地球外生命 9の論点 (ブルーバックス)

  • 講談社
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感想 : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062577755

作品紹介・あらすじ

地球の外にも生命は存在するのか?
科学ではタブーとされてきたこの問いは、21世紀に入ってからの相次ぐ新発見によりいまや科学者が真剣に取り組むテーマとなった。宇宙に「地球」はたくさんあるとする天文学者、「生命」は地球だけの奇跡だという生物学者、各分野のトップランナーが最新成果をもとに地球外生命を考える「論点」を呈示する。

感想・レビュー・書評

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  • 9人の最先端な科学者が、それぞれの専門領域から地球外生命あるやなしやを論じてくれる一冊。

    「SFの世界でのお話に過ぎないと思われがちだった地球外生命は、いまや科学の最先端にある重要なテーマとなっています。」

    光合成の成り立ちを延々と書いて地球外生命の話はちょっとだったり、
    アミノ酸が非人為的にどうやって合成され得るかを延々と書いてみたり、
    地球の極限環境の生命についてだったり、
    色んな観点で、いないと思うよとか、いやいるよとか話を聞かせてくれる。

    一見、地球外生命の話としては回りくどいようにも思えるけど、その実すっごく直接的に生命発生についての話になっていて、つまりすっごく面白い。

    科学系ノンフィクションは、SFを読むのと同じ感じの楽しさがあるけど、これが本当にこの世界の話だっていうところが興奮ポイントですね。
    事実は小説より奇なり、を、最先端科学ほどに地で行く分野もなかなかないと思います。

    10年以上前に笹本祐一が、太陽系の外の惑星を望遠鏡で見つけた!っていうネタだけで一冊出していたけど、まさにそれと全く同じことがリアルタイムで起きているこの現状はエキサイティングです。
    宇宙には、地球そっくりの惑星がたくさんあることがほぼ確かになってきたのです。
    SF者の基礎知識、ドレイク方程式のいくつかの要素が埋まりつつあるのです。わー!

    ここ3年(2012年基準)の系外惑星発見ラッシュで、

    「かつては、まっとうなサイエンティストなら、『地球生物以外の宇宙生命体はない』と考える人の方が圧倒的に多かったろうが、(中略)宇宙のどこかに存在しても不思議ではない』と考える人が、むしろ多数派になりつつある。」

    なんて面白い状況だと思いませんか?

  • 代謝・自己複製が生命とは何かを考えるためのキーワードになる。さらには外界との境界・進化するということもその特色である。
    高度に知的な生物はわざわざここに自分がいるということを外に対して知らせないのではないかとうことと、宇宙人に会いたかったらまずわれわれが滅びるなという2点はおもしろい視点だと思った。

  • 立花隆/佐藤勝彦「地球外生命9つの論点」読了。生物から宇宙物理へ各専門家のリレー形式での章立てに興味を引き出されながら読み進める事ができた。ハビタブルゾーンに沿う系外惑星の発見が近年増加している事から知的生命はともかく地球外生命の存在はかなりあり得ると思えた。

  • 生物学者や天文学者が集まったシンポジウムを土台にしたアンソロジー。「9の論点」とあるが、論点がはっきり9つあるんじゃなくて9人集まったから「9の論点」にしたみたい。

    どちらかといえば物理学者に地球外生命肯定派が多くて、生物学者に否定派が多いらしい。しかし系外惑星が次々と発見されたり、太陽系内でも生命が存在しうる環境が見つかったりする中で、徐々に肯定的な見方が増えてきて、学問として成立するようになった。でも、まだ知的生命の存在までは簡単には考えられない。

    フェルミのパラドックス:広大な宇宙には知的生命が他にもいそうなのに、誰も人類にコンタクトしてきていないのは何故か?
    電波で何光年もの距離を通信するのはとんでもない大出力がいるので、電波以外の手段を使うのでは(by大石先生)

    平凡原理:わたしたちは特殊な存在ではないと考える。他にも知的生命がいると考えるのが素直。

    ドレイクの方程式:地球外に知的生命体がどれだけいるかを推定する。系外惑星の発見で、少しオッズが上がった。

    生命の定義・・・定説はないが、、、
     1.境界をもつ
     2.複製をする
     3.代謝をする

    最初の生命はどんなものであったか?
    DNA/RNAがないとたんぱく質をコードできないし、たんぱく質がないとDNA/RNAを作れないし。。。ニワトリ・卵問題
    RNAワールド仮説:最初の生物は、RNAで体を作り、RNAで自身を複製したいたのではないか。
    そんなことができるRNAを人工的に作る方向で研究が進む
    RNAは反応性が高いので情報を保存するには不向き。ある程度高度な生命のデザインまで進化した時点で、うまいデザインを保存できるDNA生物にスイッチしたのではないか。

