本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784062576260
作品紹介・あらすじ
ヒトが病気になるのは、進化による必然だった! 感染症、遺伝的疾患、生活習慣病……。「病気」はヒトにとって不都合であるように思えるが、その症状の多くは身体を守るための防御反応であるということ、また、病気の原因遺伝子にはヒトが生き延びるために有益なものがあったということがわかってきた。進化論をもとにした「ダーウィン医学」によって明らかになりつつある、病気があることの意味を豊富な例とともに平易に解説。
風邪を薬で治そうとすると、「ぶり返し」が起こりやすい!
新しい「病気とのつきあい方」を身につけよう
ヒトが病気になるのは、進化による必然だった!
感染症、遺伝的疾患、生活習慣病……。「病気」はヒトにとって不都合であるように思えるが、その症状の多くは身体を守るための防御反応であるということ、また、病気の原因遺伝子にはヒトが生き延びるために有益なものがあったということがわかってきた。進化論をもとにした「ダーウィン医学」によって明らかになりつつある、病気があることの意味を豊富な例とともに平易に解説。
「ダーウィン医学」は、医師のネシーと進化生物学者のウィリアムズによって1991年に提唱された。進化論をもとに、病気を中心とした、ヒトの身体に起こる不都合の意味を探り、治療・解決法の手がかりとすることをめざしている。ダーウィン医学が示す、ヒトの自然治癒力を生かすことの必要性や現代の医療が抱える問題点から、新しい「病気とのつきあい方」が見えてくる。
みんなの感想まとめ
病気の背後にある進化のメカニズムを解明する本書は、ダーウィン医学という新たな視点から、病気の意味を考察しています。進化生物学の観点から、感染症や遺伝的疾患、生活習慣病など、さまざまな病気がどのようにヒ...
感想・レビュー・書評
-
コメント0件をすべて表示
-
進化学的観点から様々な病気について考察した本。誰にでも分かりやすく書かれていて、読みやすいです。
本書の主題であるダーウィン医学とは、その病気がなぜあるのかを生物の歴史の中から解き明かし、病気そのものの進化学的意味を問う新しい学問であると筆者は主張しています。
第二章では、風邪によって体に起こる症状の意義や薬の効果が分かりやすく説明されており、現在の状況で、誰もが理解するべき内容であると思いました。
遺伝子の人為的選択は、遺伝子の多様性を保護するという点から、人類の今後最大の課題であると感じました。 -
正直知ってるぞ、とか、当たり前じゃないか、と思うことが割と多く載っており、これは初心者向け…本当に生物学の知識があまりない人向けの入門書なのだろうなと思った。風邪を引いた時の色んな諸症状にはちゃんと理由があるんですよ、ということを知らない人が読むとへーと思うことが多いかと思う。
-
サイエンス
-
1月9日 風邪の日
-
生物学的な病気の意義がざっくり分かる。他の細菌やウイルスなどとの関係も考慮しないと本当の医学は見えてこない。個々の病気の掘り下げ方が浅いので、あくまでも入門書の位置付け。
・人の身体を構成する細胞数が60兆個。腸内細菌は100兆個。糞便の約半分は腸内細菌とその死骸。
・臆病や不安になりやすい性質は生き残るために有利な性質。
・遺伝子の働きというのは常に環境との相互作用で決まるものであり、特定の環境では生存に有利だった遺伝子が異なる環境のもとでは新しい病気の原因になったりすることもある。
・つわりは胎児を守り安全な出産を確保するために進化した性質。 -
よかった。。
-
栃内新(1951年~)氏は、北大理学部卒、同大学院理学研究科博士課程修了、同大学院理学研究院元教授の生物学者。専門は多様性生物学。
本書は、「ダーウィン医学」についてわかりやすく解説したものであるが、あまり聞き慣れない「ダーウィン医学」とは「進化医学」とも呼ばれ、概ね以下のようなものである。
◆米国の医師ランドルフ・ネシーと米国の進化生物学者ジョージ・ウィリアムスによって1991年に提唱された、極めて新しい学問分野。
◆ヒトという生物にとって病気とはどういうものなのかを、ヒトと病原生物の両者の視点を基礎に進化生物学・生態学的に読み解き、病気をより良く理解し、病気とともに進化してきたヒトという生物を理解しようとする。
