- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062581783
作品紹介・あらすじ
自然と「交感」し、人と「交際」し、物を「交換」する人間=ホモ・コムニカンス。ポトラッチ、歓待、クラ交易、供犠-人間存在の根源に宿る「負債」が駆動する行為。「敵対」を「友好」に変える贈与体制の驚くべき叡知とは?資本主義が破壊した文化制度を検証し、人間学に新地平を切り拓く。
感想・レビュー・書評
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Thu, 09 Dec 2010
モースの贈与論を下敷きにしつつ,コミュニケーションに加え贈与や交換といった行為も含めて「交易」と,とらえ,議論する.
先に,同メチエシリーズの「愛と経済のロゴス」を読んでいたので,モースの贈与論は大体わかるかんじだった.
ただ,贈与と交換,とくに市場経済を区別する中で,いわゆるドライな経済で,抜け落ちてしまう項がある,というのを再び意識するにはよかった.
たとえば,それは,マウリ族の ハオ だ.
贈り物と共に移動する空気のようなもの?ハオ.
交換,貨幣経済になった後も,うっすらと残っている,それは,私たちの社会を微妙に支配している.
政治献金なんかもおおいに,これかもしれないな.
「交易」として言語的なコミュニケーションと経済的なコミュニケーションを重ね合わせる視点は,多種体間協調を言語的なものから,貨幣的なものへと広げていっている視点と重なり,興味深く思った.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
<socialisme>を「社会主義」と訳すことの間違いをこの本を通じて知った。素晴らしい着眼点。日本人は直訳語によってどれだけ西洋の本質を捉え損ねてきたか。
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交易という視点で近代以前の経済を贈与という概念で捉え直すという理論書。
正直課題で出なかったら絶対読まない類いの本。それだけに勉強にはなった。でも後半はマルクスの『資本論』から大抜粋で丸パク状態でなんだか尻つぼみ。
3冊目。