新しいウイルス入門 (ブルーバックス)

  • 講談社 (2013年1月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784062578011

作品紹介・あらすじ

ウイルスのイメージは変わりつつある。ウイルスが生物のゲノムの中に入り込み、生物の進化にとって重要な役割を果たしてきたことが明らかになってきたからだ。さらに巨大ウイルスの発見で、ウイルス研究は新段階を迎えた。ウイルスとはどんな形をし、どんな種類があり、どんな働きをしているのか。インフルエンザやノロウイルスといった身近な存在に触れながら、新しいウイルス像を解説する。(ブルーバックス・2013年1月刊)


生物進化にウイルスが深く関わっていた?
ウイルスのイメージは変わりつつある。ウイルスが生物のゲノムの中に入り込み、生物の進化にとって重要な役割を果たしてきたことが明らかになってきたからだ。
さらに巨大ウイルスの発見で、ウイルス研究は新段階を迎えた。ウイルスとはどんな形をし、どんな種類があり、どんな働きをしているのか。
インフルエンザやノロウイルスといった身近な存在に触れながら、新しいウイルス像を解説する。

みんなの感想まとめ

ウイルスの新たな理解を深めるための本書は、ウイルスが生物の進化において重要な役割を果たしてきたことを明らかにします。特に、新型コロナウイルスの影響でウイルスへの関心が高まる中、身近なウイルスの働きやそ...

感想・レビュー・書評

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  • 新型コロナのパンデミックで世界中がエライことになっている中で、改めてウイルスについて知りたいと思って。
    天然痘や麻疹は一度かかったら二度はかからないとされているのに、インフルエンザはなぜ毎年ワクチンを打たないといけないのか。
    ウイルスはそもそも何を食べて?生きて?いるのだろう? ウイルスが生物なのかどうかはともあれ、なんかしている(から病気になる)以上は活動のためのエネルギーをどこからか得ているはずだが、いったいどこから?
    ちなみに最初の疑問については、本書の中にそのものズバリが提起してあって、回答もちゃんと書いてある。やっぱりそういうことだったのか。

    たとえ話等でわかったように思わせる、のではなくて、初心者向けとはいえ本気の解説本で、専門用語が頻出する。生化学や分子生物学の基礎知識がないと読み進めるのは厳しい。だが、頑張ればいろいろと発見もある。バクテリアにくっつくバクテリオファージを、殺菌剤代わりに加工食品に添加することがあるなんて知らなかった。

    当面の課題である対ウイルス防御、つまり免疫反応やワクチンについては本書の守備範囲外だったので、別の本を探してみよう。
    症状が出なかった人も含めて、新型コロナに感染して回復した人は免疫を獲得したってことだよね? つまりまだ存在しないワクチンを受けた状態になっているとぼくは思っているのだが、正しいだろうか? 抗体/免疫ができていることはどうやって調べるのだろう? 免疫を持ったひとが一定数増えたときに、社会的免疫として働くようになって、パンデミックは収束に向かうということなんじゃないだろうか?

  • わかりやすい.
    また,評価の定まっていないウイルスの進化についての最新の仮説についての紹介も面白い.

  • ウイルスに関する一般的な知識に加えて、巨大ウイルス発見という新しい話題、そしてウイルスの起源と生物進化に関するやや突っ込んだ話まで、一般向けに平易に書かれた本である。
    「ウイルスって何?」という疑問が生じたら、まず読んでみるとよいだろう。

    ウイルス(virus)の語源はラテン語の「毒」である。細菌よりも小さく病原性を持つものとして見つかってきた。DNAまたはRNAをゲノムとして持ち、宿主細胞内でのみ増える存在である。
    ウイルスは、自力では複製できないことから、現在、一般的には生物でなく物質と見なす研究者の方が大勢を占めているようだ。但し、この辺りは「生物とは何か」という議論の裏返しでもあり、今後、定説が変わる可能性もある。

