「分かりやすい話し方」の技術―言いたいことを相手に確実に伝える15の方法 (ブルーバックス)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062574785

作品紹介・あらすじ

あなたの言っていること相手にちゃんと伝わっていますか?言いたいことが相手に伝わらないのには「理由」があります。その「理由」を正しく認識し、話し方を少し工夫するだけでどんな口下手な人でも、分かりやすく話すことができます。NHKアナウンサー、代議士秘書、医師と、さまざまな職業でマルチな才能を発揮してきた著者が、秘伝の矢印メモを駆使して分かりやすく話す15のテクニックを伝授します。

感想・レビュー・書評

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  • 良書 ブルーバックスの「分かりやすい」シリーズ

    書くとわかるのに、言うと伝わらない、なんと不思議なものでしょう

    本書のメッセージは、次のとおりです。合理的で適切な対策をとれば、だれでも、分かりやすく話せますよというものです。

    相手に内容が伝わらないのは、話し手の中に分かりやすさを妨げている具体的な原因が必ずあるからです。ですから、その原因を突き止めて取り除くことが、合理的な解決策なのです。
    なぜ相手に伝わらないのか、問題の本質を明らかにし、原因を合理的な方法を用いて正確に診断すること。その上で、適切な対策をとること。この二段階をそれぞれしっかりと行えば、どなたでも、分かりやすく話すことができるようになる。

    そのための道具として、矢印メモを提案しています

    気になったことは以下です。

    ■矢印メモで分かりにくい話し方の原因を探れ
    ・一般常識を兼ね備えた社会人や学生なら、書き言葉としては決して作文しない低レベルの文章を、大半の人は話し言葉としては平気で話しています
    ・なぜか、紙にかかれた文章はじっくりと吟味ができます。書き手は注意深く、推敲することが可能です。また、相手も何度でも読み返すことができるので、少々分かりにくい文章であっても、理解することが可能です。
    ・それに比べて、話し言葉は、一回きりで消えてなくなる、その場かぎりのものです。
    ・矢印メモ ルールは次の4つだけです
     主語と述語 修飾語と非修飾語の関係は ⇒
     文と文の間の因果関係は、→
     キーワードが相反する概念や対比される関係は、 ⇔
     文と文が相反する概念や対比される関係は ↔
    ・分かりやすく伝えようと思えば思うほど、文の要素は増加します。その分、うまく処理しないと構文はより複雑になる危険性を伴います。
    ・もっともシンブルな文、それは、一組の主語と述語だけで文を簡潔させることです。
    ・これを矢印メモで表せば 主語⇒述語 となります。

    ・簡単な文は、紙に書かれた文として読むと、幼稚だと感じる。
    ・書き言葉は平易な文章でも、声に出して読むと難しく聞こえます
    ・つまり耳で聞いて分かりやすい文章は、目で読むと分かりやす過ぎて、幼稚に感じるのです。

    ・主語と述語が入れ替わっていると分かりにくい。
    ・既知情報を主語に、新情報を述語にする。は話し言葉の黄金則です。
    ・分かりやすく話ためには、主語としてすでに知っている情報を先に示した上で、述語に新しい情報をもってくるように心がけてください。

    ・一列にならんだ情報は多くても、次々に理解ができる。情報を効率的に脳に取り込むには、うってつけの方法です。

    ・自分の情報を相手に押し付けない。
    ・聞き手の常識は、話し手の常識とは、イコールではないことを決して忘れてはいけません。
    ・聞き手にとって何が新情報なのか、何が既知情報なのかがわかれば、事前にさまざまな対策がとれます。

    ・漢字が羅列されていると聞き手には伝わりにくい ⇒ だから、とことん分解する
    ・漢字の羅列は分かりにくいだけではなく、聞き手に誤解を招く恐れもあります。

    ・ですが、ですが、ですが でおわらない。 ので、ので、のでで終わらない 文が多い。
    ・これは、頭の中で情報内容の構造化ができていないのが原因。語尾があいまいだと、文の意味自体も曖昧になってしまう。
    ・接続詞で、文と文の関係を示せるのであれば、優先的に接続詞を利用してください。

