社会脳からみた認知症 徴候を見抜き、重症化をくい止める (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062578899

作品紹介・あらすじ

「認知症+予備軍1000万人」時代に備える。

認知症は、社会生活を営むうえで不可欠の「社会脳」を破壊するという。

突然、怒り出す。平然と他人を無視する。
妄想に駆り立てられ、暴力をふるう――。

現役世代を襲う「若年性認知症」で特に問題となるこれらの症状は、なぜ現れるのか?

病状の進行とともに大きく変化していく患者の心の状態を、「脳の機能」の観点から解き明かす社会脳科学によって、“患者本人の性格のせい”にされがちだった介護者泣かせの行動の背後に、脳の病変がひそんでいることが明らかになってきた。

家族関係や夫婦関係、職場の人間関係を激変させる“国民病”と向き合うための、新しい認知症のとらえ方――。


〈早期発見〉7つのポイント

・温厚だった人が、怒りっぽくなった
・出来事の前後関係がわからなくなった
・服装や身のまわりのことに無関心になった
・話しかけても生返事しか返ってこない
・食の好みが変わった
・同時に2つのことをすると、1つを忘れる
・「たとえ話」が通じなくなった

感想・レビュー・書評

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  • 認知症の人の「理解できないおかしな行動」が理解できるようになる。どう対処すべきかが書いてあるわけではないけれど、認知症の人がどう感じて行動しているかが分かるようになる。

  • 社会的認知(Social Cognition)の観点から見た認知症へのアプローチ。今まで、単に記憶の障害と割り切ってきたが、DSM-Vでの診断基準では社会的認知の障害も加わってきている。今までは、脳に局在する中枢から捉えることが多かったが、これからはネットワークで存在する社会脳にもっと注目を当てるべきである。そして、この考え方は認知症ばかりではなく、高次脳機能障害や小児の分野でも関わってくる。リハビリを志すものにとっては、必須の知識となってくるのではないだろうか。認知症から語られてはいるが、症状・病態を選ばず社会脳の知識を得るには良い入門書である。

  • 医学
    病気

  • ‪認知症の症状としては認知機能低下より、社会性が失われる事による問題行動が、今後の高齢化社会での大きな課題になる。実際に、高齢者による事件は増加しているのではないだろうか?

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:493.75||I
    資料ID:95150173

  • 認知症は、社会生活を営むうえで不可欠の「社会脳」を破壊する。病状の進行とともに変化する患者の心の状態を、「脳の機能」の観点から解き明かす。

  • 前著が良かったのと「社会脳」に興味があり読了。精神科の分野では「社会脳」は発達障害や統合失調症で話題になっているが、認知症の分野でも、その視点で考えるというのは確かにと思うことと、認知症のタイプにより相違もあり、十分に納得し難い部分もある。ただこれから発展する学問分野であり、臨床的に大事な視点かと思う。本書では、「社会脳」の解説が多すぎるきらいがあり、少し読みにくいところが難点かもしれないが、脳の解剖と照らしあわせて考えるについては致し方がないのであろう。

  • 請求記号 493.75/I 37/1889

  • 社会脳科学の知見を利用して、認知症の人々の症候を理解しようという意欲作。少し強引な部分もあるし、おそらく、複数の原因があったり、いろいろなとらえ方ができるもののあると思いますが、面白く読ませていただきました。

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