カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第5巻 生態学 (ブルーバックス)

  • 講談社
4.11
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本棚登録 : 296
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062578769

作品紹介・あらすじ

第5巻では生態学の概要を学ぶことができる。第23章では生物とその外部環境から構成される生態系、それを研究する学問である生態学とは何かが記載され、生態学の重要概念である個体群、群落、景観、生物圏、エコシステム、バイオームなどが紹介されている。第24章では個体群の動態とその制御について、第25章では生物種間相互作用について、第26章では群落及び群落における生物種多様性の重要さについて、第27章では地球のエコシステムについて、興味深い実験を交えて紹介されている。地球のエコシステムは人類の活動によって大きく影響を受け、気候は大きく変化し、生物種多様性は急速に失われつつある。このエコシステムを回復するためには、科学的知識が必要であることはもちろんであるが、国際的な強調が不可欠である。本書227ページの「最先端」に記載されているように「人類は協調性を持つように特異に進化した」とすれば、我々人類はその特質を生かしてエコシステムの回復を目指さなければならない。本書230ページに「我々は科学技術にもとづく文明を持っている。そして我々は賢明にも、ほとんど誰も科学技術を知らなくてもすむように文明を発展させた。これが場合によっては大惨事につながることは容易に想像できるだろう。つかの間、この無知とパワーの危険な混沌状態から目をそらすことはできるだろうが、早晩大惨事がやってくることになる。(中略)科学技術のパワーが適切かつ慎重に利用されるためには、我々自身が科学技術を理解しなければならない」というカール・セーガンの言葉が紹介されているが、第5巻を読了すればこの言葉の重みが実感されるであろう。

感想・レビュー・書評

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  • 教科書と銘打っているけど、そこはブルーバックス。とても読みやすい。中学高校の時にこういう本があったら、生物系にも興味がわいただろうなと思う。

  • 第5巻は生態学。細胞性物学、分子遺伝学、生化学・分子生物学、進化生物学と進み、本巻で生物学は完結だ。①生態系と生態学、②個体群の動態と制御、③生物種間相互作用、④群落及び群落における生物種多様性の重要さ、⑤地球のエコシステムとなる。

    ①個体→個体群→群落(異種間)→エコシステム→生物圏と見ていく。生態系の特性は、生物要素と非生物要素(環境等)及びそれらの相互作用に依存する。そしてエコシステムは空間と時間に応じて多様である。地球の物理的環境の変化は、大気と海洋の循環パターンと地質学的作用によってもたらされる。緯度と気温・降水量勾配と土壌が陸上バイオームを決定。

    ②個体群は生物種の個体から成る。個体群の豊かさの指標は個体群密度と個体群の大きさ。個体群密度は動的だ。個体群の大きさは、「将来の個体数(以下、数)=現在の数+生まれた数+移入数-死んだ数-移出数」であり、その変化の速度が成長率だ。「1個体当たりの成長率=混み合っていない情態での最大可能値―密度の関数である量」だ。環境収容力に達する迄増える。生物は資源(物質・エネルギー)を獲得し、維持・索餌・成長・防御・繁殖の間で分割し、その分割は種によりは非常に多様だ。

    ③では他種があるので、種間競合(-,-)、消費者-資源関係(+,-)、相利共生(+,+)、片利共生(+,0)がある。先の式にこれを加えれば算出可能。競合する生物種間で資源利用に違いがあり、同種内競合が種間競合より強くなる。

    ④群落では栄養相互作用(植物→草食→肉食→肉食)と資源が流れるが、各段階で資源を摂取できるのは前の1割だ。生物種多様性(種の豊かさ、種の均等度)は群落の機能に影響を与える。

    ⑤植物等により生物圏に採られた物質は、生物圏で使われ続ける。気候温暖化は各種生物の生活史を狂わせて、種を絶滅に導く。

  • 1360円購入2018-03-28

  • 生物の基礎が分からなくなったらこれで確認。

    理数理 サタウ||10||1 11890439

  • 『PRINCIPLES OF LIFE』を忠実に翻訳。マクロの生物学を加えて生物学の教科書が完結。

  • 請求記号 460/Sa 13/1876

  • 2014/10/18 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2016/8/5〜8/8

    最終巻は生態学。この辺りは弱いので勉強になった。アメリカでは、文系学生時代にもこの程度の生物学を学ばせる。日本も文系だの理系だの分けている時点でダメなのかもしれない。今度の入試改革も訳のわからないことを言ってないで、文理の区別ない入試にしてみてはどうか。

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著者プロフィール

クレアモント大学教授。同大学ケック・サイエンス・センターで教鞭を執るプリツカー家財団記念教授・名誉教授。これまで生物学入門、バイオテクノロジー、生理化学、細胞生物学、分子生物学、植物生物学、癌生物学などの講座を担当し、優れた教育者に与えられるハントゥーン賞を2度受賞。著書多数。約20年にわたり、ヒト小細胞肺癌の抗癌薬多剤耐性の機序解明に注力し、臨床応用することを目指している。非常勤教授を務めるシティ・オブ・ホープ・メディカル・センターでは現在、植物由来の新たな抗癌剤の研究に取り組む

「2021年 『カラー図解 アメリカ版 新・大学生物学の教科書 第3巻 生化学・分子生物学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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