新装版 マックスウェルの悪魔―確率から物理学へ (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 566
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062573849

作品紹介・あらすじ

マックスウェルの悪魔なら火にかけたヤカンの水を凍らせる。タイムマシンを実現させて過去をよみがえらせ、永久機関を動かして、世間をアッといわせてみせる。人類が滅び、宇宙に終焉が訪れるとすれば、マックスウェルの悪魔こそ、救世主か? ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。(ブルーバックス・2002年9月刊)


※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。

感想・レビュー・書評

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  • 初版は中学生の頃に読んだ記憶があります。図書館にブルーバックスのコーナーがあり、同じく都築卓司さん著者の「タイムマシンの話」と並んで置かれていました。どちらも導入部は面白かったと記憶していますが、途中から専門的な話となり、投げ出してしまいました。

    40年以上経ち、今回再読してみましたが、面白かったです。
    本書は熱力学の第2法則を豊富な寓話を使ってわかりやすく説明します。数あるブルーバックスの中でも、巻末にあるブルーバックス発刊の趣旨に最も近い本と思います。
    感覚的に理解するのが面倒な第2法則を「分離の状態は、やがて混合という結果に追い込まれることを述べたもの」と「追い込まれる」という言葉を使って説明するなど、職人的教授という気がしました。

    面白かったのは、空気が積もらない話。

    「①空気分子はできるだけ位置エネルギーを小さくしたい。そのために地上につもってしまうのが最上の策である。
    ②たくさんの粒子からできている体系は、実現の確率の最も大きな状態になろうとしている。このためには、空気分子は非常に薄く、同じような密度で遥か上空にまで広がるのが得策である」
    そして著者は「両法則の顔をたて」、空気は下に濃く、上に薄く分布すると説明します。

    本書のすごいのは、「マックスウェルの悪魔」という分子を自由に操ることのできる悪魔を登場させ、分子移動の不可逆性を寓話として理解させようとすること。また、これまた理解が難しいエントロピーを金属とゴムの収縮の違いを例にとって説明し、読者に何となく理解した気にさせてしまうこと。40年前、完読しなかったのが悔やまれます。

    なお、エントロピーを理解しても、日常生活に役に立たつことはないと思います。それでも、読書の楽しさを十分に味わえるおすすめの★★★★★。

  • 非常に面白かった。本書の初版が出版されてから、今日に至るまで人類全体のエントロピーは増大し続けている現状を鑑みると、本書の結びにある人類自身がマックスウェルの悪魔となり、自らの救世主となる未来は遠い。

  • 2年前に読んで途中でギブアップしたものをリベンジ。新装版のせいか、今回はまず最後までいけました← まずエントロピーについて理解せねば・・・^^;まだ物理も習いたての自分にとって、難しかったですが内容的には面白かったです。なぜ落ちた物体は上へ行かないのかとか、人間など生物が自分の体を自分の意思で動かせるのには理由がある・・・など、なるほど(?)と思える身近な現象満載でした。またリベンジしたいですw

  • 良くも悪くも、全く考えずにスラスラ読めるといった感じの本。高校生にも、一通り統計力学の計算問題ができるようになった大学生が読んでもそれなりに面白く感じると思う。

  • マックスウェルの悪魔

    身近な科学本レーベル ブルーバックス の真骨頂。

    宇宙の熱的消滅や人類滅亡は フィクションが過ぎる気もするが、自然の脅威 エントロピーと 救世主 マックスウェルの悪魔 という見方は面白い


    イメージしか捉えられないが
    エントロピーは
    *混合、一方通行性、全体主義化
    *情報量が増えていく様子、わからなさの度合い
    *エントロピーは増え続ける〜集団の中では 人間はエントロピーを増大させる


