宗教からよむ「アメリカ」 (講談社選書メチエ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062580700

作品紹介・あらすじ

モルモン教、アーミッシュ、ファンダメンタリズム…。アメリカはさまざまな「信仰」がせめぎ合う社会である。それらを統合するものとは、いったい何か?悩みつつも、新たな理念を求めて進む、超大国の意外な姿をあぶり出す。

感想・レビュー・書評

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  • 自由の国アメリカは様々な人種、ルーツの集合体である。
    それでいて、一つの共和国として成立しているのは、「見えざる国教」があるから。
    正式に国教をしてはおらず、信仰の自由を保障しているが、神の存在を認め、大統領の宣誓式はさながら宗教儀式の要素もある。
    信仰は異なれど、神のもとに、人が、国が存在しているという考えは、アメリカ国民にとっては当たり前の考え方なのかもしれない。

  • 国教とセクトを通じてアメリカ社会を見る。1996年

  • 1

  • 非常に面白かった。体系的に日本語で書かれた本は少ないので勉強になった。たしかプレジデントウーマンでおすすめしていたので一読。しかしながらけっこう前の本なので最新事情が知りたい。多民族で成り立つ国家の難しさについて改めて感じた。

  • とても興味深い本だった。
    アメリカ大統領が政治的最高権力者と同時に精神的指導者という立場でもあるということは、全く思いもよらなかったが、TVでアメリカ大統領選の活動に国民が熱狂してるシーンが放送されるのはそういうことかと納得。
    アメリカの政教分離が「政治と宗教の分離」ではなく「教会と国家の分離」である点にも注目。アメリカは私が思っている以上に宗教的な国であることが分かった。

    ☆「共通の過去」を持っていないため「未来についての共通の意志」がアメリカを統合する。
    ☆多様な背景を持った人々が共に生活する緊張の多い社会の中で、教会は同質の人々と交われる安らぎの空間。

  • 【何故読みたいか?】
    ・アメリカを知るため。
    ・グローバリゼーションを知るため。

    【一読】
    ページ数が多いため、途中で断念。時間があるときに読みたい一冊。

  • イラク攻撃が迫る中、なぜ米国があそこまで拘るのかと不思議な気持ちさせしますが、この本を読むと謎の一部が解けるように思われます。米国には市民宗教(著者はそれを見えざる国教と呼ぶ)があり、それが国としてのアイデンティティーを保つ基盤になっているとのこと。それはプロテスタント・カトリック・ユダヤ教の誰でもが受け容れられる「神」を信仰する。レーガン、ブッシュ(父)、クリントンの演説に登場する宗教的な発言が日本のマスコミでは「修辞」として削除され報道されるために日本ではわかりづらいという。なるほどという感じ。そして今はイラクですが、歴史上、インディアンとの闘い、旧大陸との闘い、メキシコ戦争、対スペイン戦争と同じ理念の闘いが繰り返されてきている。確かに神という発言は出てくるが、イエス・キリストとは大統領は言わないという。それはユダヤ教にも配慮しているからだという。クリントンの就任式の式次第を教会の礼拝式次第と比較し、そのままであること。そして、聖地ワシントンにおけるワシントン、ジェファーソン、リンカーンの3大統領の記念碑は米国の3聖人を示す、即ち、3人は預言者モーセ、聖典執筆者者パウロ、殉教者を象徴している。

  • 宗教を抜きにしてはアメリカという国は考えられない。
    アメリカ国民にとって大統領は単なる政治的指導者だけでなく、精神的指導者でもあるのだ。そして就任式にはビリー・グラハム牧師が祈祷をする。
    アメリカにはベラの提唱したように「市民宗教」「見えざる国教」が存在するのだ。
    またモルモン教やファンダメンタリズムなども決して無視はできない存在である。
    ほとんどの人が神を信じているアメリカという国は日本と対照的である。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(佐藤優選)19
    宗教・哲学についての知識で、人間の本質を探究する
    米国について論じる際の基本書。

  • 「日本の『政教分離』」と「Separation of Church and State」

    「個人の内面の自由」と「社会の秩序」、どちらを優先するか。

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著者プロフィール

同志社大学神学部教授・一神教学際研究センター長
1946年、広島市生まれ。米国・バークレー神学大学院連合博士課程修了(Th.D.)。専門はアメリカ宗教史。
著書:『宗教からよむ「アメリカ」』(講談社選書メチエ、1996年)、『アメリカと宗教』(編著、日本国際問題研究所、1997年)、『「ジョージ・ブッシュ」のアタマの中身──アメリカ「超保守派」の世界観』(講談社文庫、2003年)、『EUとイスラームの宗教伝統は共存できるか──「ムハンマド風刺画事件」の本質』(編著、明石書店、2007年)など。

「2009年 『アメリカのグローバル戦略とイスラーム世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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