法然対明恵 (講談社選書メチエ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062581417

感想・レビュー・書評

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  • 念仏によって阿弥陀仏の救いにあずかると主張した法然と、『摧邪輪』を著して法然の思想を敢然と批判した明恵の二人の立場を、対比的に考察している本です。

    本書では、法然と明恵の二人のたどった思想的な道筋や立場に共通点が存在していることを指摘しながらも、明恵が「理想主義」的であり、この生において仏道を実現することを重視したのに対し、法然は「現実主義」的であり、この生を超えた死の観点から救いを語っていたと論じられています。しかし、そうしたちがいが存在するにもかかわらず、たとえば両者が身体に依拠する実践的な立場に立っていたことや、女人救済にかんしてラディカルな考えをもっていたことなど、両者の向かっていこうとしたところがふたたび交わることになるというアウトラインを示し、両者の思想の意義をあらためて考えなおそうとしています。

    宗乗の教説にこだわることなく、ひろく宗教哲学的な観点から法然と明恵の思想の現代的な意義を解明しようとするアプローチは著者ならではのもので、幅広い読者にとって興味深く読むことのできる内容なのではないかと感じました。

  • 明恵を研究しようかなと思っていたら、幼少時にきいた内容でした。

  • 読み物としては悪くないが、対比させるのに失敗している。
    全体的に底が浅い、って感じてしまった。

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著者プロフィール

1950年京都市生まれ。14歳で出家し、大徳寺にて修行。34歳の時に大徳寺を離れ渡米、ハーバード大学神学部で神学修士号、ペンシルバニア大学東洋学部で博士号を取得。シンガポール国立大学大学助教授、プリンストン大学准教授、東京外国語大学教授、広島大学大学院総合科学研究科教授を経て、現在、広島大学名誉教授。日本・アメリカ・ヨーロッパ・台湾などで「ありがとう禅」を開催している。著書に『法然・愚に還る喜び─死を超えて生きる』『山の霊力─日本人はそこに何を見たか』ほか。

「2016年 『講座スピリチュアル学 第7巻 スピリチュアリティと宗教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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