図解・気象学入門―原理からわかる雲・雨・気温・風・天気図 (ブルーバックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062577212

作品紹介・あらすじ

数十トンもある雲が落ちてこないのはなぜ?
高原は太陽に近いのになぜ涼しいの?
ジェット気流って何?
高気圧や低気圧はなぜできるの?
日頃の疑問が氷解します!

原理がわかると、知らなかった気象の姿が見えてくる
●「湿った空気」は重くない
●落下する「氷晶」が雨粒をつくる
●低気圧や前線の上空には「ジェット気流」がある
●地表の「摩擦」が台風を発達させる
――気象と天気のしくみを原理から詳しく丁寧に解説した「わかる」入門書。やさしい語り口ながらも気象学用語の多くを網羅。気象予報士を目指すスタートにも最適。

感想・レビュー・書評

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  • ◯学生の頃の理科で学んで以来、懐かしさと共に読んでいたが、やはりほとんど覚えていなかった。思い出しながら読んでいた。
    ◯内容としては、図解も多く、解説も丁寧で分かりやすい。しかしら知識の定着には何度か読み直さねばならない。
    ◯しかし、天気予報で流れる天気図を見ると、なんとなく風の流れ、天気の移り変わりが自分なりに読めるようになって、より興味が湧いてくる。面白い。

  • 古川武彦(1940年~)氏は、気象庁研修所高等部(現気象大学校)及び東京理科大理学部卒。気象庁の航空気象管理課長、予報部予報課長、札幌管区気象台長、(財)日本気象協会技師長を歴任。現在は、気象一般に関する講演・執筆・コンサルタント等を行う「気象コンパス」を主宰。気象学についての著書多数。
    大木勇人(1964年~)氏は、千葉大理学部卒、科学書・教科書の編集と執筆等を行うフリー・サイエンスライター。
    本書は、気象学について深く知りたい一般読者と、気象予報士をめざす人びとの両者を対象にしており、気象のしくみを、その原理からわかりやすく、丁寧に図解している。
    具体的な章立ては、1章:雲のしくみ、2章:雨と雪のしくみ、3章:気温のしくみ、4章:風のしくみ、5章:低気圧・高気圧と前線のしくみ、6章:台風のしくみ、7章:天気予報のしくみ、である。
    私は文系出身ながら、多分の例に漏れず、毎日のようにTVで見る天気予報の気象予報士の説明がもう少し論理的に理解したい、更に、天気図を見て数日間の天気を自分で見通したい、という理由で本書を手に取った。
    通読して、共著者は中学理科の知識で理解できるように気を配った(加えて、高校物理の知識が必要な場合は丁寧に解説した)としているとはいえ、正直なところ消化不良な部分も残ったが(おそらく「知識」が問題なのではなく、何十年も社会人をやっていると、この種のものを「理解」する力が衰えていくのだろう。。。悲)、間違いなく天気予報・天気図の見方はそれまでとは変わったし、これからも本書を参照することにより更に理解が深められるのではないかと思う。
    ブルーバックス・シリーズならではの、網羅的かつコンパクトにまとまった良書といえる。

  • 地球は水の惑星だと言うだけあって、水は、氷は、水蒸気は、私たち人間を守りもすれば、悩ませもする、母のような存在だ。

  • 雲ができる仕組み、雨が降る仕組みなど、初歩の初歩部分が分かりやすく説明されている。ただど素人の私は4章風のしくみあたりからついていくのがしんどくなってしまった。平易な文章ながら中身は結構本格的なので、しっかり腰を据えて読んでいく必要がある。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/15696

  •  図が多く、理解が進みやすいと思います。それでいて解説が詳細で、気象現象を深く掘り下げて説明されています。入門書にありがちなざっくりとした説明というのはなく、興味深く最後まで読むことができました。個人的には偏西風波動の起こり方を図を用いながら解説されていたところが、よく記憶に残っています。
     気象の基本的なことを学ばせていただきました。

  • 2021年のノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎は,二酸化炭素の温暖化影響を予測したことで知られる。

    気象学と一言にいっても,本書の副題に「雲・雨・気温・風・天気図」とあるように扱う範囲は広い。そのガイドとして本書は優れていると思う。必要な前提知識はそれなりにあるが,特に熱力学の知識が活きてくる。

  • 実は Kindle 版を持って、しかも 2018年にいったん読み終わっていることさえも覚えておらず、紙の本を購入。(当時の Kindle版はマーカーが引けなかったらしい)。
    以下は Kindle版を読み終わった時の感想。

    一回読んだだけでは、全く知識として身についていなかったことを認識。悲しくなる…。

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    タモリ倶楽部で気象庁内にある本屋が紹介されていた。http://www.tsumura-shoten.com/
    ここで勧められていた気象学のバイブルが『一般気象学』で気象予報士の教科書みたいな本らしいのだが、もっと易しい入門書ということでこのブルーバックスを読み始めた。雲はなぜ落ちてこないのか、どうして雲はできるのかに始まる雲のしくみ、その雲が雨や雪になるしくみ、さらには気温(太陽放射と地球放射、温室効果)、風(気圧差、コリオリの力など)、気圧の差と前線、低気圧や高気圧の発生、梅雨、台風の発生と発達と、気象現象の基本原理をほとんど数式を使わずに説明する(PV = nRT 気体の状態方程式くらい)。最後は、コンピュータシミュレーションによる天気予報のしくみが紹介される。

    中学生の時、天気図を地学の授業で習ったなぁ、ラジオを聴きながら天気図を描いたなぁ、とおぼろげな記憶を思い出しつつ…。数式は使わないが、気象の原理・仕組みの解説はかなり詳しいし、きちんと理解するのは骨が折れる。気象予報士になるには、この入門書より高度な勉強が必要なはずで、大変なことなんだろうなぁ。

    最近、台風が多く週末は雨に降られ、雨が恨めしかったが、雨の降る原理を学ぶよい入門書であった。Kindle 版は固定配置でマーカーが引けないのが残念。

  • 中学校の理科を身につけていれば理解できるように気を配って記述してある。との前提だが、どうやら自分は中学レベルの理科が身についてないようでした。

    気象学は目に見えない力を理解する必要があるので、初めは写真やイラストが多い物をセレクトする方が理解度は上がると思う。この本はページが進むごとに難易度が上がっていく。多少のイラスト等の図解が挟まれるが基本は文字メインなので注意したいところ。
    ただ、なぜ風が吹くのが多少理解出来たハズ…なので他の気象学本も通過した後また読み返してみたい。

  • 初心者にもわかりやすく書かれているし、ある程度科学の知識がある人にも身になる参考書だと思う。

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著者プロフィール

1940年、滋賀県出身。理学博士(九州大学)
気象研究所主任研究官、気象庁予報課長、札幌管区気象台長などをつとめ、現在は、気象学の普及などを目的とする「気象コンパス」を主宰。
著書に『わかりやすい天気予報の知識と技術』(オーム社)、『図解・気象学入門』(共著、講談社ブルーバックス)、『気象庁物語』(中公新書)など。

「2019年 『天気予報はどのようにつくられるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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