    ウイルスが注目されてきたのはなぜかと言えば、もちろん病気を引き起こすからなのだが、ウイルスの存在は、病原体というだけには留まらないのではないかというのが本書の1つのテーマである。
    ウイルスの分類、生活環、病原性のメカニズム、生物進化において果たした役割、巨大ウイルス発見がもたらしたもの、という流れで進んでいく。
    何らかの結論を導き出すには、まだ決定的な証拠を欠く段階であるように感じるのだが、ウイルスの起源や生物の細胞核の発展というテーマはなかなかスリリングで可能性を秘めていると思う。

    著者は努めて平易に書きつつ、一方で参考文献に学術論文も入れるなど、詳しく知りたい人への心配りもあり、親切な本だと思う。
    が、くだけた口調が親しみやすいと思うか鼻につくと思うか、反応が分かれそうな感じが、個人的にはした。


    *個人的におもしろいなと思ったのは、
    ・ノロウイルスと血液型:ノロウイルスは細胞表面の糖鎖に結合することで宿主に入り込む。この糖鎖は赤血球・十二指腸・小腸で共通するものであるらしい。赤血球の糖鎖といえば、つまり血液型を決めているもの。そのため、ある型のノロウイルスにはO型のヒトが感染しやすい、なんてことが実際にあるようだ。どの型のヒトが感染しやすいかは、ノロウイルスの種類によっていろいろのようだ。
    ・インフルエンザの亜型(H○N○といったもの)は、A型インフルエンザについてのみ。BやCでは多少の変異はあれ、亜型を形作るほどではない。
    ・巨大ウイルス、ミミウイルスには、コバンザメのようにくっついてくるヴァイロファージなるファージがいる。正確には感染ではないようだが、ミミウイルスと一緒に宿主に感染し、最後にはミミウイルスを破壊してしまう。
    ミミウイルスにしれみれば、宿主をやっつけて、してやったりと思ったら、自分がしてやられていた、みたいな。

    **病原性を持つ厄介者というだけではないという視点は、細菌を扱った『細菌が世界を支配する』を思い出させる。

    **ウイルスと進化というテーマについては、『破壊する創造者』も参考になるかもしれない。

    **中国発のH7N9インフルエンザウイルス。大流行に転じるかどうかの鍵を握るのは、ヒト間感染がどのくらい広がっていくかだろう。cf.『パンデミック新時代』
    異種間感染から同種間(ヒト・ヒト)感染に変わっていく経緯については、『インフルエンザ・パンデミック』(河岡義裕ほか・ブルーバックス)が参考になる(本書でも参考文献に挙げられている)。但し、本書より骨があるので、少々気合いを入れて読んだ方がよいかもしれない。2009年、H5N1の大流行が危ぶまれていた当時の本であるため、具体例はそちらの亜型に関してだが、大まかなイメージは掴めると思う。乱暴に総括してしまえば、ウイルスがヒト上気道で増殖できるように変異し、その結果、症状も重くなり、咳やくしゃみによる伝播も簡単になるのが1つのキーポイントであるようだ(もちろん、他の要因も絡んでくるのでそれほど単純な話ではない)。

  • 特に興味深かったことは以下の2点。
    ・ウィルスは生物の進化に深く関わっている。例えばウイルス由来の遺伝子は、胎盤の形成に関わっている。
    ・最近になって発見された巨大なウイルスは、光学顕微鏡でも確認でき、生物的な道具立てが整っている。そして、これらは、例えば、真核生物、真正細菌、古細菌につぐ第四のドメインを形成するという仮説もある。

  • 本書の中でも触れられていることだが、ウイルスは全く目に見えないだけにイメージするのが難しく、それ故にいまひとつ理解しづらいと思う。本書は入門ってだけあって、適切な分かりやすい図表が適宜挿入されており、理解し易いように順序だって説明がなされているため、とてもとっつきやすい内容になっていると思う。意外にサラッと読めてしまうのも好感度高いす。

  • 真核生物の核はDNAウイルスが作った?

