対する、こじつけのようなつまらない哲学的考察ではなく、漫画の深みを見事に掘り出している点に評価を送りたい。

    僕の漫画に対して言いたいことを、言ってくれたような気がして、読んでて気持ちよかった。

    知らない漫画も多かったが、
    知っている漫画に関しては、その深みが改めて分かるというものだ。
    実際に知っている漫画でないと、読んでてもピンとこないかもしれない。

    自分のお気に入りは
    藤子F不二雄短編集、伝染るんです。、漂流教室、鉄コン筋クリート、あっかんべェ一休、天才バカボン、寄生獣である。

    哲学的な感性をくすぐる漫画に出会うと非常に心地よくなるのは私だけだろうか。

    漫画にとっても、哲学にとっても、本当に面白い切口の一冊であると思う。

  • 2012.02.13 読了

  • こういう捉え方もあるのかと、参考になりました。

  • 2007.8.28

  • \105

  • 紹介されているマンガが読みたくなる。ものすごく興味深い。

  • 「哲学とは、要するに、なぜだか最初から少し哲学的だった人が、本来のまともな人のいる場所へ――哲学をすることによって――帰ろうとする運動なのだ(後略)」p.106

  • 背筋がぞーってなる。

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著者プロフィール

哲学者。1951年東京生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得。信州大学教授、千葉大学教授を経て、現在、日本大学文理学部教授。専攻は、哲学・倫理学。幅広いファンをもつ。著書多数。

「2020年 『〈仏教3.0〉を哲学する バージョンⅡ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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