科学の大発見はなぜ生まれたか―8歳の子供との対話で綴る科学の営み (ブルーバックス)
- 講談社 (2002年12月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062573955
作品紹介・あらすじ
科学の営みとは、「定説」とされる科学理論を正確に理解したうえで、それを批判し、修正していく試みの連続である。理論の反駁に実際に成功し、その誤りを具体的に指摘すれば、それは一つの発見であり、さらにその誤りを克服する新たな理論を提示できれば、もう一つの発見となる。こうして科学の大発見は生まれてきた。
感想・レビュー・書評
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寝る前のフォトリーディング。
起床後の高速リーディング。 -
いまだ科学が哲学と分離する以前の時代から、いかに人々の世界観が変遷し、それに伴って科学の対象や方法論が変化していったのかがよくわかる名著。物理学者の父ヨセフと8歳の子どもアーロンによる対話の形で話が進んでゆく。どもの視点から投げかけられる質問が非常に的を射ており、当時の人々の思考の流れが自然に納得できるところが、この本のユニークさである。科学史の入門書として読むこともできるが、一般の読者のより素朴な好奇心を満たすことのできる本でもある。
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2011.02.23-
古代のギリシャがエデンの園だったと、中世ヨーロッパの人々は信じていた。
ルネサンス的人間とは、自分の頭で考える人。誰もが、自分の頭で考える生活をつくろうと努める人のこと。
中心は決められているのではなく、各人が好きに決めるもの。
何が同じで何が違うのかは、わたしたちはあまりよく知らない。
答えをさがしたくなるのは、問題のある時だけだ。
すべての力は別の力になりうる。すべての力は循環する。
コーエン『近代物理学の誕生』 吉本市訳
アインシュタイン、インフェルト『物理学はいかに創られたか』 石原純訳
コイレ『コスモスの崩壊:閉ざされた世界から無限の宇宙へ』 野沢協訳
クーン『コペルニクス革命』 常石敬一訳
マクドナルド『ファラデー、マクスウェル、ケルビン:電磁気学のパイオニア』 原島鮮訳
シュレーディンガー『自然とギリシャ人:原始論をめぐる古代と現代の対話』 河辺六男訳
シアマ『相対性・重力・宇宙』 林一訳
ポパー『科学的発見の論理』 森博 等訳
ポパー『推測と反駁:科学的知識の発展』 藤本隆志 等訳
バート『コペルニクスからニュートンへ』 市場泰男訳 -
1968年に書かれた物理学史です。ポパーは全く引用されていませんが,ポパーの思想がちらほらと見え隠れする記述になっています。しかし,何らかの事実を扱えないという意味での反証についてではなく,理論内部を吟味していくことによって,科学の大発見は生まれてきたのだということを主張している点では評価できると思います。ただ,訳者は「やりとりは事実であり,知的で早熟だった」と言っているけれども,ここに登場するアーロンという子供とのやりとりはフィクションくさい。「場」という用語すら会話に現れていないのに,アーロンは「力の場だけだ!」などと言う。どんだけ賢いねん!
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[ 内容 ]
科学の営みとは、「定説」とされる科学理論を正確に理解したうえで、それを批判し、修正していく試みの連続である。
理論の反駁に実際に成功し、その誤りを具体的に指摘すれば、それは一つの発見であり、さらにその誤りを克服する新たな理論を提示できれば、もう一つの発見となる。
こうして科学の大発見は生まれてきた。
[ 目次 ]
科学とはそもそも何なのか
アリスタルコスからコペルニクスへ
どうして科学者を信じるの?
ガリレオお手製の望遠鏡
人工衛星というアイデア
重力はどこでも同じなの?それとも少し違うの?
科学と迷信
物理学におけるもっとも重要な問い
世界は何か他のものでできているとだれもが思う
プラトンからデカルトへ〔ほか〕
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