大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)

  • 講談社 (2013年8月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784062578271

作品紹介・あらすじ

私たちは「どこ」に存在しているのか? 物質の基本は「点」ではなく「ひも」とする超弦理論によって、ニュートンの力学、アインシュタインの相対性理論に続く時空概念の「第三の革命」が始まった。現代物理学における究極のテーマ「重力理論と量子力学の統合」にはなぜ「ひも」が必要なのか? 「空間が九次元」とはどういうことか? 類のない平易な説明の先に待ち受ける「空間は幻想」という衝撃の結論!


物質の基本は「点」ではなく「ひも」――これが「超弦理論」の考え方です(「超ひも理論」と同じですが研究者は超弦理論と呼んでいます)。しかし、なぜ「ひも」なのでしょうか? 超弦理論は物理学者の悲願「量子力学と重力理論の統合」を期待される最先端の理論ですが、それだけに難解です。
●なぜ「点」ではなく「ひも」なのか?
●なぜ「弦理論」ではなく「超弦理論」なのか?
●なぜ超弦理論は9次元あるいは10次元の理論といわれるのか?
●なぜ超弦理論では量子力学と重力が矛盾しないのか?
多くの人たちの理解を阻んできたこれらの「壁」に、『重力とは何か』『強い力と弱い力』(いずれも幻冬舎新書)がベストセラーとなった大栗先生が挑み、誰にでもわかる、しかしごまかしのない説明にチャレンジします。なかでも「次元の数」が決まる理由の謎解きは圧巻です。そこでは、あのオイラーが発見した、ある驚異的な公式が大活躍します。読んでいくうちに空間は9次元であると当たり前のように思えてくるでしょう。
そして最後には、とんでもない疑問に突き当たります。「私たちが存在しているこの空間は幻想ではないか?」というのです。空間は9次元だと思ったら、実は幻想だった! 世界の見方が根底から覆る衝撃を、ぜひ体験してください。
本書はブルーバックス創刊50周年にして初めて、表紙の書名を縦書きにしています。そこには、この難解な理論を「日本語の力」で説明してみせるという著者と編集部の思いが込められています。
※早刷版をご覧いただいた読者モニターの方からは、さっそく次のようなご感想をいただきました。
「何が問題で、どう解決したのか。私自身が謎解きをしているようでした」
「誰もが一度は考える物質や時空の成り立ちに、 こうも広大な知の営みがある。この世界や、生きていることの素晴らしさが実感できる、 いつまでも心に残る最高の一冊です!」
「一見浮き世離れしたような理論をこれほどまで読みやすくわかりやすい表現で明示
した労作は前代未聞。理系を毛嫌いするすべての老若男女に一読を勧めたい」
「現代の理論物理学が難解なのは、理論が進化してきた過程が見えなくなっているからだ。大栗先生は300頁に満たないこの本で『進化のはしご』を再現するという離れわざをやってのけた」

みんなの感想まとめ

物質の基本が「点」ではなく「ひも」であるという超弦理論の魅力を、平易な言葉で解き明かしています。著者は、難解な理論を図解を駆使しながらわかりやすく説明し、物理や数学に苦手意識のある読者でも手に取りやす...

感想・レビュー・書評

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  • 西山事件というと沖縄返還における密約を新聞記者が暴いたが、その情報入手の手段が外務省の女性事務官に対する色恋によるそそのかしであるというもの。本書を読む前に読んでいた山崎豊子の『約束の海』で改めてそのストーリーを追っていた。その女性事務官の抗弁に「女性は情交した相手に逆らえないものだ」というセリフがある。真相は不明だが、少なくともそうした意見があったという事だ。なんでこの話かというと、同時並行で読んでいて頭が混乱してしまったのだが、次元の違う「超ひも理論」である・・・。

