生命のセントラルドグマ―RNAがおりなす分子生物学の中心教義 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
3.24
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本棚登録 : 86
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062575447

作品紹介・あらすじ

私たちが生きているのは、遺伝子からつねにタンパク質が作られ続けているから。このとき、DNAの遺伝情報は、いったんRNAという物質にコピーされタンパク質に翻訳される。この流れが「分子生物学のセントラルドグマ」といわれるものだ。その主役はRNA。多彩なしくみでなりたつセントラルドグマの世界を、RNAを中心にわかりやすく解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 理化学研究所のサイエンス・カフェに参加して初めて知った言葉であるセントラルドグマ。せっかくなのでカフェが終わったあと会場である図書館で借りたのがこの本である。入門書というレビューも読書メータを見ると書かれているが、私にとってはまだまだ難しく感じた。遺伝情報が「DNA→(転写)→mRNA→(翻訳)→タンパク質」の順に伝達される分子生物学の概念をセントラルドグマということは、この本の喩え話とともにわかったのだが、踏み込んだ内容については理解できなかった。もう一歩優しいセントラルドグマの本を探してみたい。

  • 細胞のはたらきを支える"裏方"はあくまでもRNAである。

    視点を変えればRNAの働きこそが生命現象の本質であり、そのなかでDNAはたんなる出発点にすぎず、タンパク質はたんなる終着駅にすぎない。

  • 「生命のセントラル・ドグマ RNAがおりなす分子生物学の中心教義」武村政春
    ブルーバックス・生物学。
    棚-ubjap

    徹底的にRNAについて取り上げた入門書。DNAと比べて知名度が低いけど、何とダイナミックなことよ。
    DNAが設計図なら、RNAはその周りで立ち振舞う職人さんのイメージ。
    ただDNAに忠実に、タンパク質を作っているだけじゃないってのは初めて知りました。

    各節ごとに、結構こじつけな導入部(笑)から、読ませるテーマを出して、図を織り交ぜながら専門用語もたくさん出て来て…と、構成が非常によろしいです。すんなり読み通すことができました。
    自分は高校生の時にブルーバックスの物理を読みふけって、好きだったんですが、こういった本との出会いで若き知的好奇心が湧いてくるんだよなあ。良書です。(4)

    -----
    @全体として、[分子生物学]に関する本
    @[真核細胞のタンパク質合成の仕組み]について、[RNAの働きを中心に生化学的に]詳しく述べている
    @[構成] DNAからmRNAへの遺伝子の転写について → mRNAが編集されて遺伝子が整形される → mRNAからタンパク質が合成される → その他RNAに関する最新の研究結果の紹介

  • またまたブルーバックス。

    本書はクリックが提唱した
    DNA→mRNA→Protein
    の流れの中で脇役と言われていたRNAに注目した本です。

    周知の通り、昨年度のノーベル化学賞、医学生理学賞でRNA関連の受賞があったことからもはや脇役ではなく、生命現象を大きく動かしている可能性すらある存在です。

    そんなRNAを転写、翻訳のような基本からRNA編集やRNA干渉(←医学生理学賞の対象)まで解説しています。

    専門書ほどではないですが、取っ掛かりにはもってこいだと思います。厚い教科書を読むよりも気楽に、でも大事なことを押さえられます。

    ある程度、生命科学を知らないと難しいかもしれません。しかし、RNAがいかに重要な役割をしているかを感じることはできます!!

  • DNA→mRNA→タンパク質という「セントラルドグマ」の基本原理について丁寧に解説した本。

    転写から翻訳に至るまでの一連の分子メカニズムについて、とても分かりやすく解説されていました。本書で紹介されている生命現象は実に巧妙な仕組みのもとで行われており、生命が長い年月をかけてこれらを形作ってきたことを思い知らされました。

    少し古い本ですが、分厚い分子生物学関連の専門書に入る前の取っ掛かりに最適な本だと思います。

  • 2021年9月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00233562

  • 「分子生物学のセントラルドグマ」っつーとDNAばかり脚光を浴びがちだけど、RNAにフォーカスした本。遺伝情報の伝達方法についての本は世にゴマンとあるけど、これは珍しいと思う。

    mRNA前駆体やらRNAポリメラーゼやらサブユニットやらスプライソソームやら核膜孔複合体やら…DNA目線(DNAに目はないけど〜笑)だとサラッと流されてた部分が詳細に説明されている。

    うん、懇切丁寧なんだけど。すみません、丁寧過ぎて、転写→編集でお腹一杯。翻訳部分は流しちまったい。
    アンチセンス阻害とかRNA干渉とか、ココからがキモな気がするのでいつかリトライしよう。

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著者プロフィール

武村政春(たけむら・まさはる)
東京理科大学教授。
巨大ウイルスの生態と進化にオタク的興味をもつ。
真核生物の起源にも多大なる興味。
現在は筋肉(筋トレは趣味ではなく、そのための単なる方法に過ぎない)にも大いなる興味をもっている。
もともとの専門は生化学とか分子生物学とか。
2001年細胞核ウイルス起源説を提唱。
2019年メドゥーサウイルスを発見。
出身は三重県津市。
1998年名古屋大学大学院医学研究科修了。
博士(医学)。

「2022年 『ウイルスの進化史を考える ~「巨大ウイルス」研究者がエヴィデンスを基に妄想ばなしを語ってみた~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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