はじめてのゲーム理論 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062577823

作品紹介・あらすじ

経済学の分析道具として発展したゲーム理論は生きるための多くの知恵も与えてくれる。「利己的な人」を想定したナッシュ均衡と、「全員の利益」を最大化するパレート効率性が一致しないジレンマ。その解決のために考えられるさまざまなメカニズム・デザインと、理想のルール設計は不可能であるとする不可能性定理-人間社会の限界をも示唆するゲーム理論を学んで、したたかに生きよう。

感想・レビュー・書評

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  • 『はじめての~』というタイトルだけれども、全くゲーム理論を知らない人から、それなりに知っている人まで、幅広いニーズに応えられる本だと思いました。内容の濃さからいって860円(税別)はかなりお買い得だと思います。アローの不可能性定理をきちんと理解するためにも、しばらくしたらもう一度読もうと思っています。

    あとかなり個人な話ですが、読書案内でパウンドストーン『囚人のジレンマ』が推薦されていたのが嬉しく感じました。好きな本なのに、ゲーム理論の専門家が取り上げているのをあまり見たことがなかったので。

  • 具体例が多く分かりやすい。ナッシュ均衡/パレート効率性/量子ゲーム理論のさわりが理解できる。

  • ナッシュ均衡とパレート効率性が一致しないジレンマは解決できるか? 人間社会の限界をも示唆するゲーム理論を学んで、したたかに生きよう。

  • なんとなくゲーム理論の基礎的な知識が身についた。この本には応用系の話題、コラムのような基礎知識を身につけるためのインセンティブに欠けているようにも思えた。あと数学などの取り決めみたいなものに疎いせいか、いきなり説明なしに数式化、図化されて、読み取るのに時間を要した。
    でも入門書としては良いのかな。第7章「量子ゲーム」は読まなかった。
    そもそも結構斜め読み。

  • ぉわー。
    また大分内容を忘れてしまった。。
    とりあえず、ゲーム理論って、囚人のジレンマくらいしか知らなかったけど、もうちょっといろいろあったんだね、っていう(笑)。
    そして、なんで「ゲーム理論」というかって、実際、ポーカーとかのゲームで勝つ可能性を最大化させる研究から始まっているっぽぃ。
    ある意味新しく、また理解もなかなか難解(?ついパレート最適とかを考えてしまうから、というだけですが)なのは、ナッシュ均衡の考え方。
    つまり、「自分も相手も、お互いに相手の予想通りの戦略を選ぶことが、お互いにとって最善になっている状態」(p. 30)。
    まぁなんていうか、予想が大方できる場合の話かな、という感じですが。
    あとは、平等性(絶対的1/2)と衡平性(各自納得の1/2)が異なる話とかは面白かったかな。
    きちんと1/2にしたいときのナイフ移動方の話とかも分かりやすいし、またなんとも賢いな、と感じて面白かったな。

    そうそう、あと、まさかゲーム理論が選挙の1票の平等性とかの話にもつながっていくんだ!と思ってちょっとびっくりした。
    その辺は、またほかの本も読んだりして、深められたらいいなぁ。(いつか 笑)

  • ナッシュ均衡って聞いたことあるというレベルだったので面白く読めました。ゲーム理論の入門書としてオススメ

  • ゲーム理論について、基本的な考えを実に分かりやすく解説した本です。

    ほんとに過不足なく、素晴らしくまとめていると思いました。特筆すべきがない、というのは、おそらく最大の賛辞なのではないかと思うほどに、入門書としてまとまっています(笑)

  • 「ビューティフル マインド」という映画を観た。どこまでが現実でどこからが妄想なのか、すぐには分からなかった。そこに登場する主人公がジョン・ナッシュ。本書に何度も登場するナッシュ均衡を唱えた人物。ナッシュ均衡が何なのかを知りたかった。読んでいるときは分かったつもり、けれど今説明しようとしてもできない。それでも、ゲーム理論のおもしろさは伝わってくる。人間の行動をうまく数値化して、最善策を考える。共有知識という概念はおもしろかった。メールで何度やり取りをしても、今日のデートはキャンセルということが2人の間の共有知識にはなりえない。(直接電話で話をした段階で共有知識になるのか?)量子力学を使ったゲーム理論は何だか煙に巻かれた感じだが、新しい発想としておもしろく感じた。ゲーム理論を活用して、手を抜きがちな労働者にしっかり働かせるヒントがコラムで紹介されている。そこから、子どもたちにも家庭でしっかり取組んでくれるような方法を見つけ出したい。

