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- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062581417
感想・レビュー・書評
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念仏によって阿弥陀仏の救いにあずかると主張した法然と、『摧邪輪』を著して法然の思想を敢然と批判した明恵の二人の立場を、対比的に考察している本です。
本書では、法然と明恵の二人のたどった思想的な道筋や立場に共通点が存在していることを指摘しながらも、明恵が「理想主義」的であり、この生において仏道を実現することを重視したのに対し、法然は「現実主義」的であり、この生を超えた死の観点から救いを語っていたと論じられています。しかし、そうしたちがいが存在するにもかかわらず、たとえば両者が身体に依拠する実践的な立場に立っていたことや、女人救済にかんしてラディカルな考えをもっていたことなど、両者の向かっていこうとしたところがふたたび交わることになるというアウトラインを示し、両者の思想の意義をあらためて考えなおそうとしています。
宗乗の教説にこだわることなく、ひろく宗教哲学的な観点から法然と明恵の思想の現代的な意義を解明しようとするアプローチは著者ならではのもので、幅広い読者にとって興味深く読むことのできる内容なのではないかと感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み物としては悪くないが、対比させるのに失敗している。
全体的に底が浅い、って感じてしまった。
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