    もとい。量子力学の超弦理論、イコール超ひも(紐)理論である。なぜ紐かというと、量子を最小単位で捉えようと追求していくと、「点」のイメージになるが、点は正確には「・」のように面積を持つものではなく、これが線や面にならぬから「点」なのであり、ゼロポイントである。だが、これが本当にゼロならば、境界のない存在にエネルギーが内包され、質量が無限大になってしまう。そのため重力の理論と量子力学を矛盾なく組み合わせる新しい理論が必要。そうした必要に迫られて、考えられる理論の選択肢を順番に潰していった結果として残ったのが、物質の基礎が「ひも」であるという超弦理論だった。つまり、点粒子などは考えず、電子に大きさがあるとすれば、無限大の問題は解消できる。超弦理論の発想の原点はここにある。その大きさを形容するために、線、紐、ひも状を仮定する必要があった。

    このひもが振動する様式によって、電子やクォーク、光子などの性質が決まる。点ではなくひもであることで、エネルギーが空間に広がり、無限大の問題が回避される。

    分かるような分からないような、だが、分かった気にさせてくれるのが本書の素晴らしい所。特に自然界における四種類の力の説明は他の本でも読んだことがあるが、本書の分かりやすさが抜群だった。強い力 >電磁気力>弱い力>重力という図式。

    ― 自然界には重力・電磁気力・強い力・弱い力という四種類の力があることがわかっています。「重力」や「電磁気力」については古くから知られていましたが、二〇世紀になると、自然界にはあと二つ、「強い力」と「弱い力」という力があることが発見されました。強い力は、クオークを互いに引きつけあって、陽子や中性子をつくる力です。また、弱い力は、原子核からの放射線の原因となる力です。強い力は電磁気力より「強い」、弱い力は電磁気力より「弱い」ので、このように呼ばれています。あまり専門用語らしくありませんが、二つとも素粒子の間に働く基本的な力です。

    ― 弱い力は名前が示すように電磁気力よりも弱いのですが、重力はそれよりもはるかに弱いので、これまで地上でおこなわれてきた素粒子実験においては、重力を無視した標準模型でもその結果が説明できたのです。

    最も分からないのは9次元のイメージだ。次元の異なる「超ひも理論」、3次元の座標で描く世界線がパラレルに存在するなら、4次元、5次元と増幅させていく事も可能なのかもしれない。ひもの振動が面を描き2次元から3次元を創るように、世界の振動が+次元のイメージを可能にするのではないかと。そこで、振動するだけではなく、結び付けるイメージとしての紐(ひも)に帰ってくるわけだ。言葉の揺らぎが、多世界解釈に繋がっていく(・・ギブアップ)。


  • 私たちは習慣によって、
    重力があったり、
    次元があったり、
    空間があったりすると思うが、
    現実に存在するのは……
    (p.248)”

     『重力とは何か』、『強い力と弱い力』といった優れた啓蒙書を世に送り出してきたカリフォルニア工科大学カブリ冠教授 大栗博司。本書のテーマは、まさに彼の専門分野である「超弦理論」だ。

     超弦理論に関しては、「物体は極微のひもから出来ている」、「空間は三次元ではなく実は九次元」といった何ともワクワクさせられる煽り文句(?)が広く人口に膾炙していると思う。一方で、その内実、つまり「『なぜ』物体がひもから出来ていると考えるのか」、「九という数字は『どのように』導かれるのか」といったことはほとんど知られていないのではないだろうか(もちろん僕も知らなかった)。超弦理論は現代物理学の最前線にある理論で、当然かなりの難解さを誇るわけだが、本書は、専門家が理論のエッセンスを噛み砕いて一般向けに易しく、しかもなるべく誤魔化しを入れずに解説してくれている貴重な一冊だ。また、当時の研究の現場の活気溢れる様子を紹介できるのも、第一線で活躍してきた筆者ならではだろう。

     扱われているのは次のようなトピック。
    ・標準模型の限界
    ・なぜ点ではなくひもなのか
    ・超対称性とは何か
    ・空間の次元はどのようにして決まるのか
    ・双対性のウェブ
    ・AdS/CFT対応
    ・時空とは一体何なのか
     個人的には、九次元がコンパクト化されて三次元になる、六次元多様体「カラビ-ヤウ空間」のオイラー数から素粒子の世代数が決定されるというのが興味深かった。