◆一見不都合に思える病気の諸症状の多くの原因は、自然選択の結果、現在のヒトに引き継がれてきたものであり、それらはヒトの進化にとって有利な意味を持っている、或いは過去において有利な意味を持っていたということを明らかにする。
そして、まず、最も身近な病気である風邪を取り上げ、発熱、咳、鼻水のような症状が何故起こるのか、医者で処方される多数の薬の意味は何か、風邪は本来どのように治すのが望ましいか、を解説している。
次に、AIDSやエボラ出血熱のような「感染症」について、ウイルスや細菌のような病原体とヒトの永遠の進化の競争であること、生活習慣病やアレルギーのような「文明病」について、ヒトの生活環境の変化がヒトの進化を超えるスピードで進んだことによるものであること、「遺伝病」について、病気の遺伝子もヒトが生き延びるために有益であったものもあり、病気の遺伝子を治療するという安易な姿勢な避けるベきであること、などが説明されている。
「病気は治療するべきもの」という現代医学のあり方と、そもそも”治療”とはどういうことなのかについて、改めて考えさせてくれる良書である。
(2014年2月了) -
2015年11月新着
-
-
病気の症状は、人間が病原菌などに対抗するために起こるもの。解熱剤で体温を下げるとウイルスを殺すことができなくなるなど、対症療法の薬は人間の自然治癒力を妨げることになる。
抗生物質は、カビなどが他の微生物の生育を阻害するためにつくるもの。細菌やカビが分裂する時に細胞壁をつくる過程を阻害したり、細菌のmRNAの遺伝情報を読み取るリボソームに働きかけて蛋白質合成を阻害するため、ヒトには害を与えない。
抗ウイルス剤のタミフルやリレンザは、インフルエンザ・ウイルスに感染した細胞から増殖したウイルスが飛び出すときに必要な酵素の働きを阻害する。10代の子どもに異常行動の副作用が疑われ、厚生労働省の疫学研究班は因果関係は認められないと報告したが、異論もあって結論は出ていない。
「迷惑な進化</a>」がおもしろかったのでこちらも読んでみたが、ブルーバックスにしては軽い内容だった。 -
「進化医学」またの名を「ダーウィン医学」を紹介する本。ダーウィン医学は、医学とは異なり、直接的に治療法を生みだすというよりも、ヒトの病気の意味を進化の視点から解き明かそうとする生物学。人に免疫力があるのは、外敵から守るシステムが進化して出来たという説だ。その仕組みを知る事によりむやみに薬に頼ることを無くす。風邪を引いた時にどうすればいいのかということを教えてくれる。
-
面白かったです。
臓器移植という免疫に反した医療はips細胞、es細胞など抜本的な医療が確立するまでの過渡的な医療、なるほど。
また、母胎提供という、それまで生物が想定してこなかった不妊治療やデザインベビーに関する気味の悪い話も参考になりました。生物としては、産めない個体は淘汰されていくのが自然なのだよな‥‥そうはいっても、難しい。
しかしエイズに抵抗をもった人種がいるとは‥‥しかもそれって男性だけなんですかね?ゲイだけだったら意味がないという言い方はあれですが、結局エイズ抵抗遺伝子を持った進化できないw
天使が翼を背中にもっているが、あれは進化学的には無理がある、手の器用さを手離し鳥は翼を手に入れた、というのも面白かった。
また人類は二足歩行のために骨盤が進化し、出産が辛いものとなったというのは女性にとっては厳しい話だった。それでも人口は増え続けているわけだが。
進化学の、その多様性というのが面白い。 -
基本的なことをまとめつつ、初めて聞くネタも結構含まれてて、発見あり。
ただ、もっと「進化のカス」とでもいうような、「特に合理的・適応的な説明はつかないけどもろもろの事情で持つに至って今でも持ってる表現型」というのがたくさんあって当然と思うけど、どんな表現型でも、これには進化上のこういう理由がありました、と何がしかのそれらしい説明に持ってってるのが、過剰な気がする。
全然理由というほどのものはないんだけど、何かわからんけど持ってるんです。っていう形質はたくさんあると思う。たぶん。直感で考えるに。 -
ダーウィン医学の紹介本。著者は医師ではないし,なんか怪しい雰囲気…と思って読んでたら,そうでもなかった。人間の進化の過程で倫理や道徳,感情などができてきたという,進化倫理学・進化心理学とおんなじ発想。
現在の人間の健康や,病気といわれる現象も,進化の発想で把握していくといろいろためになるかな,という話。Nスペで,近年アレルギーや腰痛,免疫を進化で説明するというのが放映されてたが,あれのことか。具体的にどう臨床に生かすのかとかはよくわからなかったけど。
