魚の行動習性を利用する 釣り入門―科学が明かした「水面下の生態」のすべて (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 91
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062577250

作品紹介・あらすじ

魚を釣るための基本は「魚のいる場所」で「魚の食欲がある時」に釣り糸を垂らすこと。そのためには魚の行動習性や水の動き、餌生物の動向を知っていなければなりません。こうしたことを科学的に検証し整理した本はこれまでほとんどありませんでした。魚の行動習性の研究は容易ではなく、よくわからないことが多かったからです。

 本書の著者の川村軍蔵氏は鹿児島大学水産学部で永く教授を勤められましたが、決して「釣り名人」ではありません。しかし、釣りが得意でないからこそ魚や釣り場の環境のことをもっと知りたいと考え、魚の行動習性の研究に打ち込んできました。その研究成果を広く釣り人に活かして欲しいと書き下ろしたのが本書あり、著者の「釣り」に関する研究の集大成なのです。

 本書では、まず魚の生態を紹介します。人間が見分けることが難しいようなナイロン糸を識別できる視力、ルアーの形や色の違いを見分ける形状識別能力、さらに人間には見ることのできない紫外線を感じることができるといった知られざる魚の生態に迫ります。

 次に、餌について。最も成功度が高いとされる活き餌も釣り針への掛け方によって釣果が違います。研究では、餌が元気で動きが変則的になるように掛けると釣れやすくなることが明らかになりつつあります。釣り餌の「色」にも魚によって好みがあり、メジナやクロダイは黄色い餌で釣果が上がることが実験で示されています。

 ポイントも重要です。防波堤の潮境が良いポイントであることは知られていますが、それは餌生物が集積する場所だからです。また防波堤の色は白よりも青のほうが、魚が集まりやすいようです。人工漁礁で釣りをする場合は、魚はその潮上に分布する傾向があるため、その真上よりも潮上がポイントになります。

 最近の釣り具の研究では、J型釣り針よりもC型釣り針のほうが優秀であることがわかってきました。驚いたことに、釣り針の磁気の強さも釣果に影響するようです。

 いかがでしょうか。釣りの成果は運の巡り合わせばかりではなく、科学的知識も役立つのです。知識ですぐ釣りがうまくなるわけではありませんが、本書を読めば知識が釣り人の知恵と技を研鑽する一助になること間違いなしです。

感想・レビュー・書評

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  • 魚の視力や色の見え方、匂いの感じ方、餌を食べるタイミング、スレ、水温や海流、潮流の話など、科学的に釣りについて書かれた本で、釣りをしない自分にも面白く読めた。

  • 魚は釣りの仕掛けが見えるか?など、釣り人を悩ます疑問に答えていく。プロも用いる研究成果を、釣り人向けに解説した画期的な釣り入門書。

  • Kindleでこれを読んでみましたが、うーむ、『釣り入門』というより『釣りに関連する魚の習性入門』という内容なのですが(もちろん分かっていてそれを知りたくて読んだのですが。ブルーバックスですから)、一言、「これを読むと釣りがそう簡単ではないことが分かります」(苦笑
    魚をナメてはいけません。彼らは釣り人の姿も見えていますし、エサの匂いも感知しますし、ルアーの色も見分けますし、しつこく刺激を与えると神経症になります(笑。もちろん(?)一度釣られた魚はしばらく(例:1ヶ月)の間、そうそう釣られなくなります。
    これは簡単にはいかないわけです。
    あ、この本を読んでも釣りが上達する気はほとんどしません(笑

  • 白いラインは魚に見えやすく、オレンジや黄色の方が見えにくいと。なるほどね。

  • なんだろう、期待してたんだけど詰まんなかった。同じブルーバックスの「釣りの科学」の方が面白かったなあ。
    全く釣れる気がせんのですが。(20140103)

    20210702 再読。
    釣りしたくなって、久しぶりに。
    やはりイマイチ。釣りというより、魚の生態とか中心だからかな。

    釣りしてー。

  • 敵を知り、己を知れば百戦しても危うからず。釣りで成果を出すためには魚のことをもっと、もっと知らなければならない。この本は魚の習性を解説したり、魚にまつわる都市伝説を検証してみたり、とにかく魚と釣りとを科学的に捉え、記述した力作。

    魚は思ったよりも目と鼻がよさそうだ。対策せねば。

  • 専門書みたいな書き出しだったので期待したがたいしたことなかった。

  • 良くも悪くも学者さんの文章です。
    釣り人に寄せてきてくれてるけど、釣り人が本当に知りたいところへのツッコミは甘いです。
    部分的には大いに役立つかと。

  • 非常にアカデミックで、研究対象の魚に対する愛情に満ち溢れた素晴らしい本でした。魚の目はどれくらい見えるのか?釣り糸は見えるのか?魚はスレるのか?ルアーの音って?管理漁場?外来種?魚に関連するトピックが網羅される。語り口からは頑固な大学教授とその授業方法が想像された。この本を読んで釣がうまくなるとは全く思われないが、釣をするのならばこれくらいのことは知っておきたい。これが真の教養だろう。

  • 現役、昔やっていた、を問わず、釣りに一度でもはまった経験者なら絶対に面白い。「魚には釣り糸が見えているのか」から始まる、昔から言われていた経験知、経験則に科学でメスを入れる。
    人員、予算不足か、痒いところに手が届かない部分も多いが、網羅的で意欲的。

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