     ただ、これだけ難解な理論を数式を用いず言葉だけで説明するというのにはやはりどうしても限界がある。「なるほど!」と腑に落ちたこともあったのだが、正直なところ、僕には理解が追いつかない箇所が多かった。特に、空間次元D=9を導く過程で、例の
    1+2+3+4+5+…=-1/12
    という式を使っているけれど大丈夫なのか?(Re s>1でしか成り立たないはずのζ(s)=Σ1/n^sという関係をs=-1に適用しているが…)
    多分問題ないのだろうとは思うが、モヤモヤが残る。

    1 なぜ「点」ではいけないのか
    2 もはや問題の先送りはできない
    3 「弦理論」から「超弦理論」へ
    4 なぜ九次元なのか
    5 力の統一原理
    6 第一次超弦理論革命
    7 トポロジカルな弦理論
    8 第二次超弦理論革命
    9 空間は幻想である
    10 時間は幻想か
    付録 オイラーの公式


  • 日本においてヒモ理論といえば大栗さんですが、私自身まだまだ理解が追いついていません。
    Newtonなどでは断片的に理解していましたが、本書ではなぜ次元を高次元にし、そして点ではなくヒモでなければ成立しないのか?がよく理解できます。
    一方で、これを完全に理解するためのトポロジカルな見識が私には不足していて、ところどころ不明な部分もあります。
    他の専門書と合わせてまた読み直したい1冊です。

  • 超弦理論を判りやすく説明していて流石です。難しい数式もほとんど使わず、図解を駆使して概念を説明しているので、ちょっと物理や数学は苦手…という人も手に取りやすい&理解しやすいかと。
    研究の当時の熱気含めて書かれてるので、そういう現場の雰囲気含めて堪能しました。
    (ちょっと古い本になりますが、はじめての〈超ひも理論〉 (講談社現代新書)を併せて読むと、ブルーバックスの方ではサラッと「知ってますよね」前提で書かれてる辺りを補完しながら、宇宙論との関係など理解してさらに読み込めるかと)

  • 一般相対性理論(重力の振る舞い)と量子力学(素粒子の振る舞い)とを統合できるかもしれない、「究極の理論」の候補のひとつである超弦理論の概説書。難しかったけど興奮した。そもそも、次元が9つあるということに慣れるまでに時間がかかったとはいえ、大栗氏のおかげでいくらか理解した気にはなれた。(そして、哲学にも造詣の深い氏が超弦理論を研究していることになんだか納得。)

    本書で特筆すべきは、というかもっとも驚いたのは、「重力のホログラフィー原理」だ。ブラックホールの事象の地平線の内部は、光も吸収してしまうから観測しようがない。でもなんと、ブラックホールの表面に張りついた弦の振る舞いを見るだけで説明できてしまうという!

    まだ観測などによってあまり証明されてはいず、まるであまりにも精緻なパズルを解いているようなおもむきのある、ある意味思弁的でもある研究分野だが、しかしそれによって重力も素粒子も説明できてしまうというのが面白い。