    アミノ酸を熱すると出来るプロテノイドが、膜を作って生命にとっての境界になったとする説。そこからRNAワールドへ進む。

    スタンリー・ミラーの実験。メタンやアンモニアがあれば放電で簡単にアミノ酸が生成される。化学進化。しかし、原始地球にはメタンやアンモニアがそんなに豊富には存在しなかった可能性が高いと判明。スターダスト(メタン、アンモニア、一酸化炭素、メタノール)に宇宙線があたると、アミノ酸の前駆体ができると判明。前駆体は分子量が大きくて安定してる。これが地球に降り注いで、加水分解されて酸で煮られてアミノ酸へ。

    ホモキラリティ。宇宙空間で円偏光にあたって左手型が増えたのでは。

    電波望遠鏡で星間物質にアミノ酸を探す研究も。糖とかの有機分子はけっこう見つかっている。

    系外惑星の探し方。ドップラー法→トランジット法。人工衛星ケプラーにより2009年以降続々と見つかっている。ハビタブルゾーンにも。

  • 地球外に生命が存在するか?それを考える上での論点をここのつにまとめて最新の知見を入れてまとめられたもの。地球型惑星が今までより多く存在することが分かってきて、生命が存在する可能性があると考える研究者が多くなってきているとのこと。でも、それはあくまでも微生物などの原始的な生命を想定していて、知的生命の存在にはまだまだ疑問符がついているようだ。

  • 9人の科学者が専門分野の見地から地球外生命体の存在可能性を論じる。生物学者が地球上に現存する生命体の誕生から今日までの進化において数多の偶然と思える事象があったことからその可能性を低く捉えている一方、天文学の見地からは2011年以降の系外惑星の発見ラッシュにより多くの学者が存在を強く信じて探求を続けている。つい最近の発見により大きく議論が動いていたなんて恥ずかしながら知らなかった。生きてる間にブレークスルーして欲しいなあ。星を眺めに行きたくなった。

  • 12月4日 E.T.の日

  • 宇宙には知的生命体ではない生命体はいると思う
    ウイルスとか・・そのレベルの生命体が

  • 2012年刊。◆地球型系外惑星が相当数発見され、一方、エウロパ・タイタン・エンケラドゥス等巨大ガス惑星の衛星にて、地球の極限生物類似の生物が存する可能性に言及される現代では、知的生命に至らぬ地球外生命への疑義はかなり減弱。この状況下、本書は、天文学・惑星科学・細胞学・分子生物学等の専門家が、地球外生命の議論に必要な知見を横断的に叙述する。夫々に専門書や新書等があるも、簡明に纏まっているのは買い。◆個人的には光合成の項目が難しいと感じる。生化学(というより化学)は馴染みにくいなぁ。◆編者は自然科学研究機構。
    =国立天文台・核融合科学研究所・基礎生物学研究所・生理学研究所・分子科学研究所

  • いきなりチューブワームが来て、極限生物の話がありながら、その次の話が「光合成ができなきゃ」みたいな意見を持ってくるってどうなの?と思った。
    まあ全体的に興味深い話ばかり。地球外生命の話は実に夢があってよろしい。

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著者プロフィール

立花隆

1940年長崎県生まれ。64年、東京大学仏文科卒業後、文藝春秋に入社。66年に退社し、東京大学哲学科に学士入学。その後、評論家、ジャーナリストとして活躍。83年、「徹底した取材と卓越した分析力により幅広いニュージャーナリズムを確立した」として、菊池寛賞受賞。98年、第1回司馬遼太郎賞受賞。著書に『田中角栄研究 全記録』『日本共産党の研究』(講談社文庫)、『宇宙からの帰還』『脳死』(中公文庫)、『脳を鍛える』(新潮社)、『臨死体験』『天皇と東大』(文春文庫)など多数。2021年4月30日永眠。

「2021年 『立花隆 最後に語り伝えたいこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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