超対称性理論とは何か 宇宙をつかさどる究極の対称性 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 74
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062579605

作品紹介・あらすじ

なぜこの宇宙は存在するのか?
ヒッグス粒子発見は始まりにすぎない。現代物理学最大のテーマに迫る!

超対称性とは何か? なぜ必要なのか?
私たちはまだ、宇宙の成り立ちのほんの一部分しか分かっていません。
ヒッグス粒子発見で完成した現代物理学の基本となる「標準理論」にも、まだ未解決な謎は多いのです。その残された大きな謎のひとつ「階層性問題」を解決し、宇宙に偏在する「暗黒物質」の正体をつきとめ、さらに「力の大統一」が達成される──。それが超対称性理論です。
ヒッグス粒子発見により、「なぜ宇宙に物質が存在するのか」という謎を解くカギが得られました。超対称性は素粒子と時空を結びつけ、「なぜこの宇宙が存在するのか」というもっとも根源的な問いに答える究極の理論です。その本質に迫ります。

ヒッグス粒子を発見したCERN・LHCで日本チームを率いた著者だからこそ語れる、臨場感あふれる素粒子物理学の最前線。

「この世で最も理解しがたいことは、宇宙が理解できるということだ」──アインシュタイン
”この宇宙にはまだ多くの謎が残されています。自然界に存在する4つの力のうち、3つまでは標準理論で説明できますが、4つ目の重力を素粒子物理的に理解することには成功していません。それになによりも、標準理論自体に不満足な点が多々あるのです。これらの問題の多くを解決し、重力まで含めたすべての力を統一的に理解する可能性を秘めているのが、「超対称性」とよばれるまったく新しい対称性です。”(「はじめに」より)

感想・レビュー・書評

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  • 「ネーターの定理」対称性あるところに保存則あり。

    ゲージ粒子は「ゲージ対称性」で守られており、フェルミオンは「カイラル対称性」で守られているが、ヒッグス粒子は標準理論では値が発散してしまうという「階層性問題」がある。これを解決するのが「超対称性」。

    電子のスピン:複素2次元空間内の回転
    3次元空間での1回転が、複素2次元空間では半回転に相当。スピンの向きを回転して、元の向きまで戻ってくるには、通常の時空で2回転させなければならない。このような「半ベクトル」のことを「スピノル」という。

    テンソル:複数のベクトルを組み合わせて作られる
    スカラー:どんなローレンツ変換を行った時も絶対に変化しない物理量。例)世界長さ、質量
    カイラル:対掌性。左右を区別する弱い相互作用の性質。

    SU(n):特殊ユニタリ群。Special Unitary。ユニタリとは大きさが1という意味。括弧内の数字は要素である行列が持つ次元を表す。「特殊」とは、n次元空間上にある一辺の長さが1の仮想的な立方体が、回転後も体積を1に保つような変換を意味する。

  • 配架場所 : 新書
    請求記号 : SHIN@429@K100@1
    Book ID : 80100473083

    http://keio-opac.lib.keio.ac.jp/F/?func=item-global&doc_library=KEI01&doc_number=002503081&CON_LNG=JPN&

  • 1章は分かりやすく読んだ。2章以降はたちまちついていけなくなってしまった。1950年くらいまでのことは何となくわかる感じがするのだけれど、それ以降がどんどん見えなくなる。まあそれでも、最先端の研究の様子までおぼろげながらつかむことはできた。なんか、実験に合わせるように理論をいじくっているうちにつぎはぎだらけになって、美しさがなくなっていくようにも感じるし、逆に理論の美しさを維持するために、莫大な資金を使って必死に新たな巨大実験装置を組み立てているようにも見える。それは研究者の姿勢によって向かう方向が変わってくるからだろう。本書の最後に挙げられているディラックとファインマンの言葉のように。私はどちらかと言うとディラック派かな。「ご冗談でしょう、ファインマンさん」ではずいぶん楽しませてもらいましたが。

