図解・地下鉄の科学―トンネル構造から車両のしくみまで (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 149
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062577175

作品紹介・あらすじ

地下に隠された巨大な立体構造に光を当てる!

地下鉄は立体構造がおもしろい!
地下道やライフラインが複雑に絡み合う地下空間。地下鉄はそれらをくぐり抜けながら、残された場所を探すように、急勾配やカーブを繰り返しながら走っていく。その姿はまるで大都会のジェットコースター。トンネル建設には土木技術の粋が集められ、車両や軌道にも工夫が凝らされている。一般にはあまり知られていない地下鉄の高度な技術を豊富な図解を用いて解説する。これまでにない地下鉄本!

感想・レビュー・書評

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  • もしも現代に地下鉄がなかったとして、「地下に電車走らせればいいじゃん」と思いつくことが出来る人はどれだけいるだろうか。初めて乗る人ですら改めて驚くこともないぐらいに世界中の日常に溶け込んでいるが、何100kmもの区間、地下を掘り進めるという、人類が物理学と土木技術と経済力をもって地球と戦かった成果の一つが地下鉄だ。
    そのための技術は、読めば読むほど意外なものではない。初期の地下鉄は穴をほって線路を敷いてフタをするだけだし、シールド工法も今でこそ超大な重機を用いているが、かつてはミミズやモグラがやるように掘った分を押し固めながら進めば可能だ。とするとやはり、考えるべきはその安全精度と経済計画だろう。その詳細は残念ながら本書からは読み取れないが、前段階としての必要な知識を簡単に学ぶことは出来る。安全性から見る各国の規格の違い、土・岩盤と工法の関係、発生した事故と対策、資金の調達方法、都市計画などなど興味は尽きない。

  • 新書文庫

  • トンネル建設には土木技術の粋が集められ、車両や軌道にも工夫が凝らされている。あまり知られていない地下鉄の高度な技術を解説する。

  • 「いつも真夜中」なトンネルを走る地下鉄。
    見えない部分がすごいんです。
    くもの巣を張り巡らせたような地下空間。
    周囲に影響を与えないように掘り進む高度な技術。
    そして、安全な運行をささえる技術。
    そんな地下鉄の「技」を実感できます。

  • 同じ著者による「首都高速の科学」と同様に図解が非常にわかりやすい。
    項目の選択や並び、分量も適切と思う。
    個人的にはブレーキとエネルギー回収の項をもう少し充実してもらえたら良かった。

  • これも当たり。(専門的ではないかもしれませんが)地下鉄を学ぶには読みやすく網羅的で導入には最適だと思います。東京の地下鉄の成り立ちのみならず、世界の地下鉄の歴史や技術、工法なども丁寧に説明しているのも◎。

  • 所在:展示架
    資料ID:11100025
    請求記号:516.72||Ka91||1717

  • 地下鉄についてかなり深いことまで書かれていた。
    一部専門用語の羅列になっていたところもあるけど、だいたい楽しめた。出来ればもうちょい前に読んでおけばよかった。

  • 私はBLUEBACKSが好きだ。以前は科学理論こそ百学の王だと思っていたが、最近はもっぱら工学・技術の方に趣味が傾倒している。技術を知ると以前は気が付かなかった日常が日常ではなくなるときがある。
    毎日、地下鉄に乗りながら考えていた地下鉄像と本当の地下鉄は違う。
    トンネルや駅や路線の立体構造についての関心もあるのだが、それよりも、地下鉄の問題が以前は熱問題であり、それを解消するために、ブレーキでモータを回し、その回転で発電し、他の車両に電線を通して送るというエコと発熱問題を同時に解決する発想力には感服する。
    地下鉄に限らないが、暖房は椅子の下に、冷房は天井にという位置関係に感嘆する。
    騒音解除のための車軸への細かなゴムの配置やカーブ路線に塗る潤滑油やレールの角度の微調整など、たゆまぬ努力と注意力で少しずつ少しずつよいものを作っていくことに感銘を受ける。
    地下鉄列車は先頭車両の正面にドアが付いている。この当たり前の気遣いに気づいている人はいるだろうか。
    普段何気なく利用している単純そうに見えるものもそれは確かな技術の賜物なのである。

  • 以前、別の地下鉄本を紹介したことがありましたが(2011/2/13の記事)、今回紹介するブルーバックスのほうが、ずっとおもしろく読めました。
    タイトルにも「科学」と入っていますし、ブルーバックスですから、地下鉄を作ったり走らせたりする技術や科学について重点が置かれています。歴史についても記載されていますが、余計な憶測を交えずに、公開されている情報をきちんとまとめるだけでも、十分に読み物として成立しています。

    たとえば、自分が通勤の乗り換えに使う、永田町駅。この駅のことがどちらの本にも書かれていたので、事例として取り上げてみます。
    南北線と半蔵門線は、ホームが立体交差しているように見えるのに、直接連絡する通路がありません。素人目に考えても、両線のホームがシールド工法で作られているため狭いからだとか、ねじれて交差しているため通路が設置できないとか、それなりに理由はあるはず(裏付けは取っていません)。それを間に何か隠された構造物があるからだとか、言い出してもキリがないと思うのです。

    東京の地下鉄は、路線図を見ているだけでも目が回りそうになりますが、実際には立体構造を考えて路線が作られており、勾配やカーブの大きさなども列車を走らせる際に重要な要素となります。また、地下には地下鉄だけではなく、水道やガスなどのライフライン、高速道路、地下街なども入り組んでおり、非常に緻密な計算で成り立っています。
    本書で取り上げている例でいうと、新宿三丁目駅に副都心線を通す際、丸ノ内線と都営新宿線の間に線路を掘ったのですが、副都心線と都営新宿線のトンネル間の距離は最も狭い部分で11センチ(!)だそうです。掘り損ねて新宿線のトンネルを壊していたらどうなっていたことか(笑)。

    その他、地下鉄の運行や、私鉄やJRとの乗り入れについても書かれており、ITを含めた技術力で、非常に複雑なダイヤグラムに沿った運行システムができあがっているのが見て取れます。
    (現在、震災による節電ダイヤで各線が運行していますが、これができるのもシステム制御がしっかりしているからと言えるでしょう。)
    東京の地下鉄がこれだけの精度を維持しながら走っているのは奇跡に近いと思いますが、裏側でどのような努力があったか、どういった技術の上に成り立っているのか、知りたい方は読んで損はしないと思います。

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著者プロフィール

川辺 謙一(かわべ・けんいち)
交通技術ライター。1970年三重県生まれ。東北大学大学院工学研究科修了後、メーカー勤務を経て独立。高度化した技術を一般向けに翻訳・紹介している。著書は『東京 上がる街・下がる街』『日本の鉄道は世界で戦えるか』『東京道路奇景』(以上、草思社)、『オリンピックと東京改造』(光文社)、『東京総合指令室』(交通新聞社)、『図解・燃料電池自動車のメカニズム』『図解・首都高速の科学』『図解・新幹線運行のメカニズム』『図解・地下鉄の科学』(以上、講談社)など多数。本書では図版も担当。

「2020年 『超電導リニアの不都合な真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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