  •  文系が頑張って読んだ。ひも理論。超弦理論だ。
     いや、読み流した。
     というより、50%以降はフィーリングだ。。。
     すっごいわかりやすい、フェルミオンとボゾンのイラストでの説明。「…で?」と思ってしまうが、まあ、頑張って読み進むのだ。
     ハイライト、56人が引いているところ。
    「超対称性とは、この回転対称性の概念を超空間にまで拡張したものです。超空間の座標は、普通の数とグラスマン数の両方からできています」
    「…お、おう…。」
     もうほんと全部パスタで説明して欲しい…。徹頭徹尾パスタでいって欲しい。
     9次元、25次元、読んでるときは必死で考えているけど、こう、後でまとめるとかはできん。できんけども、こういう世界があることはうっすらわかった。
     わたしたちの三次元の+時間経過の四次元の一瞬のことについて書いてもある。ここは参考になる。
     そしてさらに突き詰めて、
     「わたしたちは習慣によって、
      重力があったり、
      次元があったり、 
      空間があったりすると思うが、
      現実に存在するのは…」
     この「・・・・」に当てはめるべき言葉を知らないという。重力や次元や空間は幻想であることが確かである!!!!でも本当のこと、根源的な理解に達していない…。
     なんかどこかで聞いたことのあるような話。
     人間ってなにやっていても、こういうところに行き着くのだろうか。
     それにしても数式で様々なことを解き明かしていくというのはすごく不思議で痛快でもある。数式見てもまったくわからんけど。
     仏教的時間空間の話を理解するために読んだのだけど、まあ、このくらいで勘弁しておいてやるという心持ちである。
     でもわからんなりに読み通せたので、この大栗先生のお話は面白い。YouTubeも見た。そんな気なくて読んではまる人もいるかもしれない。という感じの本。

  • 最新の理論を、空間は幻想だというとろこまで、分かりやすく説明してくれる。読み物としても、面白い。

  • 同じ著者の「重力とは何か」が面白かったので、それに続いての読書です。
    やはり後半の内容は難しかったですが、様々な例えを使って、自分が研究していることを素人にもわかってもらおうという、著者の情熱を強く感じました。
    また、「あとがき」で納税者への感謝が述べられていたりして、著者は研究者として優れているだけでなく、人格も素晴らしいと思いました。

  • 「なぜ、点ではいけないのか。点とは部分を持たないものである。」で始まる、物質の最小単位・サイズ・形状をめぐる超弦理論が展開する挑戦の物語。夏休みから秋にかけてのお薦めの一冊。

  • 最新の物理学はとんでもないことまで進んでいる事がわかった。
    ただ、あまりにも人間の感覚と離れた世界なので、「分かる」というのがいったいどういうことなのかが分からなくなる。

  • ポイントは3つ。超弦理論は数学的矛盾の解消を根拠とし、実験や観測で証明されてないながらも物理学の統一理論として最有力候補であること。二つ、超弦理論へと至る素粒子論はこれまで湯川・朝永から南部・小林・益川とノーベル物理学賞を受賞してきた日本人がその研究をリードしてきたが、そのバトンを現在は大栗先生が継承していること。そして三つ、超重力理論と超弦理論を交差させることで9次元と10次元の壁は定数の変化で乗り越えられるものであり、これを突き詰めればいつか2次元と3次元の壁を超える理論も夢ではないってこと。イエィ。

  • 「宇宙は本当にひとつなのか」「宇宙はなぜこのような宇宙なのか」を読んで、最新の宇宙論を知ると、最終的にそれが、現代物理学で相対性理論と量子力学とを結びつける最有力候補である「超ひも理論」(この本では超弦理論)と密接に結びついているようだということがわかりました。
    そこに、この本が現在科学書としては異例のベストセラーになっているという記事を見かけたので、早速買って読んでみました。
    最先端の理論を相当がんばって噛み砕いて説明してくれているのですが、それでもやはりかなり難解。9次元や10次元の空間の性質・幾何学を数学的に解くことによって求め、実験的に明らかにされているクオークなどの既知の素粒子の性質との適合性をみることで理論の正しさを確認して行こうとしているようだということはおぼろげに感じ取れましたが、日常体験とはかけ離れた感覚の世界で、もはやSFとの区別がつかない感じです。
    ただ、いかに常識的な感覚外のSF的世界のように見えても、そこから得られた計算結果が現に実験的に確認(または否定)されているというのは、まさに科学。すごいし、おもしろいと思いました。