  • 「さいごの色街 飛田」と一緒に図書館で借りた本。高校生の頃、「お色気本」を買うとき、恥を隠すために「螢雪時代」を買っていましたが、当時の心境に似ています。
    要はカモフラージュで借りた本ですが、良書でした。

    今年ほど人類がウィルスに悩まされた年はないと思いますが、まずウィルスは生物ではありません。なぜなら「ウィルスは宿主の細胞の中に入っていかなければ増殖することができない」からです。「生物は自分自身の力で代謝活動し、増殖できなければならないが、ウィルスは宿主の細胞の中に入り込まないとそれができないのだ」。
    「入門」とある通り、本書は基本形のウィルス、すなわち核酸(DNA/RNA)をタンパク質でできたカプシドという殻が覆っている基本形と分類体系を説明。そして増殖の過程や病原体としてのウィルスをわかりやすく説明します。

    本書には「単なる病原体でなく生物進化の立役者?」というサブタイトルが付いています。ウィルスが生物のゲノムの中に入り込み、生物の進化にとって重要な役割を果たしてきたことが明らかになってきました。胎盤の機能にとって重要な遺伝子に「シンシチン遺伝子」というものがあり、それがかってはウィルスの一種であることが論じられています。そして私たちが哺乳類であり続けることができるのは、私たちの祖先がこのウィルスに感染したためと推理します。

    著者の武村政春さんはDNAやタンパク質など生命に関わる多数の著書を持つ生物教育学の先生。
    「筆者が言いたいのはウィルスは生物のことなど知らないで、ただそこに私たちが細胞と呼んでいるものが厳然としてあって、その中に入り込んでただ増殖しているだけであり、何の他意もないと言うことである」
    この本を読んでいると、新型コロナウィルス自体にも悪意はないということは理解できます。重要なのはウィルスに我々の細胞を晒さないことですね。
    著者の趣味は落語とのこと。そのせいかウィルスを擬人化した例え話も多く、読みやすいブルーバックスになっています。
    ウィルスを知りたい人にお勧め。出版されたのは2013年。今、出版されたら内容も変わったものになったかもしれませんが、ウィルスの基本が3時間程度で理解できます。

  • 本書のサブタイトルも簡易目次もネットには見当たらない(講談社とか紀伊國屋書店とかAmazonとか、がんばってほしい)。


    【書誌情報】
    製品名 新しいウイルス入門
    著者:武村 政春(タケムラ マサハル)
    発売日 2013年01月18日
    価格 定価 : 本体1,000円(税別)
    ISBN 978-4-06-257801-1
    通巻番号 1801
    判型 新書
    ページ数 240
    シリーズ ブルーバックス

     生物進化にウイルスが深く関わっていた?
     ウイルスのイメージは変わりつつある。ウイルスが生物のゲノムの中に入り込み、生物の進化にとって重要な役割を果たしてきたことが明らかになってきたからだ。
     さらに巨大ウイルスの発見で、ウイルス研究は新段階を迎えた。ウイルスとはどんな形をし、どんな種類があり、どんな働きをしているのか。
    インフルエンザやノロウイルスといった身近な存在に触れながら、新しいウイルス像を解説する。
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000194762


    【目次】
    はじめに(武村政春) [003-005]
    目次 [006-011]


    プロローグ 発見された巨大ウイルス 013


    第一章 生物に限りなく近い物質 19
    1-1 ウイルスの形 020
      ウイルスは生物ではない?
      核酸
      タンパク質
      ウイルスの一般的な形と大きさ
    1-2 ウイルスの種類 033
      ウイルスの分類
      DNAウイルスとRNAウイルス
    1-3 ウイルスの生活 040
      ウイルスはどこにいるのか
      ウイルスもやっぱり水の中にいる
      “食べられて”生きていく生物


