地球を突き動かす超巨大火山 新しい「地球学」入門 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062579254

作品紹介・あらすじ

マグマがつくられ、大地が形成され、大陸は時々刻々動き続けている
2009年、日本から約1500キロメートル東の太平洋の深海底で高さ30キロメートル、面積は日本の国土に匹敵する超巨大火山が見つかった。1億年以上前にはこうした超巨大火山があちらこちらで活発に噴火活動をして、大地を引き裂きながら、広大な大地を形成し、いまの地球をつくりあげてきたと考えられている。いったい超巨大火山はどうやってつくられたのか?
じつは超巨大火山こそが地球の全マントルを循環させ、 地球を突き動かしてきた張本人だったとしたら……。大陸移動やプレートテクトニクスの原動力を生み出すマグマとマントルと地球内部のふしぎな関係が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 地球に影響し続けた、超巨大火山について、解りやすく解説した書。

  • ●マグマがどのようにしてできているのか、実のところわかっていない。様々なマグマ成因論が提案されているが、その場を見ることができないため確かなことは言えないのだ。広い宇宙のことはおろか、この地球のことでさえまだわからないことがたくさんあると思うと、感慨深くさえある。

  • LIPに関する日本では珍しい一般向け書籍。

  •  御嶽山噴火などどうしても個々の火山に目が行きがちな火山学。それよりもスケールの大きい研究についての本。
     プレートテクトニクス、プレートの沈み込みと火山の関係、溶岩プルーム、などについて学べた。
     プレートが沈み込むとき大量の海水がマントルに引きづりこまれそれが岩と混ざることで融点が下がりマグマが上昇できる、と。地球とはなんと不思議な星か。

  • 超巨大火山はどうできたのか? 大陸移動やプレートテクトニクスの原動力を生み出すマグマとマントルと、地球内部のふしぎな関係が見えてくる。

  • 地球上の陸と海底に、2 億年以内のものだけで108の巨大火山 LIP (Large Igneous Province) がある。そのことも大きさも知らなかった。太平洋の赤道下にあるオントンジャワ海台が大きいが、知っている地形では今デカン高原になっているデカン・トラップが LIP で、6600-6550 万年前に噴火した時の溶岩が固まったものである。
    LIP の調査、説明から始まり、マグマが地球内部でどのように生成されるか、プレートテクトニクス、生物の大量絶滅と LIP 活動の関係までを説明してくれる。
    研究すべきことが山積しており、研究者が不足している分野である。

    方々で断片的に得た地学の知識が一つに結びつき、とても面白かった。

  • 現在活動中の火山は世界中に数多くあるが、1億年前には日本列島の何倍もの大きさの超巨大火山がいくつも活動していて、プレートテクトニクスによる巨大大陸分離の動力源になっていたらしい。

    それを探ることは、そもそもマグマはどのように生成されるのか(マグマは基本的に地表近くの地殻とマントルの境目でしかできない)、マントル対流はどうやって起きるか、地磁気はどう起きるか、何故反転するか等の疑問の解明につながるという。

    まだまだわかっていないことだらけのようだが、わかっていないことを知ることも面白い。

  • 請求記号 453.8/Sa 66/1925

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著者プロフィール

1968年、静岡県生まれ。1997年、東京大学大学院理学系研究科地質学専攻博士課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員などを経て、国立科学博物館地学研究部鉱物科学研究グループ長。専門は火山学および岩石学で、主な研究対象は超巨大火山。

「2022年 『日本の気候変動5000万年史 四季のある気候はいかにして誕生したのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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