    ・話のテーマがあっちへこっちへ行ったり来たりすると、聞き手には何がいいたいのか伝わらない
    ・構成がしっかりしていなければ、スピーチは支離滅裂になってしまいます。

    ・最も主張したいことを構成の骨組みとする。
    ・提案や主張は現状に何か問題があるから行うものです。そこで次にそれが何なのかを考えます。これだけで、スピーチの骨組みは完成です。後は、説得力を持たせるためには、根拠や実例を使加えていけばいい。

    ■「要は何を言いたいんだ」と言われないための、話の展開術
    ・結論を先に言え
    ・意識的に「結論をまず先に述べる」よう心掛ける必要がある
    ・いつまでたっても結論がわからない ⇒ だから、「結論を最初に申し上げます」

    ・必要以上に細かいことをしゃべろうとすると話が長くなる
    ・重要でない情報は話さない
    ・ピラミッド型メモを創り、情報の重要度が高いものから話していく
    ・持ち時間に合わせて、重要な情報から先に説明する

    ・話の全体像がみえないと、聞き手は集中力を維持できない
    ・話し言葉は話が終わるまで、全体像が俯瞰できない。
    ・要約せよ。正しく要約ができるということは、文全体の構造を正しく理解できているということだ
    ・重要な情報を箇条書きにせよ
    ・孤立している情報、無関係な項目を削除する

    ・企画が採用されやすいのは、内容がいいからではない。説得力があるから
    ・聞き手への配慮がないと、説得力がない。聞き手に不足している情報をまず、補足せよ
    ・聞き手の立場になって、独りよがりになっていないかをチェックせよ。人の振り見て我が振り直せ

    ・あらかじめ知識のない人に聞いてもらうといい
    ・わすれてはならないのは、話し手と聞き手の間には、認識にギャップがあることだ
    ・知識を深めれば深めるほど、反対に説得力を損なうという危険性も高まる

    ・ピンとこない。もっと具体的に話せ
    ・言葉の映像化:情景が浮かぶように話せ

    ■ちょっとした工夫で格段に分かりやすく話せるテクニック
    ・原稿を棒読みしても伝わらない。間、強弱、イントネーションがないと伝達能力が低下する
    ・原稿をど忘れしてしまうのは、構成にも問題がある。話が一本道であれば、覚えやすい。
    ・忘れるのであれば、てのひらに、メモを書いて置け
    ・原稿のどこをよんでいるのかわからなくなる ⇒ 大原則は、一文ごとに必ず改行する。そして横書きしておく

    ・言葉による説明と、プレゼン画面があっていない。画面のどの部分の説明かわからない
     ⇒聞き手は、画面に対する集中力が低下してしまう。画面の中から、説明されている項目を探すのが馬鹿らしくなってしまう。
    ・コメントを工夫し、要所要所で、客の視線を集めなければならないシーンがある

    目次

    はじめに
    Ⅰ 矢印メモで分かりにくい話し方の原因を探れ
     カルテ1 構文が複雑すぎて聞き手が理解できない
     カルテ2 主語と述語が逆転している
     カルテ3 漢字がぞろぞろ続いてチンプンカンプン
     カルテ4 「ですが、ですが」でつないでしまって文が終わらない
     カルテ5 話のテーマがあっちへ行ったりこっちへ来たりと一貫性がない
    Ⅱ 「要は何を言いたいんだ」と言われないための、話の展開術
     カルテ6 いつまでたっても結論が分からない
     カルテ7 話が長くて、聞き手にストレスを与えてしまう
     カルテ8 話の全体像が見えない
     カルテ9 話に説得力がない
     カルテ10 話が抽象的でピンと来ない
    Ⅲ ちょっとした工夫で格段に分かりやすく話せるテクニック
     カルテ11 原稿を丸読みして、一本調子に聞こえる
     カルテ12 丸暗記したのに、上手にスピーチできない
     カルテ13 頭の中が真っ白になり、ど忘れしてしまう
     カルテ14 とっさに、原稿のどこを読めばいいかわからなくなる
     カルテ15 ビジュアルプレゼンテーションが効果的でない