医療には対症療法と原因療法があるけど,対症療法的なことは,人間の身体に備わってたりもする。ひどい痛みが続くときにエンドルフィンやエンケファリンが脳内で分泌されて,鎮痛作用をもたらすとか。こういう働きは,進化によってできたという説明が成り立つ。
感染症と戦う免疫のシステムも,進化の賜物。ただ,戦う準備ができるのに数日かかり致命的になることも。そこを補充するワクチンが見つかったのは僥倖。今は感染症に抗生物質や抗ウィルス薬で対応することもあるが,細菌などの進化は速く,耐性菌の問題が出てくる。なるべくなら使わないのが吉かも。
社会の変化は人間の進化よりずっと速くてめまぐるしい。そのために生じてきた疾患も多い。飢餓への備えが飽食の時代には糖尿病などの生活習慣病に。糖分の発酵でできるアルコールに人間が惹かれるのは,食物のありかを探すのに有用だったからだが,今はアル中が問題に。
鬱などの精神疾患も含め,疾患は結構進化と結び付けて説明できるらしい。高緯度地方に住んできた白人が,オーストラリア北部など低緯度地方で暮らすと,強い日射のため皮膚癌などにかかりやすく,逆だと日射が弱すぎてビタミンD欠乏症になる。
世界には自然放射線のレベルが高いとこがあるが,そこにいる人が平気なのは,長年そこで暮らしてきたからなのかも。ってのはこの本(2009年発行)には書いてないけど,聞いたことある。あれはダーウィン医学的説明なのか。
寄生虫や腸内細菌との共生関係も見直されているそう。長年寄り添ってともに進化してきたのだから,むやみに駆除するとかえってよくないかもしれないとか。最後に,寿命というものも,子孫に資源を残し,良い環境を残すためにできたのかもしれないと述べて結び。 -
進化と病気を結びつける部分には若干ムリヤリな部分もあったけれど、概ね普段わたしが考えている健康理論に合致した。
病気には意味がある。ウイルスや菌を薬で抑えても、軍拡戦争になるだけ。対症療法は時に治癒を遅らせる。
免疫システムについての詳しい解説などもあったりして、なかなか知識の取得にも役立った。この本は医者でない人によって書かれているので、素人にもとてもわかりやすい。
・・・それにしても、日本の(外国はしらんけど)医者って、偉そうよね?抗生物質は基本的に使わない主義なんだけど、言うと切れられること多いしね。こうした医者=先生って構図をまず治さないとあかんと思う。患者=お客様なんですよ~~~。(本に関係ないか) -
病原微生物学の課題図書から選んだ一冊。
分かりやすく読みやすい。内容も興味深い。 -
タイトル『進化から見た病気』となっているが、病気を中心として、
生物そのものや生殖医療についても言及してあったりする。
広く、「進化論的な観点を導入したときに、(病気は)どのように説明できるか」
というのが大まかな内容と言えようか。
淘汰/選択という観点から見ると、病気というのは不思議だ。
病気にならないタフな肉体を持つ生物になったほうが適応的な気がする。
が、実際には風邪も引くし、遺伝病なんてのもある。
そんな「現状」の説明をする上で、「進化的/適応的に意味がある」という観点から迫るやり方は説得的で面白い。
ただし、知っている人は知っている、もしくは勘付いている人は勘付いているだろう、
という内容に感じられたことも確か。
でも新書というメディアを考えるに、こういう形に落ち着くのだろう。 -
[ 内容 ]
感染症、遺伝的疾患、生活習慣病…。
「病気」はヒトにとって不都合であるように思えるが、その症状の多くは身体を守るための防御反応であるということ、また、病気の原因遺伝子にはヒトが生き延びるために有益なものがあったということがわかってきた。
進化論をもとにした「ダーウィン医学」によって明らかになりつつある、病気があることの意味を豊富な例とともに平易に解説。
[ 目次 ]
第1章 「ダーウィン医学」とは何か
第2章 風邪をひいてから治るまで-「ダーウィン医学」を理解するための練習問題
第3章 ヒトは病気とどうつきあってきたか
第4章 感染症-ヒトと病原体の進化競争
第5章 生活の変化が引き起こした「文明病」
第6章 遺伝病-良い遺伝子・悪い遺伝子
第7章 トレードオフ進化-進化が作り出した身体の不都合
第8章 先端医学はヒトの進化を妨げるか
第9章 老化と進化
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
栃内新の作品
本棚登録 :
感想 :
