確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062577847

作品紹介・あらすじ

「数学が苦手な人ほどカモにされる」投資の世界で、最大の「武器」になるのが確率・統計の基礎知識。日経平均株価には「3年以内に50%下落する」可能性が十分にあり、日経平均連動投信のリスクは米ドルへのFX投資の2倍に達する。購入する株や投資信託を選ぶとき、「値上がりしそうかどうか」だけを見ていませんか?「預貯金以外で資金運用したい」すべての人、必読。リスクを簡単に体感できる「特製サイコロ」付き。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。
    私は数学が得意だが、イマイチ数学を使う投資家がどのように考えているのか、この本を読むまで分からなかった。この本を読んで、「あぁ、こういうやり方で投資家は判断してるのか」とざっくり納得がいった。
    とは言え、数学の苦手な投資家に一言で言うならば、「損切りしましょう」に尽きるかな。

    この本のイマイチなところは、やたらと「FX等のデイトレードはリスクが小さい!個別株式等は実はリスクが大きいのだ!」と繰り返されているところ。
    そういう根拠は論じているものの、一番最初の仮定は著者が決めたことで、一般論として成り立つか議論が足りないのではないかと思うし、やたらとデイトレードを勧めるのは何か裏があるのかな、と感じた。

  • 著者の言わんとしてるところは、概ね理解できたと思う。

    バフェットも言っているが、自分の分からないものには投資をしない。本書の筆者も結局は同じことを言いたいのでは。リスクをよく理解しない内は手を出さないほうがいいですよ、と。

    本書には自分にとり、目うろこの話しもあり、自分の投資方針を今一度見直さなくてはいけないと強く感じた。投資商品に手を出すのが怖くなった。

    もっと言うと、低金利で魅力のない銀行預金だが、そこへの資金の移動を考えようかな。スズメの涙の金額だが。

  • 吉本佳生さんの本は本当に初心者にもためになると思います。良書。

    金融商品についての「リスク(標準偏差・ボラティリティ)」について、しっかりと説明しています。

    相場は短期的にも長期的にも予測は出来ず、確率・統計的に考える、というアプローチですので、相場・株価はわかるという方はなじまないかもしれませんが、これ一冊を読めば、下手な商品に手を出す確率はぐっと減るでしょう。

    投資について否定的な面も多いと思われますが、そもそも株式運用を行う人は前向きな事しか考えない(後ろ向きな人はそもそも買わない)ので、大儲けを夢見るのに少し水を掛ける意味でもしっかり読んでみて、考えてみることが良いと思います。

    確率思考はギャンブルや資産運用のためにある。確かにこの点は否定出来ない、というか人生ギャンブルで、不確実な中で意思決定を行うわけですから、仕方ないと思います。「リスク」という本を読んでも、「確率」はギャンブルから始まったものですし、本当にそう思います。

    デイトレードは相対的にリスクが低い。長期投資はリスクが高いという誤解についても、述べられています。長期投資だから安全というわけではなく、むしろリスクは高くなっているという点は押さえておいて良いと思います。(期間を2倍にすると、リスクは√2倍になる)

    ※それでも長期投資を行うのは、相場は個人が容易に読むことは難しいという前提、プラスサムと言える市場を相手にする、下手な売買による売買手数料によるコストを減らす、という点からですね。このロジックが必要と思います。

    基本的なベル型分布から、べき分布(ファットテール)の存在なども述べてあって、ひと通りリスクについて学べると思います。



    全体的に、コラムの部分に良い指摘が濃縮されていると思います。

    P105 1.「安全に儲けたいから、超危険な取引に飛び込む?」
    P138 2.「リスクを誤解させて、押し付けるのが必勝法!」
    P189 3.「専門家が大損する理由は、リスクの単純な誤解!」
    P235 4.「長期投資への幻想が被害を甚大にする!」

    安全に儲けるがために、ごく低い確率で大損する話に飛び込み「どうだ凄いだろ」と言う話が多いと感じますので、どこかで大きく損失を出して退場・事件と言う流れでしょうか。

    リスクを押し付ける点もそのとおりと思います。特にビジネスでは!(投信販売もビジネスですが...) 知人も、いかにリスクを相手に押し付けるか、といっていましたし。結局その点に付きます。見えないリスクを押し付けて有利に粉飾し、勘違いを起こさせて販売する。ここから逃れるには、よく考えて、複数の主張・脈から情報を得てしっかり判断するのが大事かなと思っています。

  • 付録のサイコロが楽しい。
    内容も悪くない。面白い本だった。

  • リスクが相対的に高い順に並べると、
    株式、株式投資信託・変額年金保険、外国債券・外国預金

  • 金融のリスク、ボラティリティについて一定の知識があったとしても、頭の再整理ができて本書は役に立つ。
    仕組み債のからくりを知るために付録の手製サイコロで記録を取るのは敬遠したが、それでもリスクと期間(多期間になればリスクは高まる)の関係、日次・月次など計測期間のボラティリティの扱い方など少し目からうろこが落ちた。

  • 経済
    お金

  • 金融商品に注意っていうこと?

  • 巷で常識とされている金融の常識がいかに非常識かが分かった。 ある意味衝撃的な事実だった。

  • 「数学が苦手な人ほどカモにされる」投資の世界で、最大の「武器」になるのが確率・統計の基礎知識。「預貯金以外で資産運用したい」人、必読。

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著者プロフィール

エコノミスト

「2016年 『学校では教えてくれない経済学の授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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