    第二章 ウイルスの生活環 49
    2-1 ウイルスの増殖 050
      六つのステップ
        ①吸着/②侵入/③脱殻/④合成/⑤成熟/⑥放出
      ウイルスは潜伏する
    2-2 ウイルスと「セントラルドグマ」 066
      DNAとRNA
        ①DNA/②RNA
      セントラルドグマ
        ①転写/②翻訳
      ウイルスとセントラルドグマ
        ①DNAウイルスの「合成」/②RNAウイルスの「合成」

    コラム1 役に立つウイルスたち(その1) 〜医療分野で用いられるウイルス〜 080
      遺伝子治療
      ワクチン


    第三章 ウイルスはどう病気を起こすのか 083
    3-1 ポックスウイルスと天然痘 084
      ジェンナーと種痘
      ポックスウイルスの構造と種類
      天然痘とその発症メカニズム
    3 - 2 風邪のウイルスたち 092
      やぶ医者と風邪
      ピコルナウイルスの構造
      ピコルナウイルスの“悪さ”
      ライノウイルスの感染と風邪の症状
      胃腸炎とノロウイルス
      占いよりも信憑性の高い話〜ノロウイルスと血液型〜
    3-3 インフルエンザウイルスと突然変異 104
      インフルエンザウイルスにはタイプがある
      インフルエンザウイルスの「亜型」
      パンデミック(世界的大流行)とエピデミック(小規模な流行)
      インフルエンザウイルスの構造
      インフルエンザウイルスの生活環と病原性
      インフルエンザウイルスと突然変異 〜修復されないミスコピー〜
      インフルエンザウイルスと突然変異 〜組み合わせが変わる〜
    3-4 エイズウイルス、そしてエマージングウイルス 121
      ヒトT細胞白血病ウイルス
      ヒト免疫不全ウイルス
      エマージングウイルスとは何か
      さまざまなエマージングウイルス
      ウイルスは生物とともにある

    コラム2 役に立つウイルスたち(その2) 〜工業分野で用いられるウイルス〜 137


    第四章 ウイルスは生物進化に関わったのか 139
    4-1 哺乳類の進化におけるウイルスの役割 140
      生物の進化とトランスポゾン
      レトロウイルスから遺伝子への進化
      胎盤
      胎盤の形成に関わる遺伝子
      生物進化に関わったウイルス


    第五章 ウイルスの起源 153
    5-1 ウイルスはどう誕生したか 154
      もともとは細胞だったという仮説
      細胞内の自己複製分子がウイルスになったという仮説
      細胞とは別個に誕生したという仮説


    第六章 巨大ウイルスの波紋 163
    6-1 生物により近いウイルス 164
      巨大ウイルスの“先駆者”クロレラウイルス
      ミミウイルス
      ミミウイルスの構造
      ヴァイロファージ


    第七章 ウイルスによる核形成仮説 177
    7-1 ウイルス工場と細胞核 178
      ウイルス工場とは
      第二の核
      DNAポリメラーゼの分子系統樹
      DNAボリメラーゼαは“共生”したウイルス由来か
      ウイルスによる核形成仮説
    7-2 細胞核とDNAウイルス 188
      細胞核とDNAウイルスの共通点
      ウイルス的な細胞核


    エピローグ 結局、ウイルスとは何なのか 195
      さらに巨大なウイルスの発見
      ウイルスと生物との境界線はなくなるかもしれない
      ウイルス粒子と生殖細胞
      生物の本当の姿、ウイルスの本当の姿
      ウイルスが生きる世界と、生物が生きる世界

    役に立つウイルスたち(その3) 〜食品分野で用いられるウイルス〜 212


    おわりに(二〇一二年 冬 東京・神楽坂にて 武村 政春) [216-219]
    参考図書 [220-223]
    さくいん [224-228]