    マックスウェルの悪魔は
    *分離したり個別化したり
    *自然の流れを変える
    *エネルギーは持たないが、分子や原子の動きをコントロールできる


    エントロピーの法則
    *分離から混合の方向へ移行する
    *熱の一方通行性(熱いものから冷たい方向にしか流れない)〜温度差のあるニ気体が接触すれば 平均化する

    エネルギーを持っているとは
    *位置エネルギー(高い位置、引いた弓、伸ばしたバネ)
    *運動エネルギー(物体が走る)
    *熱エネルギー
    *電気エネルギー

    エネルギー保存則(熱力学の第一法則)
    *エネルギーは形を変えることはあっても、全体としての量は一定〜不変性を主張

    熱力学の第二法則
    *分離の状態はやがて混合の状態に追い込まれる〜移動の方向を示す
    *第二法則に対抗するのがマックスウェルの悪魔


    科学にマクロとミクロの学問区分があるとは知らなかった。「同一のものであっても、全体(マクロ)と個々(マクロ)では違う表情を見せる」という言葉は示唆的

  • 純粋に物理の本です。マクスウェルの悪魔とは、エントロピーを減少させることができる不思議な悪魔です。

    たま~に「マクスウェルの悪魔の実験に成功」という記事を見ます。発電の分野などに関して夢のあるお話です。

    物理が好きな人には面白いと思います。

  • ブルーバックスの中でも非常に人気のある1冊です。
    分かりにくいことがとても分かりやすく説明されています。

    理図書 421.4||Ts99 11700339

  • 理数系の話が苦手なため、半分くらいは難しくて分かりませんでしたが、分かる部分は楽しめました。
    70年代に書かれた本なのに、最終章では50年後の現代社会の姿を言い当てているところにドキリとさせられました。

  • wired・科学・第4位

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    【要約】


    【ノート】
    統計力学という分野から、エントロピー、エネルギーといった現象を、鋭く、わかりやすく解説する科学入門書の名著。小学生でもわかる本格学術書の最高峰といえる。

    ◆ユーザーからのコメント
    これ、名著だよねえ。中学生で読んだかなあ。ブルーバックスにそれからハマった/なつかしい『第四間氷期』や『心の社会』なども入っているが、原発のこともあって/これを読んだから物理を選んだ/エントロピーに抗えるのは人の“意思”のみか? すると、“進化”とは即ち意思そのものか、とか/子どものころこの手に触れていると、最近の原発事故に関する報道への見方・方法が変わるんじゃないかしら

  • 『現実世界と統計力学がリンクする!』「分子などの粒子の集団としての振る舞いをその確率から統計的に記述する物理」と説明されて「なにそれ面白そう!」と興味が持てる人間は間違いなく少数派だが、本書はもうこれ一冊で存分に統計力学を楽しむことができる。「コーヒーとミルクってなんで混ざるの?」「お茶はなんで冷めるの?」という小学生にされたら困るような日常の疑問を統計力学的に説明し、そこから一般人がわかるようでわかってない理論上位に位置する熱力学第二法則とエントロピーの話に綺麗につながっていく。そして極めつけにオチのエントロピー社会論。エントロピーが増大し、もはや誰にも全容を把握することができない社会で、個々の負のエントロピーは今後も同じようにエネルギーを正しく消費できるのだろうか。統計力学の教科書を開く前に読むべき一冊。

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著者プロフィール

1928年浜松市生まれ。海軍兵学校、旧制一高から東京文理科大学物理学科へとすすみ、同大学院では統計力学を専攻。物理学の全分野にわたって幅広い知識をもつ。横浜市立大学で教鞭をとり、同大学名誉教授。研究者ではあるが、専門分野以外でも多芸多才。国内の写真なら、一目見て何県何市かがわかるという。ブルーバックスの著作は『四次元の世界』『10歳からの相対性理論』『マックスウェルの悪魔』など17冊(うち共著1冊)。累計300万部を超える。2002年7月惜しくも逝去された。

「2019年 『トポロジー入門 奇妙な図形のからくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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