新しい高校化学の教科書―現代人のための高校理科 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 420
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062575089

作品紹介・あらすじ

これだけは学んでおきたい!
現代人のための「検定外教科書」
現代社会で生きるために必須の科学的素養が身につく

読んでわかるから面白い!現代人に必須の科学的素養が身につく検定外高校化学教科書

<本シリーズの特長>
●高校理科の内容の羅列でなく、「これだけは」というものにしぼった。
●丁寧な説明を心がけ、「読んでわかる」ことにこだわり抜いた。
●「なるほど、そういうことか!」と思わず膝を打つところが随所にある。
●クイズやコラムで、最後まで飽きさせない工夫をした。
●持ち運びに便利なコンパクトサイズ。

感想・レビュー・書評

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  • 高校の時嫌いだった化学に挑戦。
    だらだらと行きつ戻りつしながら読んだ。
    第1章の原子から第5章の無機物質までは学生時代と同様楽しめた。分子量や状態方程式など、昔よりもよく理解できる。

    第6章有機化合物にきて(しばらく読まずにとっておいた)、当時未熟な自分は「ベンゼン環を持つとか持たないとかマジどうでもいいんだけど」と思ったことを思い出す。

    しかしあれからちょっとは賢くなった自分は、いや生物はみんな有機化合物からできているのであり、有機化合物について知ることは自分自身を知るということなのだとみずからに言い聞かせる(酸素分子が結びつく向きが変わるだけで名前も変わることにイライラしつつ)。DNAだって高分子有機化合物だ。

    しかし第7章高分子化合物にきて、生体を構成する高分子についてはかなり感心しながら熟読したものの、プラスチックの化学とか洗剤の話になると、お世話になっているにもかかわらず、自分が明らかに関心を失っているのがわかる。

    そしてお世話になっているにもかかわらず、「狂っている」という言葉が頭のなかで点滅しだした。工業製品などで使われている物質について知れば知るほどに、すごく恐ろしいことをしているのではないかと訝しく思われてきた。

    とはいえもはや手遅れである。環境への影響などもちょっと心配になってきて、人類が滅びるのが先か、それとも大きな方向転換がなされるのが先か、などと考え始めてしまった。が、こうなったら一蓮托生である。

    たまたま自分は化学と相性がよくなかったが、この膨大な化学の知識を手に入れたら、中毒みたいになって、有機化合物をいじくりまわしてみたくなったり、それをもとに世界のすべてを判断したくなるだろうなとも思った。

  • わかりやすくて良い。高校のときは化学やら数学やら詰め込まれて消化不良気味だったが、大人になってのんびりこうした本を読むと楽しい。こうした科学系の勉強は本来楽しいはずだが、それを無理のある詰め込みでやってしまうと楽しくなくなるんだろうなと思う。

  • <a href="http://mediamarker.net/u/akasen/?asin=4062575914"target="_blank">中学理科の教科書</a>の3倍くらいの時間かけてやっと読了。中学の方は現実社会との繋がる部分も多くてそのまま楽しめる部分が多かったが、高校化学の教科書の方は"トランス異性体”や”オストワルト法”などの『用語を如何に説明するか』が中心で、それが存在する意味、発見された経緯、世界への影響度などが不明のため感情移入できず、入り込みにくい。化学式に関しても、電子の受け渡しやエネルギーの譲渡で左辺から右辺への動きが理解できても、ナトリウムフェノキシドとフェノールの違いなんてどうにもイメージできない。もうちょっと焦点を絞って、例えば病気とか料理とかを化学式の変化で追えたら興味を持って理解できそうな気がするので、そういう本を探してみよう。周期律表を”美しい”と思えるようになるには、まだまだかかりそうだ。

  • -528

  • 十年一昔と言うがまさに一昔前の出版。高校で化学を習ったのは大昔。記憶を辿りながら読み進めるが、有機化学は圧巻。自然界にない化合物を合成していくことで生活が変わってきた反面、人工的リスクが生み出されていく。分子レベルで決定されていく不思議さに魅了されつつ、深い謎に想いを馳せる。