    著者:武村 政春[たけむら・まさはる] (1969-) 生物教育学、分子生物学、複製論。
    カバー装幀:芦澤泰偉・児崎雅淑
    目次・章扉デザイン:中山康子
    本文イラスト:永美ハルオ
    カバー・本文写真:PPS(図1、図18〜21、図23〜24、図30〜32、図40)
    本文図版:さくら工芸社

  • (特集:「感染症」)
    ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00523708

  •  本書を読めば,私たちが持っている〈ウイルスに対する構え方〉が変化するだろう。〈感染症の原因〉〈諸悪の根源〉のようなウイルスのイメージは,ウイルスの一面しか知らないことから引き出されていることを教えてくれた。

     そもそも,私たちのまわりにはじつに多くのウイルスが存在しているらしい。本書の紹介によると「天然の水の中に,1mLあたりおよそ2億5000万個のウイルスがいる場合がある(海水中には約500万個から1500万個)」という。これは大変だ。がしかし,著者は,視点を変えるとこの数はたいしたことがないとも言っている。たとえば,人間の血液中にある赤血球の数は,1mLあたり40億個も含まれているらしい。「これに比べれば,海水中のウイルスの量など微々たるものだ」となる。

     ウイルスの型わけなども分かりやすく説明してくれている。なるほど,ウイルスの世界にもこんな分類ができるんだなとかしこくなった気がする。今話題のコロナウイルスは,RNAウイルス→1本鎖RNA→コロナ(脊椎動物が宿主)→コロナ→(SARS,新型コロナ)となる。インフルエンザは,RNAウイルス→1本鎖RNA→オルスミクソ(脊椎動物が宿主)→インフルエンザ→インフルエンザ。
     鳥インフルエンザとかトンコレラなどといって騒いでいる時期もあったけど,そもそもウイルスは,もともと細菌・植物・昆虫・脊椎動物など,いろんな宿主に感染しているんだと知っていれば,「それがなぜ人間に…」と考えることもできる。そうすれば,これまでいなかった場所にクマが出てくる現象とつながってくるような気してくる。そもそも,人間の生活を省みる必要はないのか…と。

     新型コロナのように,ときにパンデミックを引き起こすウイルスたちは,人間の細胞の中に入り,細胞が持っているコピー機能を使って自らのコピーを作り瞬く間に増殖する。こうなってくると,ウイルスは「やっつける相手」としか感じられないし,そのときはそれでいいのだとは思う。

     しかし,こういう流行をきっかけに,いったいウイルスとは何なのか。なぜ,生物が持っているDNAやRNAを持っているのか。そもそも,生物の細胞の中のDNAやRNAとどこが違うのか…いろいろと気になってくるのも仕方ない。そして,その振る舞いを見るにつけ,生命の基本の部分にウイルスがいるのではないかとも思えてくる。
     この辺りに興味がある人は,是非,本書を手に取って読んで欲しい。
     ところどころ,ユーモアのある表現もあって,難解な内容を説明しているわりにはとっつきやすいと思う。
     

  • まずこのご時世ウイルスが人工に膾炙しているわりに、自分がほとんどウイルスについて知らなかったのでこの本を手に取った。内容は、生物学を全く知らない人には読みづらいかもしれないが非常に面白いものだった。
    ウイルスの構造、生活環、多様性や生物との違いなどしっかり学ぶと似て非なるものが多々あり非常に興味深く感じた。個人的に学びとなったのは、哺乳類の胎盤はもともとウイルス由来の遺伝子によって作られるものであること、ウイルスの起源の仮説、多細胞生物の本当の姿の考察、また食品添加物にウイルスが利用されていることなどである。ウイルスを悪者のようには思えなくなりそうだ。

  • 新型コロナの影響?で、ウイルスに関する本を読むようになりました。
    単なる病原体

  • ウイルスについて何も知らなかったのでいろんな新発見があっておもしろかった。そもそもウイルスって分類すると生物じゃないのね。そんなことも知らなかった。私たち真核生物の細胞の中にある細胞核って、もしかしたら太古に感染したウイルスかも?っとかいう説にもドキドキする。恐ろしいことに、この本読んでたらウイルスに感染して風邪をひいてしまった。まるで呪いのビデオのような感染コードがどこかに隠されています。ウイルス恐るべし。

