細胞の中の分子生物学 最新・生命科学入門 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062579445

作品紹介・あらすじ

私たちの細胞内で休みなく働きつづける、生命を紡ぐ絶妙なメカニズム──。
世界的研究者による、京大名物講義をもとにした最新の生命科学入門!

 今やさまざまな生命現象が細胞・分子レベルで解明され、生命の本質への理解が格段に深まっています。生命活動の基本は、DNAの暗号を解読し、タンパク質を正しく作りつづけること。これが私たちの体のすみずみの、細胞ひとつひとつで24時間休みなく行われることによって、生命が維持されているのです。その過程には、何段階ものステップがあり、そのたびにエラーを訂正する巧妙な機能が組み込まれています。
 本書では、細胞内で繰り広げられる生命現象を、基本からやさしくひもときながら、最後は現在もっともホットな分野である「タンパク質の品質管理メカニズム」=「小胞体ストレス応答」研究の最先端を紹介します。
 小胞体ストレス応答とはまだ一般には耳慣れない言葉ですが、生命の基盤としてタンパク質合成の要となり、糖尿病、アルツハイマー、動脈硬化、がんなど、さまざまな病気に関与しているとして世界中から注目を集めています。著者は、その仕組みを解明し、ノーベル賞の前哨戦と言われる数ある国際的な科学賞を総なめにした日本を代表する研究者。その著者が、10年以上にわたって磨きをかけてきた京都大学の名物講義をもとに書き下ろした、生命科学入門の決定版です。

感想・レビュー・書評

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  • 夏の課題として読んだ。なかなかの理解力と読解力がないと完全に自分のなかに知識として取り込めない内容だなァと思った。だからこそ、今まで全くわからない部分がスッキリと解決できたときにはものすごい達成感らしきものを大いに感じた。
    ただ、初学の私は部分的ではあるがほぼ2、3周は同じ文を読まないと理解できなかった…しかし、6、7章が今までの知識の集大成的な場面で、すべてが1つのストーリーと化している部分が小説のように思えた。つまり私たちの体は小説でできているということか。(???)

  •  ブクログ(http://booklog.jp/)という書籍サイトから頂いたので読んでみました。細胞内で営まれているの生命活動の基本機能を平易な言葉で解説してくれます。
     ただ、言葉は平易ですが、内容は私にとっては「入門書」の域を越えていました。
     しかし、著者の解説を読めば読むほど生命の礎としての「遺伝の仕掛け」に驚愕せざるを得ません。一体どういったプロセスでこういった仕組みができあがったのか・・・、近年、“人工知能が人間を超える”といったニュースが話題になっていますが、「人工」が「生命」を超えることは絶対にないだろうと思いますね。
     こういう仕組みだと分かったとしても、そういう仕組みを「0」から創り出すことは・・・、まさに生命の驚異・宇宙の神秘です。

  • 第4章の頭、ミトコンドリアのATP生成辺りまでは高校生物の復習で懐かしく読み進んだ(とは言え、この30年で新規発見された内容ももちろんあり、隔世の感)。けど、話が小胞体に及ぶと、流石に著者の専門分野だけあって(小胞体ストレス応答の研究者)、がぜん熱を帯びる!でも説明が丁寧かつ分かりやすく、基礎知識がなくても理解できる。この先生の授業、面白いやろなーと思ったら、何年もの講義録を受講者のフィードバックを受けて直したものだそう。納得。

  • 最近ウイルスとかファージとかそこらへんを耳にするにつけ、いまいちよぅと解らん、、と思っていたのでとっかかりに良いかと読んでみました。が、存外懐かしい話も多くてうれしくなりました。ま、解りやすいが、私にはいまひとつ双手をあげて面白ーいとはおもえないがそれなりに楽しかった。専門外の話てほんま読むのに基礎知識がないからしんどいですが、ま、1冊目を読まねばいつまでも始まらないということで。ともかく、なんとなくニュースを見聞きした時にそれなりに頭ボーンにならんぐらいはなんとかしてくれる本書、という意味で読んで良かったと思います。

  • 献本いただきました。
    元々、買おうか迷っていた。「文系学生にも大人気」とあるけど、私は読み進めるのになかなか気合が要りました。

    見えない世界の、でも確かに自分を形作っているモノの話。
    それを解き明かして、セントラルドグマなんてエヴァ好きをドキドキさせる名前を付けちゃう気持ち、分かります。

    そして、見えない世界のまだ見えない部分。
    それらが全て明かされた時、私たちは自分たちを生物として、よりよく理解出来るんだろうか。
    記憶であったり、感情であったり、心や思索というモノも、生き物としての情報にヒントが詰め込まれていたりするんだろうか。

    シュレディンガーの猫や、テロメアなど、話の中だけで掴めなかった言葉を追えば追うほど、この一冊は面白く読める。
    いつもと違う分野の本が読めて良かった。
    ブクログさん、ありがとうございました。

  • 献本企画により。

    高校で生物を履修していないとちょっと読むのがたいへん。けれども履修者にとっては、「コラム」などでより詳しく解説してくれているためほどよく掘り下げて読める。テキストとして、すごくていねいに書かれている。

    解説をしながら、この成果でだれそれがノーベル賞を受賞したという情報が逐一書かれていて面白い。なかには親子で受賞した受賞者がいたりして。

  • 2016/5/25 Amazonより届く。
    2017/11/15〜11/22

    小胞体ストレス応答の研究で著名な森和俊先生の京大での講義をまとめたもの。流石によく練られていて、面白く知識を得ることができた。自分もきちんと生物を勉強していないので、大変参考になった。やっぱり一度通史をやらないとダメだなぁ。

  • 生物学について、あまり知識がないような私でも興味をそそられる作品名だと思いました。

  • 高校で生物を選択しなかったのでとても勉強になった
    ただ、3章までは化学っぽい内容なので理解しやすかったが、4章以降は固有名詞が多く難しく感じた
    一般向けに優しい語調なのはよかった

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著者プロフィール

1958年岡山県倉敷市生まれ。1985年京都大学大学院薬学研究科博士課程退学。1987年京都大学薬学博士。岐阜薬科大学助手、テキサス大学博士研究員、エイチ・エス・ピー研究所副主任研究員・主任研究員、京都大学大学院生命科学研究科助教授を経て、現在、京都大学大学院理学研究科教授。小胞体ストレス応答研究の開拓者。ワイリー賞、カナダ・ガードナー国際賞、紫綬褒章、上原賞、朝日賞、ショウ賞、アルバート・ラスカー基礎医学研究賞、トムソン・ロイター引用栄誉賞、恩賜賞・日本学士院賞など受賞多数。

「2016年 『細胞の中の分子生物学 最新・生命科学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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