愛国心 (講談社プラスアルファ文庫)

制作 : 姜 尚中 
  • 講談社
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本棚登録 : 49
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062569521

感想・レビュー・書評

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  • 田原総一郎、西部邁、姜尚中の3人が、愛国心というテーマについて論じた鼎談です。

    西部は、個人が歴史の中に深く根づいている存在であることを自覚するところにパブリック・マインドの拠り所を求め、そうした自分自身のルーツに立ち返っていくところに愛国心の根拠を求めます。他方姜は、明治期以来の近代国家としての日本がどのように作り上げられていったのか、さらに戦後の冷戦構造の中で問われないまま残されたものが何かということを鋭く分析し、愛国心という装置を相対化する視点を示そうとしています。

    観念的なレヴェルで「国家」が問題にされているため、抽象的な議論に終始しているという批判もあるかもしれませんが、浅薄な自称「リアリスト」の国家論よりも、思想的な深みのある西部、姜両氏の議論のほうが、個人的にはおもしろく読めることを再確認しました。

    この2人の国家論に、戦後の日本の社会状況や政治状況をつぶさに眺めてきたジャーナリストの田原がツッコミを入れて、靖国神社の問題や憲法改正問題、東アジアにおける地政学的な問題など、具体的な状況に落とし込んで両者の立場を検証する視点を提出しています。

    テレビの討論番組ではしばしば議論が噛み合っていないように見える3者ですが、本書では真正面から論点を提示し合い、それぞれの立場の相違がはっきり示されています。

  • ゼミの文献発表で使った本で、うちの青春の一冊です。
    西部さんに、すごい興味を抱くきっかけになった。

  • タブーほど気になる。

  • 面白い

  •  郵政解散以降の展開によって、この国がいよいよ衆愚政治に突入した感を深めていた頃にちょうどこの本を読み終えました。
     田原総一朗・西部邁・姜尚中という、およそ一致点を見出せないような三氏の討論。どうなるのやらと思ったら、三氏も認めるように、日本は戦後アメリカの植民地であって、愛国心不在の民主主義が展開されてきたという基本線で一致。それをどうするのかがそれぞれ異なりますが、いつまでアメリカに依存するのかという問題意識は共有されていたようです。
     アメリカ(英米)に依存するというのは、いわば黒船以来の国是だったようにも思いますが、戦後は大陸への夢(野望?生命線?)を切り捨てることによって、それが徹底されたようにも思います。小森陽一の言葉を借りれば「自己植民地化」ということなのでしょう。そこから脱却する足がかりが「愛国心」なのでしょうか。
     愛国心とはとどのつまり、「お国のために死ねるのか」ということになるわけですが、正直な話、そういう覚悟を持てる人ってどの程度いるのでしょうか。私はとてもその覚悟は持てません。では、この国のために死んでもいいと思えるような国にしていけばいいということなのでしょうか。それでいいかどうかもよく分かりませんが、その努力はしないとどうにもならないかなと思います。
     憲法改正が現実味を帯びてきた今こそ、単純さの裏側にある複雑さを見通すような、冷静な省察が求められているように思います。

  • 読破中だけど。。途中でこの人たちのいってることに正直ついていけん。

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著者プロフィール

田原総一朗(たはら・そういちろう)
1934年、滋賀県に生まれる。1960年、早稲田大学を卒業後、岩波映画製作所に入社。1964年、東京12チャンネル(現・テレビ東京)に開局とともに入社。1977年、フリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。 1998年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。現在、「大隈塾」塾頭を務めながら、『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)など、テレビ・ラジオの出演多数。
著書には、『日本の戦争』(小学館)、『誰もが書かなかった日本の戦争』(ポプラ社)、『創価学会』(毎日新聞出版))、『塀の上を走れ 田原総一朗自伝』(講談社)などがある。


「2019年 『令和の日本革命 2030年の日本はこうなる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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