ゲージ場を見る―電子波が拓くミクロの世界 (ブルーバックス 1162)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062571623

作品紹介・あらすじ

電磁気力や核力といった自然界のあらゆる力、そして、それらが引き起こす現象は、ゲージ場という共通の言葉で語ることができる。だが、そのような「場」は実在のものなのか、思考の上だけのものなのかという問題は、つい最近まで解決されなかった。このゲージ場を、電子の波を使って写真に撮り、目で見ることにより直感的に理解する。これが、本書の狙いである。

感想・レビュー・書評

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  • 日立の研究所に勤める有名な外村さんの著作。
    最初読んだときはさっぱりわからなかったが、再読して少し理解が進んだ。数学的な存在として認識されていたベクトル・ポテンシャル(ゲージ場)を実験で観測するという試み。ゲージ場を直接見るというよりは、ゲージ場が存在するときにおこるAB効果を観測したものと理解。おもしろい。ヤン・ミルズ理論で有名なヤンと著者との交流の話もありよかった。ヤンから”議論したいから日立の研究所にいきたい”という電話がかかってきたくだりがあり、日立の研究所ってすごいと思った。

  • アハロノフ・ボーム効果、マイスナー効果の可視化実験。そこには確固たる物理がある。

    前者は温度が低くなって超伝導状態になると、相転移がおこって、特定のベクトルポテンシャルが選ばれ、ゲージ変換に対する対称性が破れてしまう。

    マイスナー効果は、原理を含めて丁寧な説明がある。電磁気、量子力学の知識があると、なお一層楽しめるだろう。

    数値的な実験・測定ではないが、現象を可視化する実験にも、様々な苦労があることを知る。

  • 場の量子論と合わせて関連本かなと思って読んで見たがこれはちょっと狙った本とは違っていた。が量子論関係には変わりなく、理論一辺倒とはちがって、実物(実験結果)で目に見えるという点で、これはこれで面白い。

  • [ 内容 ]
    電磁気力や核力といった自然界のあらゆる力、そして、それらが引き起こす現象は、ゲージ場という共通の言葉で語ることができる。
    だが、そのような「場」は実在のものなのか、思考の上だけのものなのかという問題は、つい最近まで解決されなかった。
    このゲージ場を、電子の波を使って写真に撮り、目で見ることにより直感的に理解する。
    これが、本書の狙いである。

    [ 目次 ]
    第1章 電子線ホログラフィー
    第2章 干渉する電子
    第3章 干渉性のよい電子線
    第4章 粒子性と波動性
    第5章 電子波で見る磁力線
    第6章 ゲージ場を見る
    第7章 超伝導を見る

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著者プロフィール

1964年滋賀県生。現・呉工業高等専門
学校教授。著書に『近江の詩人 井上多喜三郎』(サンライズ出版、2002)、『犀星文学 いのちの呼応 ―庭といきもの―』鼎書房、2012)、苗村吉昭との共編『大野新全詩集』(以倉紘平監修 砂子屋書房、2011)等。

「2020年 『詩の立会人 大野新随筆選集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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