発達障害の素顔 脳の発達と視覚形成からのアプローチ (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062579544

作品紹介・あらすじ

多かれ少なかれみんながもっている、
だから「スペクトラム」とよばれているのです。

・コミュニケーションが苦手
・人の顔や目を見て話ができない
・読み書きが苦手
だれにだってある、ちょっとした性格のひとつ。
じつは、脳が発達する過程で、
うまく視覚が形成されなかったりすると、
そのほかの感覚器の形成に影響が現れるというのです。
人より視力や聴力が極端によすぎるために
同じものを見たり、聞いたりしていても
まったく違う世界として受け止めているかもしれない、
それが発達障害の素顔なのです。
自閉症、ADHD、ディスレクシア、ウィリアムズ症候群、アスペルガー症候群など、
感覚の特性としてとらえることで新しい治療と対応の可能性が見えてくる!

少しのあいだかれらの世界に寄り添ってみませんか。

感想・レビュー・書評

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  • 心理学専門で、あかちゃんの視覚世界を実験研究している人からの、データと分析と、類書にないおもしろいおもしろい内容でした。
    専門家すごーい♪
    今後ももっといろんなことがわかるのかもしれん。
    多様性っていいながらも、本当にいろいろあるわさこりゃ、そしてそれぞれに苦労があるわさ、と実感しました。

    アスペ系には好まれるのではと勝手に思う。

    あとがきのエピソードより、
    私は、ADHD系は憎らしくてしょうがないけど、それは嫉妬の裏返しなのかもと思いました。

  • ブルーバックス読んだの久しぶり。
    面白かった。

    ウイリアムズ症候群の高い共感性。

    新生児から半年までは世界中の言語を聞き分けることも発音することも可能なのに、母語以外の言語に対する能力は一年以内に失われていく。

    自閉症は聞こえすぎて見えすぎる。

    笑顔・魅力的な顔の記憶と、信頼感のない危険な顔の記憶は脳の部位が異なる。

  • 発達障害について、赤ちゃんの脳の成長や認識力の変化のプロセスを参照しながら解き明かしている。

    特に、視覚や聴覚から得られる情報を取捨選択する中で、徐々に社会的な関係性において必要と思われる情報とそうではない情報を無意識のうちに選んでいく処理をするプロセスが、発達障害と呼ばれる自閉症やアスペルガー症候群の人たちにはそれほど強く働いていないことにより、他の人たちとの関係性のとらえ方が多くの人とは異なっているということが、非常にわかりやすく書かれていた。

    また、発達障害の人たちが、外界を比較的システム的にとらえるのに対して、そのほかの人たちはそのような論理ではなく周りとの関係性の中で判断する傾向にあるということも、本書を読んで初めて知った。

    このようなプロセスを理解すると、さまざまな人たちに接する際に、これまでとは違った観点で理解をすることができると思う。そのことに気付くことができる良い本であった。

  • サイエンス好きな文系なので読売書評で興味持った。Xメンではないが、発達障害と言っていいのかさえ思い直してしまう。視聴覚機能や想像力が優れすぎてたり、発達障害の人がどんな世界で混乱に陥ってるのかが理解できる。一緒に暮らしていく人たちのことを少しでも知ることは大切だと思う。

  • 脳の機能から具体的な発達障害の症状を説明していて分かりやすい。視覚、聴覚が敏感過ぎるという事でどういう事が起こるのか。発達障害のほんの一部の症状だとしても想像してみる事ができる。

  • よくある発達障害の関連本と違って、脳科学の発達に関する実験から、発達障害の脳が健常者とどう違っているかや、
    更に乳幼児期にどういう違いとして現れるのかまでが書かれている一冊。

    新しい切り口なので、興味深いだけでなく、当事者や周りの人にも、新しいヒントになる本だと思う。

    もっとこのような脳科学的な研究が(できれば治療法になるくらいに)もっと進んでほしいと思う。

  • 多かれ少なかれみんながもっている、
    だから「スペクトラム」とよばれているのです。

    ・コミュニケーションが苦手
    ・人の顔や目を見て話ができない
    ・読み書きが苦手
    だれにだってある、ちょっとした性格のひとつ。
    じつは、脳が発達する過程で、
    うまく視覚が形成されなかったりすると、
    そのほかの感覚器の形成に影響が現れるというのです。
    人より視力や聴力が極端によすぎるために
    同じものを見たり、聞いたりしていても
    まったく違う世界として受け止めているかもしれない、
    それが発達障害の素顔なのです。
    自閉症、ADHD、ディスレクシア、ウィリアムズ症候群、アスペルガー症候群など、
    感覚の特性としてとらえることで新しい治療と対応の可能性が見えてくる!

    少しのあいだかれらの世界に寄り添ってみませんか。

  • 心理学の教授が書いた発達障害の本ということで興味があり手に取った。あとがきに書いてあったが、筆者もこれまで自身の社会性について悩んでおり、この本を書くにあたってその問題に直面し苦悩したという。そのためか、なるべく公平に記するように意識しているように感じられる。全体的に事実の羅列が多く、実験を元に得られた事実を学術的に記載しておりややとっつきずらい。

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著者プロフィール

中央大学文学部教授。1995年,お茶の水女子大学人間文化研究科単位取得退学。
主な著書:『自分の顔が好きですか?―「顔」の心理学』(岩波書店,2016),『発達障害の素顔―脳の発達と視覚形成からのアプローチ』(講談社,2016),『赤ちゃんの視覚と心の発達 補訂版』(共著,東京大学出版会,2019)ほか

「2019年 『心理学実験』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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