    ISBN:9784062574785
    出版社:講談社
    判型:新書
    ページ数:192ページ
    定価:800円(本体)
    発売日:2007年02月28日第6刷

  • 分かりやすく面白い。
    実践出来そうな気になる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「分かりやすく面白い。」
      へぇ~
      そんな風に喋れたら、人に好印象を与えそうだな!読む本の予定に入れておこう。。。
      「分かりやすく面白い。」
      へぇ~
      そんな風に喋れたら、人に好印象を与えそうだな!読む本の予定に入れておこう。。。
      2014/05/23
    • mow168さん
      吉田さんの著作はどれも明快でなるほどと思うことが多いですね。実践は・・出来たらいいなぁ(笑)
      吉田さんの著作はどれも明快でなるほどと思うことが多いですね。実践は・・出来たらいいなぁ(笑)
      2014/05/24
  • 矢印メモとか、なんとなく論理的読解のときによく見るものだと思ったし、これまで通りスムーズのは実践できなかった。話の内容が被っているところが多かったが、具体例はイメージしやすく書かれていて面白かった。

  • 809-Y
    閲覧新書

  • 個人的に困ってた内容に対する対処のいわば薬のように読んだ本だった。
    本書で繰り返されている‘矢印メモ’は主述の関係と因果関係の二点から論理構成をヴィジュアル化するというもの。
    学んだことは、話を一本道にすること。最も主張したいことを骨組みとし、そこに肉付けをすること。アジェンダを作り無駄を省くこと。この三点である。

  • 矢印メモは今後アレンジして活用する。

    以下、要点
    • 主-述、修飾-被修飾、因果、対比の関係性を意識
    • ピラミッド構造を意識
    • 既知情報→新情報
    • 結論ファースト

  • 下記URLより閲覧できます※学内限定。ただし学認を利用すれば学外も可
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000028163

  • 矢印メモで情報を整理すると話しやすい。

    相手が既に知っていること→新情報
    で飲み込みやすい。

    サブタイトルにあるようにこういった15の方法が説明されている。
    矢印メモは本書で初めてみた。
    作者のように聞きながら組み立てるのは難しいかもしれない。
    だが、自分の言いたいことを整理することならできそうだ。

  • プレゼンテーションに苦手意識を持っている方にオススメの一冊。元NHKアナウンサーである自らの経験をもとに、「言いたいこと」を効率的に伝えるコツがわかりやすくまとめられている。著者の提唱する「矢印メモ」は、プレゼンテーションの構成を考える時だけでなく、発表時の原稿代わりとしても役立つことだろう。
    (機械科学科 B4)

  • 著者は、元NHKアナウンサー、元衆議院議員公設秘書、医師の肩書きをもつ。

    メモの取り方、また会話時の文構成と整理方法。
    会話が長くなるケースへの対策。説得力をつけるためのテクニック。
    発生のポイントを整理している。

    話を要約し、Twitterのように無駄を省き、シンプルな一本道の短文構成にすることで、会話の技術が向上するとしている。

    すでに様々なところで断片的に指摘されている事項が多いと感じたが、会話時の文構成についての短文形式を意識するというポイントは参考になった。確かに、頭がいい人はそういう話し方をする印象。

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著者プロフィール

医学博士・心療内科医師。本郷赤門前クリニック院長。新宿ストレスクリニック顧問。1964年生まれ。灘高校、東京大学卒業。東京大学大学院医学博士課程を修了。現在、脳科学とメンタル医学を活用した診療に携わる一方、TV・ラジオ・雑誌・WEBなどメディアに多数出演中。

「2019年 『「ついつい先送りしてしまう」がなくなる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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