死なないやつら (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 374
レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062578448

作品紹介・あらすじ

生命とは何か? かつて多くの賢者が考えあぐねてきたこの根源的な問いに、私たちはいまだに答えることができません。
ならば、極端な「エッジ」を眺めてその本質をあぶりだしてみよう、というのが本書の出発点です。
超高温、超高塩分、強度の放射線、強度の重力……
過酷な環境をものともしない「極限生物」たちの驚異的なたくましさは、過剰としかいいようがありません。
ヒトの致死量の1000倍以上の放射線に耐えるやつ、地球上に存在しない強烈な重力に耐えるやつ…思わず「その能力、いらんやろ?」とツッコみたくなります。
わずか1マイクロメートルほどの微生物にすぎない彼ら、小さなチャンピオンたちを見ていると
「いったいなぜこんな進化をとげたのか?」という疑問にとりつかれ、「生命」がますますわからなくなってきます。
そして、人類は本当に地球でもっとも進化した生物なのかどうかも、怪しく思えてきます。地球最強の生物は「ハロモナス」かもしれません!
しかし、実はこの「わけのわからなさ」にこそ生命の本質があります。
酸化も還元もしない「不安定な炭素化合物」であるにもかかわらず、生命が地球上で40億年も続いてきた謎の答えがあるのです。
なぜ宇宙に生命ができたのか? これから私たちはどう進化していくのか? 
次々に突きつけられる問いを考えていくうちに、生命についての見方がまったく変わってしまう経験があなたを待っています。
世界中の極限環境を歩いた「科学界のインディ・ジョーンズ」の面目躍如、文句なしに面白くてエキサイティングな生命論です!

感想・レビュー・書評

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  • 極限環境に棲んでいる生き物の話がずっと続くのかと思っていたら、もっともっといろんな話が展開されて面白かった。生物学というか生命学、進化論、メタ思考…

    生命誕生の可能性についての認識が生物学者と物理学者とでそんなに違うものなのかというのも驚いた。自分も物理学者的な考えをしていて、太古の地球と同じ環境を用意すればきっと同じように生命が誕生するんじゃないかと思っていたけど、生物学者的にはそうでもないらしい。

    基礎知識がなくて十分消化できてないけど、とても興味深く読んだ。

  •  物騒なタイトルですが、まじめな生物の本です。中心となるテーマは、極限環境に生息する生物の性質や進化を通じて、生命について考えることです。極限環境とは、人間を含めた多くの生物にとって、生きていくことが非常に難しい環境のことです。例えば、極端な高温や低温、高圧力、高濃度の塩分など、ほとんどの生物が死滅してしまうような世界です。極限環境に異常に強い生物たちは、どのようにしてその能力を手に入れたのか?やさしい進化論の解説とともに丁寧に述べられています。「なぜキリンの首は長いのか?」、「なぜペンギンは冷たい氷の上に立っていられるのか?」など、素朴な疑問に対する解説もおもしろいです。特殊な生物の生態について考えることが、「生命とは何か?」という大きな問いへとつながっていきます。生物学の最前線を解説するだけではなく、あらゆるところに著者の「生命」感がよく表れていることも、この本の魅力です。著者はメディアにもよく登場する有名人です。本書以外の啓蒙書も多数執筆されています。
    若林智章(新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻)
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=2003169680

  • おもしろ生物たちのカタログかと思いきや、以外にも壮大なお話に。これはこれで面白い。
    生命の起源ってのは、ロマンがあって興味が尽きないなあ。

  • 生物学ではなく生命学、バイオロジーではなくメタバイオロジー、という著者のこだわりは、わかったようなわからないような。それがさらに、高熱や高圧力、高塩分といった極限環境で生きる生命への考察につながっていく理由もいまいちよくわからない。が、「共進化」「共生進化」「進化論の進化」の紹介はわかりやすく、いろいろな本を読んで頭の中でこんがらがっていた事柄の一部が整理された気分になった。
    葉緑素も、消化器官も持たない「チューブワーム」は変な生き物だなあ、と思っていたが、著者によるとミトコンドリア、葉緑素に続く、第三の共生進化の実例なんだそうだ。生物学にとってはどえらい発見だ。
    生命の定義の議論がたびたび出てくるが、福岡伸一の「動的平衡」を思い出しつつ。

  • 「生命」とは何かについて、極限状態に生きる生物や進化の観点から考察した本。

    生命は物理現象のように数式で説明されるものではなく、様々な極限環境に生きる生物から見出されるように、多様であり、複雑なものであることを理解しました。

    筆者は、進化は偶然起こるもので、方向性が無いという考えでしたが、収斂進化について語られていない点は不自然でした。

    エントロピーの法則、散逸構造の観点から、生命と宇宙の関わりを説いた筆者の生命観に感銘を受けました。

    全体を通して読みやすく、生命への理解が深まる本でした。


  • 信州大学の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB14329344

  • バクテリアやウイルスの話。

  • 著者の講演を去年聞いて面白かったので買ってみた。
    新宿での全4回のセミナーをまとめたものなので、素人にも
    解りやすく、極限生物から生物の起源まで幅広く面白い。

  • 生命の誕生や進化・遺伝子などに関する現在の通説と作者の考えを、実際の生物を例に挙げながら紹介してくれる。動物図鑑を読むようなワクワク感を味わいつつも、生命について深く考えることができた。

  • サイエンス

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著者プロフィール

1961年、人間初の宇宙飛行の日、三重県四日市市に生まれる。4歳からは神奈川県大和市で育つ。海洋科学技術センター(JAMSTEC、現・独立行政法人海洋研究開発機構)深海研究部研究員、カリフォルニア大学サンタバーバラ校客員研究員などを経て、現在は広島大学大学院生物圏科学研究科教授。北極、南極、深海、砂漠など世界の辺境に極限生物を探し、地球外生命を追究しつづけている吟遊科学者。
主な著書に『世界をやりなおしても生命は生まれるか?』(朝日出版社)、『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』(クロスメディア・パブリッシング)、『ゼロからはじめる生命のトリセツ』(角川文庫)、『生物圏の形而上学 ―宇宙・ヒト・微生物―』(青土社)、『超ヤバい話―地球・人間・エネルギーの危機と未来』(さくら舎)などがある。

「2020年 『我々はどう進化すべきか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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