進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)
- 講談社 (2007年1月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062575386
感想・レビュー・書評
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痺れるほど面白かった…!こういう科学とか物理の本もっと読もう。
記憶の曖昧さの話と、昨日読んだ落合氏の本の「フック」の話が自分の中ではつながった。
曖昧だけど取り出し可能な記憶=フックかな、と。
この記憶=フックを色んなところに引っ掛けておくことで、曖昧さから柔軟性が生まれて、新しい思考に繋がるのかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もうだいぶ古くなってしまいましたが、デイビッド・J・リンデンの著作「脳はいい加減にできている」を評価しているということだから、これは読まねばと思い、中古本を書いました。やはり期待に違わない著作。脳は、まだまだわからないことだらけで永遠にわからないこともたくさんあるだろうということを匂わせつつ、当時の最新の学説をわかりやすく解説するとともに、哲学のテーマでもある「自分とは?」「意識とは?」にも積極的に解明しようとトライしてる感じがとても好印象でした。
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先輩からのおススメ&レンタルで読了。
文系アタマには??の部分もあったので、自分なりに理解できる範囲で読み進めましたが、刊行されてから10年以上経つというのに、ものすごく新鮮。今では当時よりさらに研究も進んでいるのでしょうが、それでもまだ進んでいない脳科学ジャンルがあるかもしれません。
ほんの数年前まで、人工知能といっても日常生活に入ってくるのはまだまだ先のことと思っていたけれど、自動車やちょっとしたアプリ、ネットの世界などでは、どうやら私たちも知らないうちに人工知能の恩恵を受けているらしい。そんな時代故か、そもそも人間の脳ってどうなっているんだろう、コンピュータと人間の脳って、いったい何が違うんだろう…人工知能に取って代わることのない人間の能力って、いったい何なんだろう、そんなことをふんわり思い巡らせることも出てきました。私には、今だからこそ興味深く読めた本かも。
本を読んで特に興味深かったポイントは以下。
・脳の「地図」は、脳ではなくて身体が決めている。脳は実はもっと大きな可能性を持っているが、人間の「身体」の限界ゆえに、脳はその持てる力の大半を使わずにいる。
・意識、とは、表現を選択できること。言葉があるからこそ、人間は多様な選択肢を持ち、その中から選択した表現ができる。
・抽象的なものが存在していてそれを脳が理解しているのではなく、言葉があるからこそ、抽象的なものを意識し、他者と共有することができる。
・人間が人間らしくあるのは、曖昧さがあるから。機械は「正しく」記憶できるが、その記憶に柔軟性はない。人間の記憶が曖昧であるからこそ、時に覚えられないからこそ、情報を汎化することができる。
・アルツハイマー病の仕組み。長寿になったからこそ、アルツハイマー病は淘汰されずに残った。
・睡眠の意味。 -
まるで近未来SFの序章のようなタイトルだが、副題の通り、中高生向けの脳科学紹介が主題。
脳構造の進化や脳内物質の化学的機能を細かに語るのではなく、意識や視覚、記憶の実態など、機能を中心に講義形式でわかりやすく解説される。
なかでも特筆されるのは、肉体とのつながりについて。
肉体を支配する司令塔と思われている脳が、いかに肉体に支配され、肉体とともに成長するのか。
なぜ脳のサイズが等しいイルカは人間ほどの知能を持たないのか、なぜイカやタコは小さい脳で多数の手足を動かせるのか。
『人間の脳は3%しか使われていない』みたいな都市伝説は最近では下火になったが、例えば脳波で動かす義手を子供の頃から装着した場合、脳構造は大きく変化する余地を残しているかもしれない。
しばし脳力とは記憶力と同一視して語られることがあるが、記憶は正確でないからこそ、特徴を抽出し、意味を見出し、状況を理解することを可能とする。
どの脳力が優れているか、どう役立つかは時代によって変わる。人には得意・不得意、向き・不向きがあることはどうしようもないが、せめてこの本を楽しんで読めるという奇跡は忘れないでいたい。 -
夫からのオススメで読みました。
大変面白い!
脳の概念が覆されました。
脳は体によって制限されているという事実。
意識自体がとても曖昧だということ。
感覚器はとても曖昧で、我々は脳が作り出した想像の世界の中で少しの感覚によって生きているということ。
色んなことが驚きだった。
色んなことが自分の思い込みなんじゃないかと思わされた一冊。 -
著者は脳科学をガチで研究している方なので、頭モジャモジャのビジネス脳科学者とはちょっと違います。
高校生に対して授業をしているという体で(もしくは本当にした?)話が進みます。かと言って話が冗長でわかりにくいかというと全くそんなことはなく、内容がスルスル頭に入ってきます。
色を司る第4次視覚野が壊れると世界が白黒に見えるとか、物の動きを司る第五次視覚野が壊れると動いているものが見えなくなるといった話がとても興味深かったです(現実にこのような人がいるようです)。
あと、目の解像度は100万画素くらいなのに、なぜくっきりきれいに滑らかに見えるのかとか、盲点の話など、全ては脳が勝手に補完しているからそのように見えるという話も個人的にはかなり「へぇ~」でした。
2007年の本なので、現在はもっと進んでいると思いますが、脳について知りたいと思ったら読むべきです。 -
普通に生活してて考えた一部のことの答えになるかもしれない
非常に読みやすく脳科学の入門に読むのに特に適していると思う
エンタメとしても面白く意外なことがたくさん詰まっている -
とっってもおすすめ。
池谷先生の本は、全部面白い。 -
面白い。
難しい話なのに読みやすい。
この著者好き。