光と電気のからくり―物を熱するとなぜ光るのか? (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062572590

作品紹介・あらすじ

電線内を電子が動くのが電流。では、電波は、アンテナから電子が飛び出したのでしょうか?物が見えるということは光が目に入ってくることを意味する。では、その光はいったいどこからどう発生したのか?静電気にはじまり、電気と磁気の関係、光と電磁波の正体、原子の構造と光の発生のメカニズムまで、目で見るようにわかりやすく解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 知っていることも多かったけどわりとわかりやすく書いてある。量子光学の直感的な導入編といったところか。スピンの話はようやく少しわかった気がしたので、紹介されていた朝永先生のスピンはめぐるも読んでみることにした。

  • 物質が光る理由を知りたくてこの本を読み始めました。LEDが光る原因はしっかり書かれていました。しかし、温度が上がることによる発光の原理は明確には読み取れませんでした。別の書籍を探します。

  • ちょっと相対性理論がわかったような!かんじ!

  • やべー電気設計よく分からん、これは根本的な理解が不十分(そもそも電気って何だっけ状態)なせいだと思い手にとった一冊。
    大事なことなので2回、と言わず3度4度繰り返すのでいらいらするかもしれないけれど馬鹿(僕)にはこれくらいでいいのかも。一番おぉぉぉと思ったのは相対論によるローレンツ力の説明。クーロン力なら根源的な力として受け入れられるけどローレンツ力って二次的な力のような気がして、「フレミングの左手の法則によりこの向きに力がはたらきます!」とか言われても納得できなかったので。まだ完全に納得できたわけではないけど、この本でかなりの部分がスッキリした。以下はメモ。

    電気の源は電荷
    電荷は電気力を説明できるように導入された物理量でこの世にもともと存在していたもの(電荷の本質はわかっていない)。

    磁場の源は運動する電荷
    (エルステッドの発見)
    電線に電流が流れるとコンパスが反応(永久磁石にコンパスを近づけたときと同じ現象)。電流(動く電荷)が永久磁石の役目を果たす。電荷が運動するとその周りに磁場が発生する。

    磁気の源は電子のスピン
    自転(スピン)も電荷の運動となる。
    電子はスピンしており、電子自身が永久磁石(磁気双極子)になっている。

    電磁誘導作用
    (一次コイル・二次コイル)
    ・時間的に強さが変化する磁場は時間的に強さが変化する電場を誘起する
    ・時間的に強さが変化する電場は時間的に強さが変化する磁場を誘起する。
    (これが繰り返されて電磁波が形成される。電磁波を発生させるには電荷を連続的に振動させてやれば良い。)
    電流は電荷の流れだから電荷に力が加わらない限り電流は流れない。電荷に力を及ぼすのは電場。電子は磁場の時間的変化によって誘起された"電場"によって動かされ、電流が流れる。

    ローレンツ力の相対論的解釈
    (電場も磁場も相対的なもの)
    電流が流れている電線内に、電子(マイナス)と原子(プラス)がそれぞれ一列に、等間隔に並んでいる、また電子は一定速度で走っているとする。電線に対して静止している観測者にとっては、単位長さ当たりの電荷は0。観測者が電線に沿って電子の運動方向に一定速度(※電子の速さはカタツムリ並なので観測者は電子より速い前提になっていると思われる)で走ると、観測者に対しては、原子の速さ(=観測者の速さ)>電子の速さ(=観測者の速さ-電子の速さ)。すると特殊相対性理論による長さの歪みにより、観測者から見てより速く動いているプラス電荷どうしの距離の方が余計に縮み、単位長さ当たりの電荷は正味プラスとなる。観測者を電荷に置き換えると、走っている電荷はこの正味プラス電荷がもたらす電場によって電線から遠ざかる力を受ける。ローレンツ力は"運動する荷電粒子は、荷電粒子の運動方向に対し直角方向に、磁場から力(磁力)を受ける "とされているが力を及ぼすのは電荷に力を及ぼすのはあくまで電場。
    【疑問】
    この例ではローレンツ力を説明するために電流が流れている電線を持ち出したが、電線がなく、磁場だけがある空間を荷電粒子が動く場合はどう解釈すれば良いのか?その磁場を生み出している仮想の電線を想定する???

    光の源は電荷
    物体を熱すると電子が振動し電磁波を発する。温度が上がるほど電子も激しく振動し高周波数の電磁波が発生。物体がある温度以上になると可視光線の周波数に達し光が出る。

    光電効果
    真空中の金属板に光を当てると自由電子が飛び出す。光が粒子(光子)として振舞っている。粒子と粒子の衝突現象。光子は持っているエネルギーを全て電子に与え、衝突後に消滅(電子が光子を完全吸収)。
    光のエネルギーはその色(波長)に関係し(E=hf)、光の明るさは光子の数で決まる(暖炉の側に何時間いても皮膚が焼けることはないが曇りの日でも日焼けする)。
    光子はエネルギーは持っているが質量0。
    光電効果を利用すると光の信号(光のエネルギー)を電気信号(電気エネルギー)に変えることができる。

    光子は電荷の子であり親
    電荷の振動から光子が発生し、光子は光電効果のように電荷と強く反応し、また光子自身から電子と陽電子が発生する。

    電荷は光子を放出したり吸収したりするもの
    原子がつぶれないのは角運動量の量子化によって電子が定められた軌道しかとれないため。電子は軌道上にある限り電磁波を発しないが、原子がエネルギーを吸収して励起され、高いエネルギー準位へ移った電子が低いエネルギー準位へジャンプするときにエネルギー(光子)を放出。一つのジャンプで一個の光子が発生。光に関する限り、光は無から発生している。また電荷が加速や減速されるときにも光子が発生する。

    スピン-軌道相互作用
    原子核(プラス電荷)がその周りに作り出した電場を電子が横切るため、電子は磁場を感じ、電子の持つ磁気双極子がその磁場と相互作用する結果、電子の持つエネルギーに変化をもたらす。
    ただし基底状態では角運動量0(電子は陽子の周りを回っていない)。磁気双極子と磁場の相互作用がないのでエネルギーレベルは二つに分岐しない。

  • 4062572591 211p 1999・7・20 1刷
    電気・物理の知識をある程度身につけてからでないと、専門用語が多く、解説も素人向けではないので内容も理解できません。

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著者プロフィール

山田克哉(やまだ・かつや)
1940年生まれ。東京電機大学工学部電子工学科卒業。米国テネシー大学工学部原子力工学科大学院修士課程(原子炉理論)、同大学理学部物理学科大学院博士課程(理論物理学)修了。Ph.D.。セントラル・アーカンソー大学物理学科助教授、カリフォルニア州立大学ドミンゲツヒル校物理学科助教授を経て、ロサンゼルス・ピアース大学物理学科教授に就任。2013年6月に退官。アメリカ物理学会会員。主な著書に『原子爆弾』『光と電気のからくり』『量子力学のからくり』『真空のからくり』『時空のからくり』『E=mc2のからくり』(いずれも講談社ブルーバックス)などがある。「読者に必ず理解してもらう」意欲にあふれた熱い筆運びで、ブルーバックスを代表する人気著者の一人。1999年には、講談社科学出版賞を受賞した。

「2023年 『重力のからくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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