フェルマーの大定理が解けた! オイラーからワイルズの証明まで (ブルーバックス)
- 講談社 (1995年6月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062570749
作品紹介・あらすじ
ついに解けた! どう解けた?「Xn+Yn=Znという方程式は、nが2より大きい自然数であれば、自然数解X、Y、Zをもたない」――フェルマーの最終予想とも呼ばれるこの問題は、問題の意味が誰にでもわかるほどやさしいにもかかわらず、アマチュアの数学愛好家はもちろんのこと、多くの著名な数学者たちの挑戦を、数100年ものあいだ退けつづけてきた。だが、ついに1994年、A・ワイルズがその証明に成功した。
ついに解けた! どう解けた?
「Xn+Yn=Znという方程式は、nが2より大きい自然数であれば、自然数解X、Y、Zをもたない」――フェルマーの最終予想とも呼ばれるこの問題は、問題の意味が誰にでもわかるほどやさしいにもかかわらず、アマチュアの数学愛好家はもちろんのこと、多くの著名な数学者たちの挑戦を、数100年ものあいだ退けつづけてきた。だが、ついに1994年、A・ワイルズがその証明に成功した。
いったい、どのような発想からこの難問が解かれたのか。350年にもわたる数学者たちの苦心の跡をたどるとともに、難問解決に導いた発想の本質をわかりやすく解説する。
感想・レビュー・書評
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(2007.12.30読了)(2002.03.21購入)
副題「オイラーからワイルズの証明まで」
夏に「フェルマーの最終定理」サイモン・シン著、を読みました。数式を使ってないにもかかわらず、実に分かりやすい本で、楽しく読めました。
理系人間としては、もう少し、数式のある本で、それらしい雰囲気を味わってみたいと思いこの本を読みました。全然、歯が立ちませんでした。
フェルマーの最終定理、フェルマーの大定理、フェルマー予想、といくつかの呼ばれ方をする、定理は、
xⁿ + yⁿ = zⁿ
nが2より大きい自然数であれば、上記の式を満たす自然数の組x,y,zは存在しない、というものです。
nが2の場合は、
3² + 4² = 5²
などがあり、x,y,zは存在することが分かっています。
nが3以上の場合で、x,y,zの組み合わせを1個でも見つけてしまえば、フェルマー予想が、成り立たないことは、証明されてしまうのですが、残念ながら見つかっていません。
この本の特徴は、「フェルマー問題の歴史を、最初から最後まで一貫して楕円曲線を主題として論じる」ということです。
フェルマー大定理は、本来的には、代数的整数論の問題のはずなのですが、ワイルズは、楕円曲線からのアプローチで解いています。
楕円曲線というのは、以下のような式で表されるものです。
y² = x³ + ax + b
楕円曲線がどのようなグラフになるのかは、この本の中に多数出てきます。
●フェルマーの大定理の軌跡
1630年ごろ、フェルマーはディオファントス「算術」の欄外余白に証明したことを記入。
n=4の場合は、フェルマーによって証明が与えられた。
n=3の場合は、オイラーによって証明された。(1770)
n=5の場合は、ディリクレとルジャンドルによって証明された。(1820)
n<100の場合は、クンマーによって証明された。(1860ころ)
n<400万の場合は、フェルマー大定理が成り立つことを証明。(1994)
n>3のすべての場合に、フェルマー大定理が成り立つことを証明。ワイルズ(1995)
著者 足立恒雄(あだち・のりお)
1941年 京都府生まれ
早稲田大学理工学部卒業
早稲田大学理工学部教授
専門は代数的整数論および数理哲学
(2008年1月12日・記)
内容紹介(amazon)
ついに解けた! どう解けた?「Xⁿ+Yⁿ=Zⁿという方程式は、nが2より大きい自然数であれば、自然数解X、Y、Zをもたない」――フェルマーの最終予想とも呼ばれるこの問題は、問題の意味が誰にでもわかるほどやさしいにもかかわらず、アマチュアの数学愛好家はもちろんのこと、多くの著名な数学者たちの挑戦を、数100年ものあいだ退けつづけてきた。だが、ついに1994年、A・ワイルズがその証明に成功した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
力作である。前著と相補的な著作である。前著で置いてきぼりにされた感のあった数学的道具が丁寧に解説されている。2冊を通して、しっかり分かった気になった。
楕円曲線上の加法群の存在、FLTの楕円曲線への言い換え、還元、導手など理解できて嬉しい。 -
20年以上前に購入して積ん読であった本が、ふと目に付いたので読んでみた。数式がよくわかりませんが、読み物として面白かった。数学者の世界は、私のような法律実務家とはまるで違った風景なのかなと思います。
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フェルマーの主な興味(ディオファントス方程式や曲線上の有理解)などについての知られている事実が書かれてある。話の展開が唐突で、実例の紹介が主。あまり面白くなかった。
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【配置場所】工大新書B【請求記号】412||A【資料ID】91121209
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フェルマーの大定理の解説はこの本が一番分かりやすい。