  • 核酸(DNAあるいはRNA)を持つが細胞膜は持たない。自己複製能を持つが、単独では生きていけない。ウイルスは「限りなく生物に近い物質」と見なされているそうだ。しかしウイルスが生物か否かは定義上の問題であって、本質的な問題ではないと思う。生命の起源が自己複製能を持った有機物だったとすると、それはまだ現代の定義で生物と呼べるものではなかったであろう。結局、生物は無生物から進化してきたのだ。そして生物進化のかなり初期の段階で支流となったウイルスは、その寄生性から生物進化に大きな影響を与えながら、受けながら、今に至るのだろう。

    プロローグ  発見された巨大ウイルス
    第一章 生物に限りなく近い物質
    第二章 ウイルスの生活環
    第三章 ウイルスはどう病気を起こすのか
    第四章 ウイルスは生物進化に関わったのか
    第五章 ウイルスの起源
    第六章 巨大ウイルスの波紋
    第七章 ウイルスによる核形成仮説
    エピローグ 結局、ウイルスとは何なのか

  • 面白かった。ウイルスに関しての入門書的な。それぞれのテーマに深入りはせずに、網羅した感じ。しかし最後には、最新のトピックであると思われる、細胞核ウイルス起源説ウイルスについて触れられる。どうやら著者もその仮説の提唱に関わった第一人者である、との記述もある。

    ウイルスは生命ではなく、物質であるが、核酸を持っていたり非常に複雑な動きをするために、単なる物質とも言えないというモヤモヤがあったが、ウイルスはどうやら生命(の少なくとも一部)の起源となったようだ、という話が出てくる。これは非常に興味深い。これからどう流れていくのか、ことの次第によっては、ご先祖様が空気中に溢れている、と認識する日がくるのかもしれない。

  • 進化にもかかわるウイルス

  • 巨大ウイルスの発見で、ウイルス研究は新段階を迎えた。ウイルスとはどんな形をし、どんな種類があり、どんな働きをしているのか。

  • ウイルスの基本的な構造・生活環、ウイルスによって病気が起こる仕組みから、ウイルスの起源と生物進化との関わりについての最先端の研究の知見まで、薄いわりに内容のぎゅっとつまった本。DNAとRNAの違いやセントラルドグマなど、基本的な話から始めてくれるので、初心者にもおすすめ。

    「ウイルスは生物ではない!」なんて思っていたが、いよいよそんなことも言ってられなくなってきた。ホットで興味深い話題がたくさん!もっと詳しく知りたい。

    ・ノロウイルスの感染と血液型には関連がある?
    ・タバコモザイクウイルスの内部の細長い空間を使ってナノマシンをつくる試み
    ・私たちヒトゲノムのおよそ半分に、ウイルス由来の塩基配列がある!
    ・有胎盤類の胎盤形成に関わる遺伝子が、かつてレトロウイルスだったときのエンベロープ形成に関わる遺伝子に由来していた。(内在性レトロウイルス配列)
    ・最小の生物といわれるマイコプラズマを凌駕する大きさ、遺伝子の多さ、複雑さを持つ巨大ウイルス(ミミウイルス)の発見は、生物とウイルスの境界をより曖昧にさせた。
    ・ミミウイルスにくっついて一緒にアメーバに感染するウイルス、ヴァイロファージ
    ・真核生物の核形成は、DNAウイルス由来である?
    ・自身の2つの核のうちひとつを、まるでウイルスのように、ほかの紅藻の細胞に注入して寄生する紅藻がいる!

  • ウイルス学のここ20年分くらいを進化の側から書いたもの。感染症側からじゃないのが面白い。

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著者プロフィール

東京理科大学教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部 教授

「2026年 『デジタル時代の妖怪学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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