サイエンス異人伝 科学が残した「夢の痕跡」 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062579087

作品紹介・あらすじ

かつて、電気から電波、エレクトロニクスへと発展していくにつれて消え去った「実体」が、21世紀になって、「科学家電」と呼ぶべきスマホなどの登場でよみがえり、科学が「手触り」の世界に戻ってきた。科学がふたたび人間と機械を通して語られ、未来の科学はもはやSFではなくなった。20世紀に突如として現れた発明品と発明者の伝記を読み解くことで、いままた現代科学が「素人にも理解できる」機械と人間からなる実体(リアル)へと変わる。

感想・レビュー・書評

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  • ぶっ厚い新書。主に「発明」についてたくさんの事例が書かれている本。夢と現実のジレンマが大きなテーマになっている中で、表紙にもあるリリエンタールの話が特に面白かった。飛行機を、乗り物ではなく人工の翼と捉えて、鳥になる夢を追求する人。印象深かった。

  • 信州大学の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB18260614

  • イントロダクション
    第1部 ドイツ科学の光芒
     第1章 スペクトルとスペクタクル
     第2章 科学を見せる劇場のこと―ジオラマの歴史
     第3章 彫らない版画の誕生
     第4章 薬種店と一角獣
     第5章 機械がつくった「角」
     第6章 リリエンタールの幻の翼
     第7章 ロコモーションの啓示
     第8章 ベンツの祖先は自転車だった
     第9章 Uボートは人食いザメ
     第10章 ジーメンスの通信革命
     第11章 バベジの原コンピュータ
     第12章 ロボットとからくり人形のはざま
    第2部
     第13章 電話の発明とヘレン・ケラー
     第14章 メンロバーグの魔術師
     第15章 万博のタイムカプセル
     第16章 自然史博物館とスミソンの功績
     第17章 空飛ぶ自転車の怪
     第18章 女の脚を変えた発明
     第19章 ロケット発明家ゴダート悲劇
     第20章 ドイツから来た天才ロケット学者
     第21章 ターボジェットを発送した男
     第22章 革命児ノイマン、ここにあり
     第23章 プリンストン高等研究所にて
    エピローグ

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB18260614

  • ドイツ博物館をめぐりながら、目やカメラ・ジオラマ、版画や薬、機械の馬から飛行機、潜水艦や通信革命を語る。アメリカのスミソニアン博物館、伝統がないゆえの新技術、発明家と製品の企業化、そしてロケット、コンピュータへ。

    科学界だけでなく、産業界、世の人々にどう受け止められ迎えられたかも描かれているのがすごい。日本の科学館についても書いてほしいです。

  • 【つぶやきブックレビュー】19日の講演会に向けて、アラマタ先生の著書を紹介します。

  • 過剰な刺激を欲し続ける現代人にとって20世紀科学の発明・発見の舞台裏こそリアリティを体験できる大人の遊園地。20世紀科学の祭典にようこそ!

  • 小さいころ、エジソンの伝記に夢中になった経験のある人は多いのではないでしょうか。これは、まさに大人向けの発明家の伝記オムニバスといった感の本です。各章20ページ前後のボリュームで、様々な科学技術の発明にまつわるエピソードを紹介しています。科学技術の発展において,20世紀前半を主導したドイツと、20世紀後半を主導したアメリカを対比します。人によって琴線に触れる箇所は様々かと思いますが、私の印象に残った箇所は、「ドイツをはじめヨーロッパでは新技術の発明はギルドに代表される熟練者、伝統産業の既得権益を害する存在として支持を得られないケースが多かったのに対し、アメリカではそのような既得権益者が存在しなかったために発明家という職業が成立した」、日本独自の科学技術に触れている和時計のくだりで「西洋では機械制御に落とし込みやすいという観点から定時法(季節に関係なく同じ長さの時間の単位を用いる)を進めたが、日本では不定時法(日の出と日没の時刻を等分し、季節によって時間の単位が変化する)をそのままからくり時計として採用した。西洋とは全く独立した技術体系が成立していた」という2点です。書名が「偉人伝」ではなく、「異人伝」となっているのは、発明家という人種が、生きている時には概して変人扱いされたケースが多かったからかも知れませんね。

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著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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