海はどうしてできたのか (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 209
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062578042

作品紹介・あらすじ

宇宙で唯一知られる「液体の水」をもつ海は、さながら「地獄絵図」の原始地球でいくつもの「幸運」の末に産声をあげた。しかし、それはわたしたちにとっては、猛毒物質に満ちたおそるべき海だった。原始海洋が想像を絶する数々の大事件を経て「母なる海」へと変容するまでの過程から46億年の地球進化史を読み解き、将来、海が消えるシナリオにまで迫る。

感想・レビュー・書評

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  • ◯山、川と読んで、順不同ながら三冊目を読み終わった。海の生成についてのみ扱うのかと思いきや、そこは地学の本、やはり幅広く地球に関して扱われており、どちらかというと、地球の始まりから終わりまで、というタイトルの方がピッタリきそうな印象だった。
    ◯第二部の終わり、悠久の時の中でその姿を変えてきた地球を思って書かれている内容に、思わずグッときてしまう。
    ◯また、地球の遥かなる未来と近未来について、最終章の最後に記載されているが、自分という人間の小ささと、自然への影響の大きさを感じさせる。
    ◯なぜこの地球で生命が誕生したのか、現象として理解しても、その意味を見出すことは、生きるものにとっての最大の使命なのかもしれないと思うが、少なくとも、現象を通して得られるものがあるのかもしれないと思う。そういった感傷によって、自分は地学に引き寄せられているんだなと認識した。

  • 水の惑星と言われる地球。その水の大部分は海にあるが、本書では、その海の地球史的な変遷と、プレートテクトニクスを基本とする海洋地形の形成について大きなスケールで描かれている。原初の海に発生したシアノバクテリアが当時の生物にとっては有害な廃棄物であった酸素を生産し、その活動によって現在のような窒素と酸素を中心とする大気を形成したなど、偶然のようなできごとを著者は共進化と呼んで、現在の地球へと至る道筋を示してみせる。また、後半では、10億年後におとずれるという海の消滅という仮説を描いてみせる。海洋の水がプレート境界の海溝からマントルに吸い込まれてしまうというちょっと信じられないような話だが、46億年と言われる地球の歴史で地球内部からの熱供給源である放射性元素がいずれ枯渇し、地球は冷えていくという。考えてみたこともなった説明に興奮した。

  • 同じブルーバックスの『地球進化 46億年の物語』が難しかったので、そのガイドブック的なことを期待して読みました。期待通りでした。

    海がどのようにできたかは、地球がどのようにできたかに関することなので、その点についても興味のあるある方は是非。

  • 著者は、海底地形の専門家らしい。本書は地球進化史だが、どうも力不足。後半の海底地形のところはおもしろい。
    印象深い本3冊
    レイチェル・カーソン われらをめぐる海
    シルヴィア・アール シルヴィアの海
    シンディ・ヴァン・ドーヴァー 深海の庭園

  • 地球の成り立ち、海の成り立ちがわかる本。
    遠い未来、火星のようにすべての水が地上からなくなってしまう可能性があるらしい。

    この壮大な物語の一部を自分が関わっているのが信じられない。
    この世がなんのためにこうなっているのかがわからない。

    人間自体、自分自身があるような、ないような、そんな世界に生きている。

  • 海の誕生を語るには、宇宙科学と地球の歴史を知る必要がある。海の歴史を語るには、分子化学と生命の誕生を知る必要がある。海の形を語るには、物理学とプレートテクトニクス論を知る必要がある。

    海の全てを知る事とは、この世の全てを知る事と同義なのではないかと勘違いするほどの深淵を、新書一冊にまとめあげたのが本書だ。

    生命誕生や断層など、詳細については専門の一冊の方が詳しいのは間違いないが、海の誕生から現在までの変化を一連の流れで概観出来る。

    海の生物、深海の圧力、探査機の性能。本書に書かれていないことは多いが、そんな部分にまで想いを馳せるきっかけとなる一冊。

  • [墨田区図書館]

    進化について気にし始めた小1の息子のために片っ端から「進化」をキーワードに図書館検索して借りてきた一冊。

    ただ、表題からもわかるように「海」に関する本であることと、見るからに大人向けだったので一人でざっと目を通したのだが、地球誕生から現代までの海の歴史を、「1年表記」の観点で述べていたのが面白かった。

    進化に関する本を数冊読んだら、45,6億年前の地球の誕生から今までを1日に例えた年表などは各書で眼にしたが、1年に例えたのは初めて。その理由はざっくりと、生物誕生→恐竜の衰退→人類の出現などの観点から紹介するだけでなく、もう少し細かな時間軸で歴史を語りたかったからだろう。

    ただそこまで説明の尺度を引き延ばしても、人類誕生は最終日の夕方。ホント、まだまだだね。

  • 原始海洋が数々の大事件を経て「母なる海」へと変容するまでの過程から46億年の地球進化史を読み解き、将来、海が消えるシナリオにまで迫る。

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著者プロフィール

藤岡換太郎(ふじおか かんたろう)
1946年京都市生まれ。東京大学理学系大学院修士課程修了。理学博士。専門は地球科学。東京大学海洋研究所助手、海洋科学技術センター深海研究部研究主幹、グローバル・オーシャン・ディベロップメント観測研究部部長、海洋研究開発機構特任上席研究員を歴任。現在は神奈川大学などで非常勤講師。潜水調査船「しんかい6500」に51回乗船し、太平洋、大西洋、インド洋の三大洋人類初潜航を達成。海底地形名小委員会における長年の功績から2012年に海上保安庁長官表彰。

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