フランス現代思想: 一九六八年以降 (講談社選書メチエ 12)

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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062580120

作品紹介・あらすじ

知の震源地、パリ。「実存」から「構造」へ、「構造」から「脱構築」へ…。一九六八年以後、めまぐるしく変貌する現代思想の原点はどこにあるのか?ラカン、アルチュセール、フーコー、デリダ…。彼らの哲学はどこから生まれてきたのか?ポスト・モダンのゆくえを見通す一冊。

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  • サブタイトル通り、1967年ある「出来事」から13年後の社会党政権誕生までフランス現代思想史について時系列に事件や出来事を中心に、思想家たちの仕事に触れていく。英語圏向けに書かれた書物であり、フランスでは知られているが英語圏ではあまり知られない人物が選ばれたり、有名な人物については表面的と作者が自ら恣意的であると記述している。

    「フランス知識人の歴史」や「支配的な社会秩序と闘ってきた“左翼的”な人々の歴史」と同時に「フランスに影響力のパリ左岸に住むご近所の歴史」を通し、彼らの活動、コンテクストに触れることが出来た。彼らの闘争はテレビを通しては生き生きとして見えたが、キース氏の筆を通して見えたのは現実を見れず、科学技術や経済主義に取り残され、敵の右翼や新分野に復讐される無残な敗北の軌跡であった。それでも彼らが希望を人々に、時に若者にもたらそうと共に歩み足掻いたことは敬意を持った。社会主義者が社会参加すること自体が、たとえ幻想だったとしてもだ。

    かつての出来事や思想について、その意味を解体し尽くすまで内省したフランスの思想は、蒙昧に生きる私に説得力を持って『そこの君!』と問い直してくれるだろうからである。

  • 思想の内容そのものを詳述するというより、そうした思想が発信された状況を語る本。どんな思想も状況の刻印を押されることを免れ得ない以上、その生まれた状況を認識することは、読解の上で欠かせない。読んで面白い本ではないが、そうした認識の上である程度役立つと思う。

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