  • 読了。

  • 【教員読書リレー】「はじめてのゲーム理論」のご紹介

    戦略という言葉がある。戦争・経営・政治・スポーツなど様々な分野でよく使われているし、様々な分野におけるキーワードの一つである。しかしながら、その定義は、必ずしも明確ではないし、厳密な定義は人によって異なるであろう。戦略という言葉を厳密に意味づけることが困難であるとしても、この概念を数理的に扱っている学問分野といえば、ゲーム理論を措いて他にはない。今回紹介する本はこのゲーム理論の入門書、川越敏司著「はじめてのゲーム理論」(講談社ブルーバックスB1782)である。ちなみにゲーム理論における戦略とは、下記に述べるゲーム的な状況下で各主体が取り得る行動の選択肢、あるいは選択肢の組のことである。

    ゲーム理論について馴染みのない方のために、簡単にゲーム理論について説明しておこう。ゲーム理論は、意思決定理論の一つであるといえる。ただし複数の主体(人間や目的を持った組織)が存在するときの意思決定理論である。各主体はそれぞれの目的を持って意思決定を行う。そして、意思決定の結果は自らの意思決定のみならず、他の主体の意思決定にも依存する。こうした状況は、ゲーム的状況と呼ばれ、このゲーム的状況下における意思決定について研究する学問分野がゲーム理論である。ゲーム的状況においては、他の人々がどのような意思決定をしているのかを常に考えながら自らの意思決定を行うことになる。こうした状況は、まさに将棋や囲碁やチェスなどのいわゆるゲームで我々が直面している状況であり、また、政治や経営においてもしばしば直面する状況である。

    前置きが長くなったが、この本を推薦する理由である優れた点を述べれば以下のようになる。

    第一にゲーム理論の基本と基礎概念について、ゲーム理論の重要概念であるナッシュ均衡(簡単に言えば、全主体が、相手の取った戦略に対する最善の戦略を取っている状況)と経済学の重要概念であるパレート最適という、2つの概念をキーワードにわかりやすくまとめている点である。

    第二にゲーム理論を中心にそれと関連づけられる幅広い分野(といっても経済学的なモノが中心であるが)、たとえば公平分割の問題、投票制度の設計、さらには新しい話題である量子ゲーム、等について言及されていることである。幅広い話題をゲーム理論と関連づけて論じていることで、本書に厚み(もちろん物理的な意味ではない)が加わっていると思う。

    第三に、戦略を確率的に混合して用いることを混合戦略というが、この混合戦略についての解説がポーカーにおけるブラフ戦術(「本当は手が弱いのに、掛け金を釣り上げるなどして、手が強いように相手に思わせる」はったり作戦のこと)の妥当性と関連づけて述べられており、わかりやすくかつおもしろく読める。説明を少し加えると、誰もが知るジャンケンでは、ゲーム理論的にはグー、チョキ、パーが戦略である。この場合における混合戦略とは、グー、チョキ、パーのそれぞれを例えば確率1/3でだすような行動パターンのことである。

    第四に古典から少し新しいモノあるいは、幅広い話題で取り上げられた原典、著者が参考とした本・論文まで、文献紹介が充実している点である。

    さて、この本は十分読むべき価値があると私は考えているが、少し気になる点あるいは、読む場合の注意点についても3つほどあげておきたい。

    第一に、展開型のゲームについての説明が少ないように感じたことである(ゲームが複数回繰り返される状況や、先手と後手が順番に行動するようなゲームとして記述できる状況等は、ゲーム理論では展開型のゲームとして記述されることが普通である)。良い点の第一で述べたように著者の説明は大変わかりやすいので、展開型のゲームについても正面から取り上げて説明して欲しかった(もちろん展開型のゲームについても触れられてはいる)。

    第二に、幅広い話題の中ではニューカムのパラドックス(これについては本書4章を参照)が取り上げられている。本書ではニューカムのパラドックスについて心理学的ゲーム理論による解を述べているが、この解を持ってニューカムのパラドックスが解決したとするのはいいすぎではなかろうか?

    第三に、パレート最適(グループの中で誰かの状況を良くしようとすると必ず他の誰かの状況が悪化する事態)など経済学的概念と話題について、断定的に取り扱われすぎていることが気になる。例えば、パレート最適は経済学者の多くが信頼する一つの価値基準であるが、あくまで一つの価値基準であり、絶対ではないことに注意する必要がある。実際、パレート最適に対する批判、あるいはパレート最適のみを用いることに対する批判がないわけではない。同様に扱われている話題はそのオリジンがゲーム理論でない場合もあり、そのようなケースでは元々の文脈では少し異なる形や考え方で扱われている可能性もあることを知っておくべきである。

    このような注意点を踏まえて読むのなら、本書は読みやすく、ゲーム理論に自然と導いてくれる良書であろう。本書を読んだ後で例えば、武藤滋夫著「ゲーム理論入門」(日経文庫)や中山幹夫著「はじめてのゲーム理論」(有斐閣ブックス)へ進めば、ゲーム理論への一定の理解が得られるであろう。

    サイバー大学IT総合学部 教授 新堂精士

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