  •  天才である大栗博司教授が、自身の専門である超弦理論の進展を数式なしに正確な説明を試みたものである。超弦理論は、物質や宇宙はどのような仕組みで存在しているのかを解明するための有力な手段であると見られている。素粒子が点ではなく2次元の弦であると想定して理論構築してみると、現在主流の標準理論よりもうまく説明できる場合が多々あるとのことである。
     難解な学問を一般人にもわかるように、かつ変な比喩にならないような説明は、けっこううまく行っている様に思える。他にも一般人向けの素粒子物理学系の解説書を書いたり講演しているだけのことはある。
     しかし、たとえば回転対称性など、この人には自明なことも一般人には難しく、説明がいまいち力が入っていないと感じられるところもある。もともとが難しい学問分野なのだから、そう簡単に理解できるものではなく、なんとなく分かったような分からないような読後感でも十分なのかもしれない。

  • 幻冬舎から新書で出ている「重力とはなにか」、「強い力と弱い力」に続き、ブルーバックスでも大栗先生の本が出版された。幻冬舎の二冊では、今非常に注目をされている物理の話題が、分かりやすく説明され、楽しくて知的好奇心をそそられる本だった。
    本書は、先生の専門である超弦理論について物理学を本格的に学んでない人にも丁寧に解説し、様々な比喩を用いてイメージがつかめる様に工夫されている様だ。ブルーバックス50周年を記念したこともあるのか、専門領域ということもあるのか、本書は普通の教科書的なものではなく、なんというか熱意の伝わってくるものを感じた。
    書かれている内容については、朝日カルチャーセンターでの講座を聴いていたのが理解の助けとなり、かなりスムーズに読めたと思う。ただ、ゲージ原理の説明を金融市場のたとえで説明されていたので、そういう素養のない自分には少し理解が難しかった。
    本書も先生の手書きのイラストがふんだんに使われており、見るだけでも楽しいと思う。理論物理の最先端に関する一冊、何度でも読み返したい。

  •  超弦理論が非常にわかりやすく説明されていて、超弦理論の持つ意味、役割がどういうものなのかイメージできるようになってきた。超弦理論を歴史的経緯とともに紐解いていくことで最終的に、空間、そして時間が幻想であるという大胆な仮説が登場する。一見受け入れがたいこの仮説についても、どうしてそのような仮説が成り立つのかが隙なく説明されていて認めざる得ない。とはいっても分子の振動が温度に繋がるという感覚がようやく受け入れられるようになったぐらいではやはり抵抗がある。分子論のように超弦理論も身近な物になれば受け入れやすくなるのだろうか。
     そして大栗先生の本は本当に分かりやすい。分かりやすくするために数式を使わず文章だけで説明している本は多いが、かえって分かりにくくなっているものが多い。しかし本書は文章だけで説明しているのにもかかわらず分かりやすい。やはり大栗先生が超弦理論の最先端の研究者であることが大きいし、何をどうを伝えれば理解してもらえるのかを理解していて、さらには伝えたいという気持ちが分かりやすさにつながっているように思う。

  • 宇宙は「ひも」でできているという話を聞いたのは30年くらい前、大学生のころでした。

    当時、物理科に籍を置いていた私は、ミクロな世界では、常識に反した不思議なことが起きるという量子力学を習い、実際にトンネル電流を測定する実験を行い、(実感として)確かに素粒子は確率的に世界に存在しているのかもしれないと思うようになっていました。

    そんな私でしたが、物質を細かくこまかくしていくと、最後には「ひも」になるとか、世界は26次元でできているといった弦理論については、「そういう数式が当てはまるだけでしょ」って冷ややかな目で見ていました。

    そう、10年もしたらこの仮説はもっとよい仮説に置き換わるだろうって。
    少なくとも、「ひも」はないよなぁって。

    ★★★

    ところが、本書を読んで何故、点ではなくひも(正確には弦=一次元)でなければならないのか、どうして、空間が9次元(10次元)でないと安定して存在できないのかということが分かったような気になりました(実際は分かってないのですが)。