  • 高校レベルの化学についての通読書。

    約20年前に高校生だった自分が読んでの正直な感想は「自分は化学をわかってなかったし、わかってない」。細かい知識を覚えていないのは当たり前、ただそれ以上に「なんで、ここを覚えておかなければならないのか?」という肝の部分が分かっていない。
    それがこの一冊で理解できるのか、と言われると正直微妙なんだけど…細かい具体的な化学問題・知識で飲み込めないものが出たとき、この本に書かれているような「教科書的な知識の肝」を再確認すれば、いろんなものが理解しやすくなるかも知れない、そんな風に思った。

    第8章「人間と化学のかかわり」も印象的な章。
    ジャンル分けするなら「環境化学」や「生化学」に相当する部分。20年前も軽く触れられてはいたし、多分今の教科書でもそこまで詳しくやるわけでもないんだろう。ただ、少なくとも20年前は教科書レベルでここまで自信をもって言い切れる本は少なかった。時代は変わったんだな、と。

    コラムなどの読み物で、教科書的知識を深める工夫も多く。「化学はやったけど…わからんかったな~」という人におすすめの一冊です。

  • 2014/12/21 読了

  • 【配置場所】工大新書B【請求記号】430||S【配置場所】91051762

  • p302 化学物質としてのアルコール=ヒドロキシ基(OH)を持つ有機化合物→560万種類以上

    p285 二重結合→二本の串に刺した焼き鳥

    p274 官能基(functional group) =有機化合物の機能的な性質(化学反応性)を決める(例)ヒドロキシ基(OH)など)

    p273 「亀の甲」→ベンゼン環

    p234-235 酸素分子の構造は側面的にしか式にあらわせない

    p228-229 物質=金属、イオン性物質(イオン性化合物)、分子性物質

    p185 電子のやり取りが酸化(物質と酸素の反応)と同じなら、酸素がかかわらない反応も酸化とする→※酸化、還元は電子のやり取り

    p172- 酸(水溶液中で水素イオン(オキソニウムイオン)を与える)、アルカリ/塩基(酸の性質を打ち消す、中和して塩と水を)

    p158 素反応 ※化学変化はいくつもの反応から成り立つ!

    p150 ※原子同士の結びつきが弱い→たくさんの化学エネルギーが蓄えられている

    ※原子、分子レベルでみると、凝固点降下などいろいろ理解しやすいのでは?[p135など]

    p129 炭酸飲料のふたを開けると泡が出る→ヘンリーの法則。

    ※やっぱり、常に水、そして水素(原子)が基準。科学は基準が大切。メートルはフランス革命のときだっけ?

    p119 ヘリウムの超流動

    p115 例)東京スカイツリーの地上階から最上階まで一気にあがると耳が痛くなる。→ボイルの法則によると、P×V=一定(気体の圧力Pと体積Vの積は一定)。したがって最上階の気圧は地上階より低いので、体積が増えて耳が痛くなる。

    p85 水素結合は弱い結合なのに強い力?→分子間力よりははるかに強い

    p75 高いエネルギーを持つ物質は小さいエネルギーになろうとする→安定な状態。※重心を低くすると倒れにくくなるのとおなじ

    p53 電子殻は内側から(エネルギーが低くて安定しているので)順に満たされていく。※3,4階(M、N殻)の満たされ方が複雑(8個まではすぐに満たされるが、次の2個は4階(N殻)に、次から戻って順次満たす)

    p43-48 束で考える(ダースなどの)→アボガドロ定数個(6.0×10の23乗個)=1mol
    ※水素原子の質量を基準
    例)炭素原子C1molで12g

    p28- 水素原子一個が直径200m程度とすると、原子核は直径1mm!!

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著者プロフィール

左巻健男
1949年生まれ。東京大学非常勤講師。元法政大学教授。『RikaTan(理科の探検)』誌編集長。
千葉大学教育学部理科専攻(物理化学研究室)を卒業後、東京学芸大学大学院教育学研究
科理科教育専攻物理化学講座を修了。
専門は理科教育、科学コミュニケーション。
主な著書に、ベストセラー『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』(ダイヤ
モンド社)ほか、『学校に入り込むニセ科学』(平凡社)、『おもしろ理科授業の極意: 未知への探究で好奇心をかき立てる感動の理科授業』(東京書籍)、『面白くて眠れなくなる物理』(PHP研究所)、『中学生にもわかる化学史』(筑摩書房)などがある。

「2022年 『世界が驚く日本のすごい科学と技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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