ゲノムが語る生命像 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 124
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062578004

作品紹介・あらすじ

生命の設計図DNAが分子レベルで解読され、ゲノム工学技術が飛躍的な発展を遂げた現代、生命科学は文系理系を問わず社会の幅広い分野で不可欠の科学となった。日本を代表する分子生物学者がその最前線から新しい生命像を語る。

感想・レビュー・書評

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  • 免疫療法を支えるゲノム工学。メディアでは報道されない大事なポイント。もっと大事なのは、ここ近年日本人ノーベル賞受賞者が活躍しているiPSもオートファジーも微生物バイオも同じ基礎科学がベースになってるということ。だから基礎科学への投資が必要。

  • 元ネタは、1986年に刊行された『遺伝子が語る生命像』。そこから三十年近くの間に当然のことながら生命科学は長足の進展を遂げた。本書はその進展を踏まえて2013年に改訂されたもの。特にPCRなどの解析技術の発展や、ヒトゲノムプロジェクトの成果などがあり、本書の内容も大幅に変わっているのではないかと想定する。新書(ブルーバックス)だが、内容は読みごたえがある。

    ヒトゲノムの全塩基配列の決定を、人口三万人の都市の電話帳を探しあてたようなものである、と評価し、この「都市」がどのような仕組みで動いているのかという全体像を明らかにしていくのは今後の大きな課題だとしている。この比喩はなかなかうまい。そして、それはおそらくは不可能ではないのだ。それが実現されたとき、何が変わるのかを考えておくことが重要なのだと思う。倫理的なものも含めて大きな課題があるにせよ、この方向は押しとどめることはできないのではないかと思う。

    本書では、著者はややセンシティブな話題についても科学的観点から比較的踏み込んで書いている。たとえば、「事故が原因の生涯被爆が100ミリシーベルト以下では発ガンが増加するリスクは事実上ない」や「BSEの発生確率とその発症にいたる年限を考えるならば、実際問題として全頭検査にかかる費用をかけるほどの意味があるのかどうかきわめて疑わしい」と書く。DNA変換作物についても同様だ。「科学技術と社会の受容性について、常に考えさせられるのは、科学的に十分な理解をした上で、安心という主観的な言葉ではなく、安全性という定量的な根拠に基づく判断が必要だということだ」と書くが、実際のところ、それが最も難しいことのひとつでもある。

    また医療面では、ゲノムコホートの研究成果を予防医学に結びつけることが重要で、国家的に推進していくべきであるという。

    メンデルの遺伝の法則から書き起こしていて読みやすく、ためになる本。

  • ノーベル医学生理学賞を受賞したというニュースを聞き、
    Amazonで購入。増刷されるのを待ち、帯つきの本を手に入れた。内容はさすがにちょっと難しいが、しかし文体は非常に読みやすい。またポイントが項目ごとに明示されているのもよい。気になるところを拾い読みすることもできる。

    特に後半6章「新技術の社会受容性―安全と安心」7章「幸福感の生物学」は、科学者の視点を考える上でも大変興味深い。

  • ゲノムって何?どこにあるの?どんなものなの?研究していくと何が分かるの?
    生物学って面白いなと思った。生き物の秘密が解明されていって、病気の治療に活用されていくのって、なんだか明るくていいな。
    癌の制御、脳神経の病気の治療、もっと進むといいな。

  • 第1章 メンデルからゲノムへいたる道
    第2章 分子細胞遺伝学の基礎
    第3章 ゲノム工学の技術
    第4章 生命科学の新しい展開
    第5章 ゲノムから見た生命像
    第6章 生命科学がもたらす社会へのインパクト
    第7章 生命科学者の視点から

    著者:本庶佑(1942-、京都市、医学)

  • 生命科学の基礎から比較的新しい知見までが網羅されておりゲノムについて体系的に捉える事が出来た。また、生命科学が抱える課題や将来像についても言及されており奥の深い構成で大変参考になった。

  • 旧版が書かれたのは1986年4月。丁度ワタクシ、高校生物を卒業してました。教科書に出てないところで、こんなにエキサイティングな世界が動いてたんですね〜。共通一次では使ったんだけどな、生物。

    生体内を可視化する多光子励起顕微鏡ってすごい!でもNHKの人体シリーズに出てくる8K顕微鏡とどう違うんだろう⁇

    半分くらいまではゲノムの歴史と基礎知識的な既視感満載だったけど、第29〜33項は本領の免疫系。特に抗原の多様性に応えるVDJ組換えの辺りは説得力あり。残りはちょっとだけ脳機能や遺伝子病を掠め、生命像やゲノム工学の倫理的争点(出生前診断とかクローンとか遺伝子組換えとかね)、といった総花的な方向に…。

  • 生命科学の潮流を理解するための良書だが、内容をちゃんと理解するのは容易ではない。でも、ここをちゃんと押さえないと、不思議の多い分子生物学はオカルト的な怪しいものとの区別がつかなくなってしまう面もある。座右の書にしたい一冊。

  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:467.3||H
    資料ID:95130273

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著者プロフィール

本庶佑(ほんじょ たすく)
1942年、京都市生まれの医師、医学者。専攻は分子免疫学で、日本を代表する分子生物学者。2018年、ノーベル医学生理学賞を「免疫制御の分子の発見とがん治療への応用」によってジェームズ・P・アリソンと連名で受賞。
京都大学名誉教授・高等研究院特別教授、公益財団法人先端医療振興財団理事長、ふじのくに地域医療支援センター理事長、静岡県公立大学法人顧問、日本学士院会員、文化功労者。
免疫細胞の働きを抑えるブレーキの役割をもつ分子、「PD-1」を発見しその仕組みを解明。PD-1にブレーキをきかせ、免疫細胞にがんを攻撃させる治療薬を共同研究で生む。ロベルト・コホ賞、日本学士院賞、恩賜賞など国内外で数多くの賞を受賞。2013年文化勲章を受章。

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