    空間とは何か、時間とは何か、宇宙の初めに何が起こったのか、、、それは、ほんの短い時間しか生きられない人間にとって最大の興味なのではないでしょうか。

    難解な話をこんなに分かりやすく説明できる大栗先生に嫉妬すら覚えつつ、、、。

  • 大栗さんの本は前2冊の新書同様、文系の私でもわかりやすい。あっという間に読んでしまった。ブルバーックスをこの速度で読めるなんて驚き!ブルーバックス創刊50周年で、初の縦書きだそうで、内容とともに記念すべき一冊となったように思う。6月に講座をきいた時にオイラーの公式の解説についていけなかったので、本書に付録として解説が載っていたのはありがたかった。本書では「重力のホログラフィー原理」が比較的わかりやすく書かれており、理解が少し進んだように思う。しばらく時間をおいて再度読んでみたい。

  • Caltech の大栗先生のブルーバックス本。空間・時間とはの問いかけから始まる。3次元空間とか温度とかはミクロな世界の「ひも」の織りなす深遠な物理学の一端であり、人間はその「幻想」を見ているに過ぎない。科学的な興奮と、世界の真理を理解することへの途方もないハードルを同時に味わえる。物理を階層構造で捉える要素還元主義。ある階層で生じた無限大の問題を、よりミクロな階層へと先送り(無知の仕分け)する「くりこみ」の手法は理論でよく聞いたが、sweep under the rugだった(ただ、他の分野に手法として転用されて生きてる、経済物理学とか。通信にも使えないか。)量子力学の不確定性原理による距離のゆらぎが支配的なプランク長スケールのミクロな世界では、 “ミクロ”を正確に扱えず、くりこみが破綻する。LHCの一京倍のエネルギーでミクロの観測実験を行おうとするとブラックホールが出来て、事象の地平線の向こう側に結果が覆い隠される。標準模型の17種の素粒子を統一的に説明しようとした1次元の振動する弦の理論。点粒子と弦のファインマンダイアグラム。点→弦にすることで無限大問題解決すごい。開弦の横波→光子(電磁波)。閉じた弦の最も単純な振動モード→重力子。物質を構成するフェルミオンと力を伝えるボゾン。弦理論はボゾンだけ、超弦理論はフェルミオンも含む。同状態レベルに2粒子入れないフェルミオンを説明するためのグラスマン数(θ×θ=0)を考慮した超空間。グラスマン数次元の振動がフェルミオン、xyzの振動がボゾンでその間の回転対称性保証が超対称性。南部先生の自発的対称性の破れにより隠れる電磁気力と弱い力の対称性。弦理論ではオイラーの公式(1+2+3+…=-1/12を用いて25次元空間が予言される。超弦理論では9次元。ゲージ対称性は32次元回転対称性によりアノマリー相殺。クォークの世代数が3なのは、オイラー数が6のカラビ-ヤウ空間を使って6次元コンパクト化しているから。双対性のウェブでM理論として統一される5種の超弦理論と10次元超重力理論。Dブレーン上に貼り付く弦の端。事象の地平線上の開いた弦。マルダセナのAdS/CFT対応による事象の地平線のホログラフィー現象と、空間幻想説。時間もエントロピー増大してるだけという観点では幻想。数式を使わずにごまかしなく分かりやすく、2013年当時の超弦理論最前線の景色を見せてくれる素晴らしい本だと思います。

  • 難しいが面白そうな雰囲気。

  • 【おすすめポイント】物理学分野では、自然界に存在する4つの力、電磁相互作用・弱い相互作用・強い相互作用・重力、を統一的に説明できる「万物の理論」の研究が進められています。その理論に最も近いといわれている理論が「超弦理論(超ひも理論)」です。本書では、超弦理論の第一人者の先生が理論の内容を易しく解説しています。

    【請求記号】ブルー420:Og
    【配置場所】習志野:1階新書庫右
    【URL】https://libopac.toho-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/BB00265046

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著者プロフィール

カリフォルニア工科大学フレッド・カブリ冠教授/ウォルター・バーク理論物理学研究所所長
東京大学カブリIPMU主任研究員
米国アスペン物理学センター所長

「2018年 『素粒子論のランドスケープ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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