  • 請求記号 429.6/Ko 12/1960

  • 図らずもヒッグス粒子発見とこれからのその研究の重要性を学べた。素直に良かった。

    また、超対称性粒子を検出するための物理学者の努力に敬服した。試行錯誤とはまさにこのことだ。真理を求めて仮説を絞り込んでいくのだなぁ。

    暗黒物質やダークエネルギーについても他書にはない記述が多くて嬉しい。

    ただし、本書は量子力学と素粒子論を学部レベルで学んでいないとチンプンカンプンかもしれない。

    ・パウリの排他原理がなぜ成り立っているかいまも分かっていない。
    ・ヒッグス機構はもともと弱い相互作用のゲージ粒子の質量を説明するために導入され、その後、フェルミオンの質量起源も説明できるようになった。
    ・電磁力の場合、距離とともにその大きさは減衰するが、強い力は距離にかかわらず一定の値を保つ。したがって、引きはがすために必要なエネルギーはクォークの距離とともに増大し、やがて新たにクォーク、反クォークのペアを真空から作り出すことができるエネルギーになる。
    ・LEPの実験までに、レプトンとクォークに少なくとも3世代あることは分かっていた。それがLEPの実験で大量に生成されたZ粒子の崩壊過程を詳しく調べることで、レプトンを構成するニュートリノの種類は3つしかないことが分かった。したがって世代も3つしかない。しかし、では「なぜ3世代なのか」という疑問は解消されていない。
    ・フェルミオンとベクトルボソンはそれぞれカイラル対称性とゲージ対称性に守られて、急激な発散は出てこないが、スカラーボソン(ヒッグス粒子)だけが急激な発散を内蔵している。
    ・弦理論にはそもそも発散の問題は無い。場の量子論は点状の粒子を扱うから無限大が現れる。
    ・ニュートラリーノが電気的に中性で弱い相互作用しか働かないので、暗黒物質の有力候補。
    ・暗黒物質の発見:ニュートン力学に寄れば、中心から離れた星はゆっくり回るはずだが、観測では中心からの距離によらず、銀河上のどの場所もほぼ一定のスピードで回転していた。これを説明するには、通常の物質以外にその約10倍の「見えない物質」で銀河全体が覆われていればいい。
    ・アクシオン:強いCP問題。強い相互作用の理論式には本来CP対称性を破る項が含まれているが、実験的には見つかっていない。この解決のために導入されたのがPQ対称性で、CP対称性が回復する。そのとき、南部・ゴールドストーンボソンが現れるが、それがアクシオン。
    ・ヒッグス粒子は、超対称性への道を開くのか、原子・原子核・核子・クォークと続いてきた物質の階層性をさらにもう一段深めるのか、あるいは宇宙のインフレーションに直結してしまうのか、今その岐路に立っている。

  • ▼内容紹介
    なぜこの宇宙は存在するのか?
    ヒッグス粒子発見は始まりにすぎない。現代物理学最大のテーマに迫る!

    超対称性とは何か? なぜ必要なのか?
    私たちはまだ、宇宙の成り立ちのほんの一部分しか分かっていません。
    ヒッグス粒子発見で完成した現代物理学の基本となる「標準理論」にも、まだ未解決な謎は多いのです。その残された大きな謎のひとつ「階層性問題」を解決し、宇宙に偏在する「暗黒物質」の正体をつきとめ、さらに「力の大統一」が達成される──。それが超対称性理論です。
    ヒッグス粒子発見により、「なぜ宇宙に物質が存在するのか」という謎を解くカギが得られました。超対称性は素粒子と時空を結びつけ、「なぜこの宇宙が存在するのか」というもっとも根源的な問いに答える究極の理論です。その本質に迫ります。

    ヒッグス粒子を発見したCERN・LHCで日本チームを率いた著者だからこそ語れる、臨場感あふれる素粒子物理学の最前線。

    「この世で最も理解しがたいことは、宇宙が理解できるということだ」──アインシュタイン
    ”この宇宙にはまだ多くの謎が残されています。自然界に存在する4つの力のうち、3つまでは標準理論で説明できますが、4つ目の重力を素粒子物理的に理解することには成功していません。それになによりも、標準理論自体に不満足な点が多々あるのです。これらの問題の多くを解決し、重力まで含めたすべての力を統一的に理解する可能性を秘めているのが、「超対称性」とよばれるまったく新しい対称性です。”(「はじめに」より)

    ▼著者について
    小林 富雄
    1950年千葉県生まれ。東京工業大学卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。1993年より東京大学素粒子物理国際センター教授。2015年、東京大学を定年退職、同年より高エネルギー加速器研究機構国際連携推進室主任URA。一貫して最高エネルギー加速器を用いた国際共同実験に参加し、グルーオンの発見やヒッグス粒子発見、素粒子の世代数の決定、超対称性粒子探索などに貢献している。1994年から2015年までCERN・LHCにおけるATLAS実験の日本共同代表者を務めた。

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著者プロフィール

愛知工業大学経営学部教授 博士(農学)、博士(経済学) 主な著書・論文:『改訂新版食品ロスの経済学』(農林統計出版,2018年)、『フードバンク─世界と日本の困窮者支援と食品ロス対策─』(共著、明石書店、 2018年)ほか

「2019年 『フードバンクの多様性とサプライチェーンの進化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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